1990~1993年の間に制作された、ガルアームが特徴的な2stレプリカの王道マシン。
製造から20年立った今尚、根強い人気を誇り、後継であるMC28(プロアーム)を凌ぐパフォーマンスを発揮するため、サーキットユーザーも少なくない。
今回はこのNSR250Rがベース車両です。
今回はこの車両を使用して、当社ドッグファイトレーシングが定評を頂いております2ストローク車両に、如何に情熱を持って接しているか。なぜここまで徹底的に整備させて頂いているのか・・・。
中古車とはいえ、全て完調とし、すでに新車では手に入らない希少車を、より新車に近い状態でご提供させて頂いている販売中古車の制作の全貌をご覧下さい。
車体編
オートバイのピストンは剥き出しの物がほとんどの為、錆などの腐食のひどい物はピストンごと交換致します。
ブレーキフルードが通る穴やオイルシールやダストシールのところには汚れが固着している事が多いので、しっかりと時間をかけて行います。
タンクやホースも割れ等が無いかチェックし、マスター本体も洗浄していきます。
フロント同様、シール類は全て交換を行い、ピストンは再使用可能であれば洗浄後組み上げます。
キャリパー本体も同様全て細かいところまで洗浄致します。
リアブレーキマスターシリンダーもバラしてプッシュロッドの曲りが無いかどうか等チェックします。
こちらもしっかりと洗浄後、組み上げます。
オイルシール、ダストシールは新品交換致します。ダンパーロッドやアウターチューブ、その他細かいパーツまで全てチェック後、洗浄し組み上げます。
オイルはもちろん新品に交換致します。
再メッキ処理したインナーチューブです。
ドッグファイトレーシングではFフォーク単体の加工も承っております。
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こちらの車両も写真の通り、オイルが漏れてしまっていました。
ダンパーロッドの錆も確認します。
ダンパー自体も弱くなってしまっていたのでドッグファイトレーシングでは必ずオーバーホール致します。
クラックや歪んでいたりするものもあるのでこちらも入念にチェックしていきます。こちらも洗浄後、グリスアップして組み上げていきます。
ピボット部やアクスル部等、クラックが無いか割れが無いか入念に行います。
とりわけ、スイングアームは汚れやすいパーツでもあるので、点検後、しっかりと洗浄していきます。
ご覧のようにピカピカに仕上げます。
ステムベアリングをチェックしたらレースの内側も洗浄していきます。
割と汚れが溜まりやすいところであり通常メンテナンスでは中々手の届かないところなのでこの機会に細かい部分は全て実施します。
洗浄しながら、フレームのチェックを行い全て手作業で細かいところまで手を抜かないのがドッグファイトレーシング流です。
またブレーキディスクの摩耗もチェックしていきます。
基本的にドッグファイトレーシングでは新品、もしくは程度の良い中古の物に交換致します。
エンジン編
まずタンクを外し、上部にあるエアクリーナーボックスを外していきます。中にはエアフィルターが入っており、ゴミ等の目詰まりがないか、破れ等がないかチェックしていきます。万が一穴等が開いていると空気の流入量が増え、薄い状態が続いてしまい最悪エンジンを壊す可能性もあります。
20年以上経過しているので中にはエアフィルターのスポンジがボロボロになって、それが崩れて目詰まりを起こしている車両もしばしばあります。
先ほどのカーボンの堆積もですが、シリンダーとの摩擦による縦傷がかなり激しいです。
ピストンリングも痩せてしまっていて、ピストンリング下も排気ガスが吹き抜けて黒いカーボンが付着しています。
これでは圧縮が抜けてしまうために、もちろん全て交換です。
やはり、どちらのピストンも走行距離なりの消耗が見られました。2ストロークに関しては、4ストロークよりもピストンの消耗は激しいので、出来れば早い段階でチェックをし、必要があれば交換する事をおすすめします。
※レース仕様の車両は500kmくらいで交換していましたよ~!
最終的な状態はケースを割ってから確認しますが、この段階からすでにクランクもかなり焼けているのがおわかりですね。この状態でコンロッドの動きにゴロつきや上下にガタが有る時はNGですね。
エンジンを降ろす前にまず上側のシリンダーからガソリンを流し込み、センターシールの抜けを確認します。センターシールが抜けていると上側から流し込んだガソリンが下側のバンクから流れ出してきます。
センターシールが抜けていると、各シリンダーで密閉が保てなくなり、片方が極端に薄くなってしまったりしてエンジンがかからなくなったり、そのまま走行していると、焼き付き等のエンジン損傷の原因にもなります。
もし使用不可能の状態であれば、デトネーションリングの追加工や修正を行います。もちろん修正が不可能なくらい損傷があれば新品交換致します。
NSR250Rは下側シリンダーヘッドの方がプラグセンターが中心よりずれている為、デトネーションが発生しやすいのでよく点検していきます。
ドッグファイトレーシングではシリンダーヘッド及びシリンダーの加工も承っております。
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傷がひどい場合や内径が大きくなった物は再メッキ加工を施します。
NSR250Rの場合、排気ポートのセンターリブの部分が特に痛みやすいので要チェックしていきます。
ポンプを外さなくても2ストオイルの減りが早いT/Mギアオイルが増える等の症状が出ている場合はオイルシール抜けが疑われます。
E/Gを降ろす前にオイルを抜きますが綺麗なオイル受けに抜いたオイルを受けて中に異物(金属片等)が無いかチェックします。
乾式クラッチの場合、クラッチを先に外してからケースカバーを外す手順になります。
乾式クラッチは湿式タイプよりここの摩耗が早いのでこまめにチェック致します。
オイルポンプのボルトはネジロックされているので無理に緩めようとすると切れてしまうので要注意です。
94以降の車両の場合シフトリターンSPGを強化タイプの物に交換してしまいましょう。
角が丸くなっている物はギア抜けの原因となります。
位置決めの突起部分がケースに当たってしまっています。
よほど酷い状態になってしまうと最悪の場合ケース交換となります。
キレイに掃除した後、ひずみを点検。ストレートエッジでクリアランスを測定します。また、ケースの無駄なバリ等を取り除きます。
88・89はすでにメーカーで廃盤となってしまっておりますのでクランクのオーバーホールを実施致します。
新品のクランクであったとしてもドッグファイトレーシングでは全てチェックし、より精度を高めるために修正していきます。
問題があればもちろん交換していきます。
長期間乗っていない車両や、走行距離の長い車両は要チェック箇所です。
この車両も全てバラしてチェックしていきます。
年式の古い車両や長期間乗らなかった車両は詰まってるところがあるので大事な作業となります。
フロートバルブ等も段付き等ダメになっている場合があるので、新品に交換致します。
一度詰まってしまったジェット類や摩耗の激しいジェットニードルは全て新品に交換します。キャブレターは1000分台の精密部品ですから。
クラック等がある場合は新品に交換してしまいます。
完成
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このように車体・エンジンの全てをチェックし分解・清掃・点検・交換を行い、トルク管理をしっかりと行った上で組み上げて完成となります。
また、今回ご紹介させて頂きました2st車両のエンジンや車体のO/Hは単体でもお受けしております。
もちろん上記のように全て分解・清掃・点検・交換を行うメニューは同じであります。
お問い合わせ、ご用命はご連絡頂ければと思います。
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