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2008′ 10/5 全日本(最終戦) 第6戦 岡山国際 総括

日曜日, 10月 5th, 2008
■レース結果報告
全日本選手権・最終戦、岡山大会、伊藤勇樹8位。ランキング9位決定!

世界グランプリから1週間のハードスケジュールで迎えた全日本選手権・最終戦、
岡山国際サーキットで開催されたレース結果をご報告致します

イベント名 全日本選手権(最終戦) 第6戦
日時・場所 2008年10月5日・岡山国際サーキット

レース結果


GP250  伊藤勇樹  予選 9位  決勝 8位

GP250・伊藤勇樹


今年の岡山は事前練習に時間をとることが出来ず、2週間前のタイヤメーカーテストのみでレースウイークを迎えた伊藤。その事前テストでは35秒前半までしかタイムを伸ばすことが出来ず、目標タイムの32秒台に向けて課題を残した状態で世界グランプリを経て岡山入りした。

ウイーク初日の金曜日は天候にも恵まれ、午前、午後の2回のセッションを走行。伊藤は1回目1分36秒106で10番手、2回目は1分35秒254で9番手となり、初日目標の34秒台に惜しくも届かない。岡山のコースは3つのセクターに分かれてタイムを表示されるが、伊藤は上位陣に対し特にセクター2と呼ばれる区間(S字からダブルヘアピン)で1秒以上のタイム差があり、特にヘアピンコーナーのような曲がりこんだコーナーで大きく引き離されてしまう傾向がある。

この区間タイムを詰めるためサスセットは徐々にリヤのセットを固める方向に変更。更に走行ラインのアレンジを試みるが大きな手応えを得るまでには至らない。それでも区間タイムの開きを僅かづつだが詰めてきており、公式予選で更なるタイムアップを目指す。

翌日の土曜日も秋晴れの中公式予選が行なわれた。前日から更に前後のサスセットをハードな方向にセットした伊藤は、35秒台前半のタイムを記録したところでピットインし、車高を上げて再びタイムアタックに出る。しかしこの変更は裏目に出てしまいフロントのハネを誘発しタイムを詰めることができない。再びピットインした伊藤は車高を戻し、僅かにフロントサスのイニシャルを抜いて最後のアタックに出てゆく。

微細な変更だがフィーリングが向上した伊藤は35秒前半にペースアップ、そして34秒台に入り更にペースを上げてゆくが、ここから数周クリアラップをとれずに時間が経過して行く。いよいよ最終ラップとなったとき、後方から来た宇井選手にバックストレートで交わされその後方につくチャンスが来たが、コントロールラインを通過したときには惜しくも時間切れでチェッカーとなってしまった。この最終ラップで伊藤は宇井選手がヘアピンコーナーでオーバーランし自分も同じラインを通過してしまったとコメントしてきた。

実はこのときの区間タイムは自己ベストを記録しており、結果的に加速しやすい走行ラインだったことを確認した。伊藤にとってオーバーランと思える走行ラインが理想的な走行ラインでありそれを発見することが出来たのである。

問題点はあるもののこの走行ラインを自分のものにするために、翌日の朝のフリー走行に向け準備を進める。

決勝日朝、残念ながら天気予報よりも早く雨が降り出し、朝のフリー走行は各クラスともウエットコンディションでの走行となった。このフリー走行で伊藤はなんと1周目のダブルヘアピン立上がりで転倒を喫してしまう。それでもすぐにマシンを起こし走行を続けるがヘルメットのスクリーンが外れてしまいピットイン。マシンを修復し、サスセットを変更して再びコースインするがすぐにチェッカーが出されてしまいフリー走行を終える事となった。

午後からの決勝は小雨が降り続ける中、定刻の15時50分に15周のレースがスタートした。 無難なスタートを決めた伊藤はオープニングラップを10番手で通過。

トップは富沢、これを追いかける宇井がオープニングラップに転倒。さらに宇井の転倒で2番手に上がった及川も2周目に転倒と波乱の展開となった。伊藤は8番手争いの集団でレース序盤を消化。5周目に集団を抜け出した伊藤は前を行く濱本に迫ってゆく。レース中盤、濱本との距離は一進一退を繰り返しながら徐々にその差を詰めてゆく。しかし一度は目前まで迫ったその距離だったがレース終盤にかけて今度は逆に徐々に濱本に離されてしまう。

懸命な追い上げも及ばず伊藤はそのままの順位でチェッカーをくぐり最終戦を終えた。

今大会を持って全日本選手権の全日程は終了。

伊藤勇樹は合計43ポイントでランキング9位が確定した。

GP250クラスへの参戦3年目としては更なる飛躍を期待していたものの不満の残る結果となってしまった。今期は序盤の流れをもっとも得意なオートポリスで断ち切ってしまい結果的にランキングを含め不本意なシーズンとなってしまったが、そのような状況の中でも各コースで自己ベストを更新し、オートポリスでは表彰台をしっかりと射程距離に捉えることが出来るまでに成長。

また苦手な雨でも大きくタイムを崩すこと無くまとめることが出来るようになり、確実に走りのレベルを高めてきている。世界グランプリの初参戦も結果としては惨敗に終わったものの、世界の走りを間近にした経験は全日本では得ることが出来ない貴重な時間であり、世界の走りとの差を知り、走りのきっかけを掴むヒントを得ることが出きた。

16歳の伊藤にとっては中身の濃い一年であった。

このような一年を無事過ごすことが出来ましたのも、ご支援、ご協力を戴きましたスポンサーの皆様のお陰です。誠に有難うございました。

全日本選手権は今大会で終了しましたが、DOG FIGHT RACINGのレースはまだ続きます、次戦はツインリンク茂木の最終戦と筑波の最終戦が2週連続で開催されます。よろしくお願いいたします。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明


☆ライダーコメント☆ 伊藤 勇樹


岡山はとても良い天気で、前回のMotoGPで学んだ事をART合同走行で試してみようと思いました。 金曜日はセッティングとライディングを入念に確認して土曜日の予選に繋げて行こうと思いました。

土曜日の予選,僕は宇井選手や高橋選手を標的に走行することにしました。
しかし、なかなか会えません。

ようやく宇井選手に会ったのですがチェッカーになってしまいました。
日曜の決勝はあいにくの雨になってしまいました。
決勝がスタート、水しぶきが一気に舞い1コーナーに進入して行きました。1コーナーをぬけるとすごい大混戦になりながら3コーナー、アットウッドカーブに差し掛かった時点では11番手ぐらいに付けていました。

レースは6周目を超える所で濱本選手の姿が見えたので必死に追いかけました。 10周目,濱本選手との差がなかなか詰まりません。追いついたり離れたりの繰り返しでした。 なんどもリアタイアが滑っている状況の中、ようやくチェッカーを受けました。結果は8位でした。

レース後はなぜだか泣いてしまいました。
最終戦は終わりましたが、これもがんばって行きたいので応援よろしくお願い致します。
ありがとうございました。