レース結果

2012.10.23.
2012′ 10/14 アジア選手権Rd.5台湾 ライダーコメント 伊藤勇樹

ライダーコメント 伊藤勇樹


ライダー:#19 伊藤勇樹
クラス:SS600

2012′ 10/14 
アジアロードレース選手権 第5戦 台湾 ペンベイインターナショナルサーキット

予選:8位
決勝:H1  5位   H2  4位


レースコメント

予選
アジア選手権の第5戦を迎え、舞台は台湾。初開催となるペンベイサーキットは台湾の南側にあり、気温は夏を感じさせる暑さ。更に海が近いため潮風を感じる今迄体験をした事のないサーキットでした。

初めて走るサーキットをいきなりレース。初の体験に緊張感を感じながらフリープラクティスを走行しました。何もかもが分からない海外のサーキット。戸惑いながらもコースに慣れて、フリーでは総合7番手で予選に挑みます。

予選も猛暑日で、気温は約30℃を越えました。コースインし、2周目には自己ベストを更新。しかし周りのペースが想像を越えてタイムを上げ、この時点で8番手。
再びコースインしアタックを開始し、タイムを更新。それでも順位は変わらず8番手で後半戦へ。この時すでに、アジアのライダー達の強さや上手さを感じました。初めて開催されるサーキットでの早い順応性は驚かされるばかりです。

何度タイムアタックしても順位を上げる事が出来ず、焦るばかり。結局は問題点を見つけることも出来ず、8番手で予選を終えました。

予選終了後、悔しさのあまり地団駄を踏んでしまうほど。このままではいけないと解決策をスタッフとミーティングを始め、解決策の糸口を見つける事が出来ました。納得のいく方向性が見つかり、翌日の決勝に備えました。


決勝レース1
アジア選手権のレースは2回行われるが特徴で、体力とメンタルの強さが要求されます。先ずはレース1のご報告を致します。

レース1はスタート直後、エンジンの停止した車両に後方の車両が追突し一時中断。18周で行われるはずだったレースはこの影響により、15周に減算され仕切り直しとなりました。

仕切り直しのスタートは無難に決まり、6番手で1コーナーを通過。1周目を終えてのオーダーは、清成選手、藤原選手、ファドリ選手、アズラン選手、ザムリ選手、そして自分の6台で争われました。3周目辺りにチームメイトのザムリ選手をかわし5番手。5周目辺りから清成選手、藤原選手の2台が抜け出し、集団は3番手争いと変わっていきました。その直後、再びザムリ選手に先行を許してしまい、6番手に順位を下げます。ザムリ選手は更に前方のファドリ選手をかわし、今度はファドリ選手を追う形で後半戦へ。

後半戦に入っても3番手争いに大きな順位の変動はありません。前をいくファドリ選手の攻略に苦戦しながらも、3番手争いを見据える位置をキープ。前日に悩んだ問題も出ていないため、後半に入っても予選時のタイムを1秒更新し、そのタイムをキープする安定感を手に入れました。しかし、コーナーの進入時に問題を抱えてしまい、前に出る事が出来ない状況。すると13周目、4位に落ちたアズラン選手に仕掛けたファドリ選手がラインを大きく外し、そこをチャンスと思いかわして5番手に浮上。

そのまま順位が変動することは無く、5番手で終えました。3番手争いをしながら表彰台に立つことが出来なかった事は悔しく感じましたが、レース2に向けての改善点が見つかっていたので自信がつきました。


決勝レース2
レース2も猛暑が続きました。18周の決勝にはやや厳しい気温の中、レースがスタート。
今回もスタートは無難に決まり5番手で1コーナーに進入。1周目は車体の状態や、周りの状況を確認するためオーバーアクションは起こさずにコントロールラインを通過。この時点で車体に問題を抱えている事に気付きました。

トップは清成選手、藤原選手、ザムリ選手、ファドリ選手、自分と集団が固まり走行。タイムもコースレコードの1分45秒台の速さで周回を重ねました。すると前を行くファドリ選手のペースが落ち始め、トップ集団から遅れ始めました。何とか前に出ようと試みますが、なかなか前方に出る事が出来ません。コーナー進入時の問題があり、かわすのが困難な状況。ファドリ選手が後方を確認し、自分との距離を確かめ慌てた様子で再びカウルに体を伏せました。

その直後のヘヤピンコーナー、ファドリ選手がまさかの転倒。危うく接触の危機を何とか回避しこれで4番手に上がりましたが、3位のザムリ選手と大きな差となってしまい懸命に追う形。なんとかペースを上げようとしましたが、ザムリ選手との差は縮まったり、離れたりを繰り返す展開。
更に猛暑のせいで急激に体力を消耗し、苦しい状況に陥りました。それでも前を追い、全力で攻めました。

18周をなんとか走り切り4位でチェッカーを受け、一気に脱帽しましたが、後悔の無いレースだったと感じました。

レースを終えて
今回、ペトロナスヤマハやチームスタッフに助けられ、海外レースでは初の別チームからの参戦を良い形で終える事が出来ました。もちろん、優勝を狙うつもりで走りましたが、そう簡単にはいきませんでした。
応援して下さいました皆様には本当に感謝しています。次戦は全日本、最終戦である鈴鹿。そして、アジア選手権の最終戦であるカタールがあります。

応援宜しくお願いします。有り難うございました。


伊藤勇樹

2012.10.11.
2012′ 10/07 全日本選手権 第8戦 岡山国際サーキット 総括

2012′ 10/07 全日本選手権 第8戦 岡山国際サーキット


岡山は藤田拓哉、伊藤勇樹、ともにノーポイントに終わる。

イベント名 全日本選手権 第8戦
日時・場所 2012年10月7日・岡山国際サーキット


レース
JSB1000 #33  藤田 拓哉  予選9位  決勝未完走
ST600  #19  伊藤 勇樹  予選12位  決勝24位

JSB1000・藤田拓哉


岡山ではあまりよい結果がない藤田だが、3年目の今年は事前テストから着実に自己ベストを更新。
今年こそはとの思い出レースウイークを迎えた。今大会は上位陣から怪我のため加賀山選手と高橋選手が欠場となったため、上位に食い込みポイントを獲得するチャンスでもある。

金曜日の公式練習1本目。事前テストでベストタイムを記録したセットアップからスタートするがマシンのフィーリングが合わない。なんとか1分32秒台を記録するが、ライバル勢も調子を上げており総合9番手と厳しい展開。午後の走行で問題点を調整するがタイムは変わらぬまま。
逆にライバル勢は着実にタイムを詰めてきており総合10番手と後退してしまう。


予選


予選に向けフロントのバネレート変更や路面温度の低下に合わせたソフトタイヤのチョイスなどセッティングを変更して臨んだ公式予選。今回もノックアウト方式の予選のため先ずはセッション1でセットの確認を行う藤田。

真っ先にコースインし順調にペースを上げてゆくと、5周目に各セクターで自己ベストを更新して32秒1までタイムを上げ、セッション1を総合9番手で通過。セッション2は赤旗を挟み14分間でのアタックとなったが、藤田は中古タイヤのままアタックを続け32秒5のタイムで総合10番手となりファイナルセッション出場を決めた。

前後のタイヤを交換して臨んだ最後のアタック。5周目に32秒0を記録、6周目に遂に31秒に突入、7周目に更にベストを更新して31秒8までタイムを上げ総合9番手を獲得した。

岡山のコースは全体を3つのセクターに分けているが、前半と後半のセクターは順調にタイム更新してきているのだが、問題は中間セクション。ここがまだ上位陣と大きく離されているポイントであり、逆に見ればここをうまく攻略できれば6番手争いの集団を抜け出すことができる。ベストが出た周にミスばっかりだったと悔やむ藤田。
だがデータ上はミスをした区間が最もうまくいっている現実とのギャップを藤田が走りの中で気付いてくれれば一つ上のポジションを狙えるようになるのだが・・・


決勝


迎えた決勝。15時15分に20周の決勝がスタート。

無難なスタートを決めたように見えた藤田だが順位を大きく落としてホームストレートを13番手で通過。ストレートもマシンのスピードが伸びない。
セクター1、セクター2と明らかに遅いペースの藤田。マシントラブルの可能性と思っていたところに藤田がピットイン。クラッチが焼けてしまい完全に滑ってしまっている。

急遽部品を交換して再びコースインするがすでにレースは半分を消化しており、ジ・エンド。悔しいノーポイントレースとなってしまった。
スタート前リラックスしていると言っていた本人の言葉とは裏腹に、岡山で結果を残すことに力が入りすぎてしまったのか、凡ミスである。2年前に菅生で喫したミスを再び繰り返してしまった。3度目は絶対に許されない。

徹底的に練習だ!


ST600・伊藤勇樹


路面グリップの低い岡山サーキットではここ数年ピレリタイヤが優勢で、年初より最も厳しいレースになると予想していた今大会。伊藤は事前テストのデータをベースにレースウイークに臨んだ。

天候に恵まれ昼間は路面温度も40度近く上がるものの朝方や、日が傾きだした時間になると一気に路面温度が下がってしまいタイヤ選択が難しいコンディション。
伊藤は当初フロント新型ソフト、リヤミディアムで走行を始めるがうまく機能しない。タイヤグリップを引き出す前に滑りだしてしまう路面に手こずっていたが、セッション終盤にリヤをソフトに変更してバランスに光明を見出し、初日の結果は自己ベストを更新して1分34秒6のタイムで14番手にとどまる。

翌日は朝から曇り空で肌寒い天候。路面温度も30度に届かないコンディションの中10時15分に公式予選がスタート。
セットアップに良い方向を見つけた伊藤は序盤に自己ベストを更新して1分34秒3までタイムアップ。一気に6番手まで順位を上げるが、終盤に向けタイムをあげてきたライバルにより最終的に12番手で予選を終えた。

決勝朝のフリー走行で全ライダーが中古タイヤでの出走のためタイム更新ができない中、伊藤は自己ベストと同タイムの1分34秒3を記録して6番手につける。フルタンク状態で34秒台中盤のタイムでラップを刻めたことから決勝に向け期待が膨らむ走行だった。

迎えた決勝。晴天の中11時10分にST600の決勝・15ラップがスタートした。

好スタートを切った伊藤は一気に9番手にポジションアップしてオープニングラップを通過。トップ集団を見据えながら2周目に入るとヘアピンコーナーで後ろにいた岩崎が止まり切れないスピードで伊藤のイン側に飛び込んできた。2台は接触転倒。
伊藤はマシンを起こし再スタートするが周回遅れの最後尾につけるところまで順位を落としてしまう。

それでも諦めない伊藤は上位陣と変わらぬラップペースで周回を重ね、徐々にポジションを回復してゆく。しかし周回遅れからの挽回は厳しく15周のチェッカーを受けた時に24位まで順位を回復するところで時間切れとなってしまった。
目の前に4~5台の集団がいただけにポイント獲得まであと一歩と残念な結果に終わったが、ライダーに怪我がなかったことが幸いであった。

レース後に伊藤が「トップ10内の集団だったので皆のレベルも高く安心していたのが気の緩みになり僅かに隙を与えてしまったのだと思う」と反省していた。
このミスを次回に繋げて欲しい。


総括


御支援、ご声援ありがとうございます。
次戦はいよいよ最終戦鈴鹿ですが、その前にアジア選手権・台湾大会に伊藤が参戦。ドッグファイトレーシングも寺本選手を起用してスポット参戦して参ります。台湾は全員が初めてのコースでチャンスもあります。
両名とも日本代表として、表彰台獲得を目指して頑張ってきます。


ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明


2012.10.11.
2012′ 10/07 全日本選手権Rd.8 岡山国際 ライダーコメント 伊藤勇樹

ライダーコメント 伊藤勇樹


ライダー:#19 伊藤勇樹
クラス:ST600

2012′ 10/7 
全日本ロードレース選手権 第8戦 岡山国際サーキット

予選:12位
決勝:24位


レースコメント

予選
事前テストからあまり調子の上がらない状況でレースウィークに入り、そのままペースを掴むことが出来ず苦戦を強いられました。それでも時間を有効に使いながら方向性を見つけ、予選に挑みました。

予選当日はくもり空が広がり、気温も20度に届かない程に冷え込みました。先ず始めにコースインし、自己ベストタイムを記録。
一時ピットに入るころには8番手辺りのタイムを確認。メカニックと打ち合わせをしてコースインしました。

今回の予選で後方のタイヤをミディアムからソフトの柔らかいタイヤを選択したのが当たり、ペースを重ねてもほぼ同タイムで走行。しかし、タイムが上げる事が出来ずに後半になって順位は12番手に後退してしまい、厳しい状況となりました。

昨年から比べると路面の状態が悪く、セッティングを導きだすのに苦戦。最後まで粘りましたが、タイムを更新することが出来ず12番手で予選を終えました。アベレージタイムはトップに喰らいつける位置にいたので、もう既に気持ちは決勝に向け切り替え、決勝のセッティングも固まった所で一日を終えました。


決勝
決勝当日は日差しも差し込み、前日の予選よりは暖かくも感じました。

朝のフリー走行が15分間行われ、修正したセッティングでこのレースウィークで最も良い感触を手にする事が出来ました。その結果、前日の予選で使ったタイヤで予選に匹敵するタイムで周回を重ねる事が出来ました。順位も7番手と良い形で決勝に挑めました。

決勝グリッドに着くと不思議に落ち着くことが出来ました。朝のフリー走行の確認し、大きな自信が付いた事がきっかけです。皆さんの温かい声援を頂きながらレースの始まる時を待ちました。

スタートし、1コーナーを9番手辺りで通過。バックストレートで前を行く稲垣選手をヘヤピンコーナーで交わすもやや大きくラインを外し、内側にいた國川選手に先行を許してしまいます。

1周を終了し、順位は9番手。2周目の1コーナーで國川選手を捕え8番手へ。前にいる渡辺選手を追いかける形でバックストレートに差し掛かりました。すると、ヘヤピンコーナーで後方から順位を上げてきた岩崎選手がイン側に進入。そのまま接触し転倒し順位を大きく下げてしまいました。
この時点で順位は32位ですが、ポイント獲得圏内である20番手を目指し、諦めずに走り続けました。

この後、前方のライダーに集中し確実に順位を上げていくと、気付けば24番手まで浮上し前方には20番手のライダー達を確認。タイム差を確認するためにサインボードを見てみると、既に最終ラップに突入し、前方との差は4秒弱の差。それでも諦めずに最後まで攻め続けましたが、1秒半届かず24番手でチェッカーを潜りました。

今シーズン初のノーポイントに終わってしまった岡山ラウンドですが、レースウィーク中で学んだことは非常に大きなものでした。


レースを終えて
今回、応援して頂いた皆様にはご心配、ご迷惑をお掛けした事を深くお詫び申し上げます。転倒による怪我も無く、次週に開催されるアジア選手権の台湾大会に気持ちを切り替え、次へ繋がる結果が残せるように努力いたします。
次戦も皆様の応援宜しくお願い致します。



伊藤勇樹

2012.10.11.
2012′ 10/07 全日本選手権Rd.8 岡山国際 ライダーコメント 藤田拓哉

ライダーコメント 藤田拓哉


ライダー:#33 藤田拓哉
クラス:JSB1000

2012′ 10/7 全日本選手権 第8戦 岡山国際サーキット
予選 9位  決勝 リタイヤ

今回もたくさんのスポンサー様にサポートしていただきました。
ありがとうございました。
チームスタッフ様、ファンの皆様、ありがとうございました。


レースコメント

金曜日のART走行では、なかなか良いセッティングが見つからず、タイムも上げることもができませんでした。


予選
土曜日の予選のQ1では、タイヤを温存するのではなく、タイムを上げるためにセッティングをふりました。

セッティングを振ったことでセッティングが上手くマッチしてタイムが上がり、1分32秒1までいきベストタイムでQ1を通過しました。
Q2では、Q1で使ったタイヤを使うのか新品タイヤを使うのかを迷いました。しかし、セッティングがマッチしていたのでQ1で使ったタイヤで行きました。
Q2では1分32秒5でQ3に残ることができました。
タイヤを新品にチェンジしてQ3に臨み、とにかく走りました。

フロントとリアの感触をだんだんつかんできて、最後に自己ベストの1分31秒8をだして、予選9位で終えました。


決勝
スタートでクラッチを焼いてしまい、ピットに帰ってきてクラッチを交換してレースに戻りました。
コースにでてから走るもタイムがなかなか上がらず、チェッカー受けましたが周回遅れでレースを終えました。

スタート練習をたくさんしたにもかかわらず、決勝で最大のミスをしてしまいました。
残り2戦もっと気を引き締めていきます。

すいませんでした。


JSB1000 #33 藤田拓哉

2012.9.16.
2012′ 09/09 全日本第7戦&アジア第4戦 オートポリス 総括

2012′ 9/9 全日本選手権 第7戦&アジア選手権 第4戦 オートポリスサーキット


藤田拓哉・JSB1000クラス
藤田拓哉は決勝9番手獲得でランキング9位に上昇!

伊藤勇樹・SS600クラス
伊藤勇樹はヒート1で3位、ヒート2で2位の連続表彰台獲得!

全日本選手権第7戦・九州大会が開催されました。前戦で自己ベストを更新した藤田と伊藤が参戦。
伊藤は併催のアジア選手権に参戦し、急遽マレーシアヤマハチームの代役として走ることになりました。そのレース結果をご報告致します。

イベント名 全日本選手権 第7戦 (併催:アジア選手権第4戦)
日時・場所 2012年9月9日・オートポリスサーキット



レース結果
JSB1000 #33  藤田 拓哉  予11位  決勝9位
SS600  #19  伊藤 勇樹  予選3位  決勝ヒート1  3位   ヒート2  2位

JSB1000・藤田拓哉


九州大会は事前テストとレースウイークが一緒となった為、水曜日のテスト走行から始まりました。
新しくなった路面での初走行となる藤田は初日の走行1本目に1分54秒3のタイムを記録し、あっさりと自己ベストを更新した。路面グリップは春の時期よりも落ちているが、改修によりギャップが無くなりアクセルを開けやすくなった分タイムが全体的に伸びている。
しかしその分前後タイヤの負担が変化しフロントタイヤの消耗や旋回性の変化の問題が発生してきた。前後のサスセット、車体姿勢などを探りながらセットアップを詰めてゆく藤田は2本目の走行でさらにタイムアップ。1分53秒2を記録した。しかしここで雨が降り出し走行中断、弱い雨により路面状況が中途半端となりそのまま走行を終了した。

午後はウエットコンディションでの走行。雨が得意な藤田は基本セッティングから変更することなく走りこみ周回毎にタイムを詰めてゆく。終わってみれば総合6番手、柳川選手を抑えて堂々のタイムを記録した。

不安定な天気予報の中でしたが翌日の走行はドライコンディションのなかコースイン。フロントサスのセッティングが詰め切れていない藤田は、この走行をセッティングに集中。ピットイン、アウトを繰り返し徐々にタイムが上がってくると1分52秒台に突入。しかし上位陣は49秒台に入ってきており、その差は約3秒。まずは51秒台に向け準備を進める。

翌金曜日、通常の全日本選手権のタイムスケジュールの入った走行1本目。藤田はそれまでの上り調子から一転、タイムが頭打ちとなりセッティングにも手ごたえを見失いかけてしまった。しかしこの走行でしっかりとダメなポイントを確認出来たことで、予選に向けセクター3にポイントを絞ったセットアップに集中できることになった。


予選


土曜日の公式予選。雨の予報が外れドライコンディションでコースイン。藤田はコースイン直後にバンクセンサーが脱落するハプニングでピットインするアクシデントはありましたが、再びコースインすると順調にセクターのタイムを更新し1分52秒5までタイムをあげノックアウト予選のセッション1を通過。

続くセッション2でさらにタイムを詰めた藤田は1分52秒0を記録して、総合12番手でこのセッションも通過。最後のアタックとなるセッション3で前後のタイヤを交換してコースイン。課題にしていたセクター3のタイムは順調に更新することができたものの、全体のタイムをまとめることができず、1分52秒1のタイムで総合11番手で決勝に臨むこととなった。

尚セッション3走行開始直後に加賀山選手が転倒。決勝出場を断念することとなった。


決勝


日曜日の朝のフリー走行で決勝を睨みフルタンク状態でコースイン。コース上には夜に降った雨のせいでウエットパッチが残る状態だったが、セクター1、セクター3でベストを更新。タイムも1分52秒00と僅かだが予選タイムを更新。総合8番手まで順位を上げてきた。

迎えた決勝。課題のスタートに失敗。順位を13番手に落として第1コーナーを通過。一台を抜いてオープニングラップを12番手で通過。

トップ7の集団は大きく離されてしまい、須貝選手を先頭にした大きな8番手争い集団が形成された。藤田は4周目に須磨選手をパスして11番手に浮上。続く5周目には1分51秒台に突入して前を追うと6周目に東村選手を抜いて10番手に浮上。9周目には芹沢選手の転倒により9番手に浮上するが前を行く須貝選手、今野選手のラップペースに比べ藤田のラップは0.5秒ほど遅いため徐々にその差が開いてゆく。
後続の東村選手との差も開いていき単独走行となった藤田はそのまま9番手でチェッカーを潜った。

SS600・伊藤勇樹


アジア選手権で大きな成長を見せた伊藤は、今大会もワイルドカード参戦の予定でオートポリス入りしたが、急遽マレーシアヤマハチームから代役参戦の話が舞い込んできた。リザルト次第では残りの台湾、カタールの参戦もありうるとの話のため、伊藤に巡ってきたチャンスと思いこの申し込みを受けることにした。

カラーリングの違うマシンは中国の時も同じ、それでも走りなれたオートポリスでアジアのライダーに負けるわけにはいかない。伊藤は公式練習から常にトップ3に入る走りで存在感をアピール。
サスセットも順調に進み公式予選では自己ベストを更新する走りで1分55秒2を記録してフロントロー3番グリッドを獲得した。


アジア選手権は2ヒートのため、1ヒート目が土曜日に開催される。午後の決勝30分前には僅かに雨が落ちてきて周囲はあわただしくなるが路面を濡らすまでには至らず、その後雲も晴れドライコンディションでスタートが切られた。
伊藤は抜群のスタートでホールショットを奪うがシフト操作を誤りややオーバーラン。清成選手に抜かれ2番手にポジションを落としオープニングラップを通過。しかしこのとき後続のクラッシュで赤旗が出てレースは中断。10周に減算されて再びレース再開となった。

再スタートでも上場のスタートを切った伊藤は2番手で1コーナーを通過。第2ヘアピンで藤原にかわされてオープニングラップは3番手で通過。レースは序盤から藤原が逃げ出し、清成、伊藤、アズランの3台による激しい2番手争いが繰り返される展開。伊藤はラスト2周となったとき前を行く清成に仕掛けて失敗。コーナーを大きく膨らみ2番手集団から離されてします。しかし今の伊藤はここで諦めない。再び差を詰めてラストラップの第2ヘアピンで清成をパス。そのまま逃げ切り3位表彰台を獲得した。

嬉しい3戦連続の表彰台だが伊藤はトップ藤原に引き離されたことが悔しく翌日のヒート2に向け雪辱を果たすことを誓った。


ヒート2決勝はドライコンディションの中12時30分にスタートが切られた。
ホールショットを奪ったのはアズラン選手、そして伊藤は2番手で通過。ヘアピンで藤原選手にかわされ3番手にダウン。藤原選手はアズランも交わしトップに浮上。伊藤は昨日の雪辱を晴らすためオープニングラップのホームストレートで前を行くアズランを交わし藤原の背後につける。

レース序盤、藤原選手と伊藤の2台が抜け出しマッチレースの展開となる。後方にはアズラン、ザムリ、小林、更に離れて清成の順。レース終盤までピタリと藤原選手の背後につけ隙を窺う伊藤だが相手もミスのない走りで伊藤をブロックする。
ラスト2周に入り藤原選手がペースアップ、伊藤はこれについてゆけず僅かにその差が広がる。ラストラップ再びその差を詰めようとする伊藤だが藤原選手を捕まえることはできず2位でチェッカーを潜った。

自己最高順位を獲得した伊藤だが、3位となった昨日よりも悔しさを露わにした。藤原選手を捉えきれなかったことが悔しかったようだ。それでも表彰台ではさわやかな笑顔で藤原選手とシャンパイファイトを楽しんでいた。


総括


御支援、ご声援ありがとうございます。
伊藤は手にしたチャンスをしっかりと掴み取る活躍を見せてくれて、タフなライダーに成長してきました。
藤田もようやく本来のスピードを取り戻してきたようで、安定してトップ10に入れるようになってきました。
まだまだ伸び代のある二人の次戦は10月の岡山大会となります。更に上を目指し、頑張って参ります。



ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明


2012.9.16.
2012′ 09/09 アジア選手権Rd.4オートポリス ライダーコメント 伊藤勇樹

ライダーコメント 伊藤勇樹


ライダー:#19 伊藤勇樹
クラス:SS600

2012′ 9/9 
アジアロードレース選手権 第4戦 日本 オートポリスサーキット

予選:3位
決勝:H1 3位 H2 2位


レースコメント

予選
オートポリスで行われた第4戦のアジア選手権は当初、全日本での所属チームであるドッグファイトレーシングからの参戦でしたが、ペトロナスヤマハからの代役参戦のお話を頂き参戦が決まりました。

前日のテスト走行からしっかりと感触を掴み、手応えを感じながら予選に挑むことが出来ました。
その予選では、1周目に前日から好調な藤原選手の後方でタイムアタックを始めました。半周を終えてピタリと後方に付きながら後半セクションに差し掛かると、藤原選手はアタックを止めペースを落としました。それでも後半をまとめる事が出来てトップタイムを記録し、一旦ピットに戻り様子を見る事にしました。
すると、アタックを止めていた藤原選手がタイムを上げたため2番手に後退。それでも2番手をキープし続け、翌日に向けたセットを探して再びコースイン。
ところが、セッティングがなかなか決まらずに苦戦するも2番手をキープしいよいよラスト3分。このまま2番手をキープと思ったのですが、清成選手がポジションを上げてきたために3番手に後退。そのままチェッカーとなり3番手で予選を終えました。

それでもフロントローを獲得し決勝へ向けて、良い位置でのスタートを切る事ができ一安心しました。


決勝
決勝レースは土曜日と日曜日の2回行われました。

まずは土曜日行われたレース1の報告を致します。
土曜日のレースは天気予報が雨だったのですが、見事に外れて雲の多い晴れとなり、朝のフリー走行をドライで走ることが出来ました。
予選に近いタイムで安定して周回を重ねる事が出来、ようやくセッティングが決まり決勝に向かいます。

レース前にはなんと雨がパラついたのですが、路面が濡れる事は無く再び晴れ間が顔を出しました。
グリッドには沢山の方が応援に駆け付けて下さり、いよいよアジア選手権の日本ラウンドがスタート。
スタートを上手く決めホールショットを取ったのですが、オーバランしてしまい2番手に後退。トップは清成選手で最終コーナーを立ち上がると、なんと赤旗が提示されてレースは中断。仕切り直しのレースとなりました。

2度目のスタート、ここで集中を切らしてはいけないと自分に言い聞かせ落ち着いてスタートの時を待ちます。スタートはまずまずに決まり、2番手で1コーナーを通過。1位の清成選手を追いますが、その周の第2ヘヤピンで藤原選手にパスされてオープニングラップを3番手で終えました。
2周目から藤原選手が徐々に抜け出し、その後方で清成選手、アズラン選手との2番手争いが始まりました。まず5周目に清成選手をパスして3番手に上がると、次の周でアズラン選手を1コーナーかわし2番手に上がりました。しかし、3コーナーでアズラン選手に再びかわされ3番手。アズラン選手は何年もアジア選手権でトップを争うライダーで簡単には前を走らせてはくれません。ここでも慌てずにアズラン選手の様子をうかがいながら再度、1コーナーで再びパスに成功。ところが再び3コーナーでパスされてしまい、さらには清成選手に第2ヘヤピンでパスされ4番手に後退。裏ストレートで抜き返そうと試みますが失敗し更には、大きくはらんでしまい差が開いてしまいました。

ラスト2周、それでも攻め続けラストラップで再び追いつきました。しかし、抜きどころは第2ヘヤピンのみ。ブロックラインを通ることを予想し、外側にマシンを振ってワンチャンスに賭けました。すると、清成選手が大きくラインを外し失速。そのチャンスを逃さず3番手に浮上。そのまま守り切り表彰台を獲得することが出来ました。
これで今季3度目の表彰台を獲得です。しかし、次のレース2は更に難しいレースが予想されたので、レース2に向けての準備を始めました。


レース1の翌日。あっという間にレース2の行われる最終日を迎える事となりました。
天気は晴れでしたが、午後から始まるレース2の頃に雨の予報となっており、予断の許さない状況。それでも準備をしっかり整え決勝に挑みました。

決勝スタート前、予報が再び外れ晴れの天気。しかし、風がやや強めに感じました。気温も上がり、路面温度が上がって1週間を通して一番の暑さの中、レースが始まるのを待ちました。

レースがスタートし、またも2番手で通過。前にはアズラン選手が立ちはだかり、第2ヘヤピンへ向かいます。すると、またも第2ヘヤピンで藤原選手にパスされて3番手。1周を終えると藤原選手がストレートで一気にアズラン選手をパスしトップに上がると、自分もアズラン選手を1コーナーでパスし3番手。昨日は藤原選手に逃げられてしまったので、このレースでは逃がさないよう全力で攻めました。
藤原選手のペースに後方のアズラン選手がついてこられず、4周目辺りから藤原選手とのマッチレースと変わって行き後半戦へ。
しかし、なかなか前方に出られずに苦戦する中での6周目。裏ストレートで一瞬シフタ―が起動せずに失速し、差が開いてしまいました。このままでは前日のように逃げられてしまうと8周目には再び後方へ。

しかし迎えたラスト2周、藤原選手がペースを上げ始め、ついていくことが出来ません。タイヤも滑り始めている厳しい中、藤原選手を最後まで捕らえる事が出来ず、2位でチェッカーを潜りました。これで4度目の表彰台を獲得することが出来ました。



レースを終えて
今回も無事にレースを終える事が出来ました。サポーター様、チーム、スタッフ、そして応援して下さいました皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。有り難うございました。
今回ペトロナスヤマハからの参戦が叶い、2レースとも表彰台を獲得できたことはとても良い経験をさせて頂きました。この後は、全日本選手権の岡山ラウンドがあります。アジアでの経験を生かし、全日本での優勝を目指して行きたいと思いますので、皆様の応援、ご協力を宜しくお願い致します。



伊藤勇樹

2012.9.16.
2012′ 09/09 全日本選手権Rd.7 オートポリス ライダーコメント 藤田拓哉

ライダーコメント 藤田拓哉


ライダー:#33 藤田拓哉
クラス:JSB1000

2012′ 9/9 全日本選手権 第7戦 オートポリスサーキット
予選 11位  決勝 9位

今回もたくさんの方々の支援をしていただき、参戦することができました。
スポンサー様、チームスタッフ様、ファンの皆様ありがとうございました。


レースコメント

水曜日からテスト走行をしてすぐに自己ベストを更新して、初日に1分53秒2までタイムを短縮してテストを終えました。

木曜日は、水曜日にでたネガな部分を改善するために色々な方向にセッティングをふりました。 ネガな部分が少し良くなり、タイムアップをすることができて1分52秒9で自己ベストを更新できました。

金曜日のART走行では、なかなか路面コンディションにセッティングがうまくマッチさせる事が出来ず、タイムも1分53秒2がベストとし伸びずにART走行を終えました。


予選
雨が降る可能性があったので、Q1からガッツリ攻めていきました。Q2のタイムアタック中、路面コンディションにセッティングがマッチして1分52秒0までタイムをあげることが出来、結果としてオートポリス初のQ3に残ることができました。

Q3では、リラックスすることが出来なかったのか少し肩に力が入ってしまい、コーナーごとにミスをしてしまいタイムを伸ばすことができず11位番手で予選を終えました。


決勝
スタートをミスしてしまい、1コーナーまでに数台に抜かれてしまいました。
しかし焦ることなく自分のペースで一台ずつパスをしていき、9位まで上がりました。その時にベストタイムを更新して1分51秒9が入りましたが、しかし8位との差が3秒以上あって追いつくことができず9位でチェッカーを受けました。


今後の課題として、今回のレース1周目から最後のラップまでタイムの波が結構あったので、アベレージを上げたいと思います。
スタートもミスしてしまったので、もっと練習しようと思います。

今までに学んだことや出来てない事を次戦同じ繰り返しをせず、前に進めるようにベストを尽くして行きます。



スポンサー様、チームスタッフ様、ファンの皆様、ご支援ありがとうございました。次戦もよろしくお願い致します。


JSB1000 #33 藤田拓哉

2012.8.28.
2012′ 08/26 全日本選手権 第6戦 スポーツランドSUGO 総括

2012′ 8/26 全日本選手権 第6戦 スポーツランドSUGO


Photo by 相澤様

藤田拓哉・JSB1000クラス
自己ベストの7位!!

伊藤勇樹&阿久津晃輝・ST600クラス
伊藤勇樹は全日本ベストリザルトの4位入賞!ランキング4位に浮上。阿久津晃輝も18位でポイント獲得!

全日本選手権第6戦・菅生大会が開催されました。後半戦のスタートを切る大事なレースに藤田拓哉、伊藤勇樹、阿久津晃輝の3名のライダーが参戦。そのレース結果をご報告致します

イベント名 全日本選手権 第6戦
日時・場所 2012年8月26日・スポーツランドSUGO


レース
JSB1000 #33  藤田 拓哉  予選9位  決勝7位
ST600  #19  伊藤 勇樹  予選8位  決勝4位
ST600  #56  阿久津晃輝  予選26位  決勝18位

JSB1000・藤田拓哉


6月の事前テストでは気温が低く十分なテストができなかったためチームは8月の事前テストにも参加。路面温度50度に近い状況で行ったテストが行えた。
そして迎えた全日本選手権本番。晴天となった金曜日、路面温度も45度を超える猛暑の中の公式練習では新しいサスセットの方向性の確認を行い、確かな進歩を確認できたが、路面温度の上昇に合わせて選択したフロントタイヤが機能せずタイムは思わしくない。走行データを見直し、タイヤを事前テストで使用していた仕様に戻しノックアウト予選に臨むこととなった。


予選


今回も予選はノックアウト方式の予選となり、セッション1で上位24台を選抜。セッション2で上位12台を選抜。そしてセッション3で上位12台のグリッドが決まる勝ち残り方式だ。

土曜日も晴天が続き気温は30度を超え、路面温度も45度を超えるコンディションの中、公式予選がスタート。
セッション1の40分の走行時間を使って、フロントサスのセットアップを詰めてゆく藤田。徐々にセットがまとまりだしセッション1は31秒08のタイムで8番手で通過。続くセッション2ではフロントタイヤのみ交換してコースイン。ペースアップに合わせリヤのサスセットをハードな方向に振ると藤田は中古のリヤタイヤで30秒台に突入。セッション2を8番手で通過。

いよいよ最後のセッション3、リヤタイヤを交換してコースインした藤田は3周目に30秒7にタイムを上げ更に5周目にタイムを更新してゆくが、上位の6人は27秒~28秒と遠く及ばないタイム。更に今野選手が29秒台に突入し、片平選手が30秒3で藤田の前に割って入ってきた為、公式予選最終結果は9番手となった。


決勝


やっと一昨年に記録したタイムに戻ってきた藤田は決勝に向けた朝のフリー走行で唯一人予選タイムを更新する走りを見せ30秒6を記録して7番手に浮上。決勝に向け期待が高まる。

今回JSB1000クラスの決勝はタイムスケジュールの最後になり15時35分からスタートとなる。
路面温度は若干下がり45度を切り始めるがまだまだ暑さ残る中でスタートが切られようとしていた。サイティングラップが終わり全車が整列しスタートが切られるその瞬間、まさかのシグナルトラブルによりレースディレイとなる。

周回数が1周減算となり24周となった決勝は国旗によるフラッグスタートとなった。初めてのフラッグスタートにやや出遅れた藤田はオープニングラップで11番手まで順位を落としてしまう。前方には片平、須貝、清水、そして東村と、面倒なライダーがひしめく。3周目に東村を交わし、更に4周目に清水を交わし9番手に浮上。そこからしばらくは須貝の後方につけ前を行く片平を追いかける展開。

レース中盤の14周目に高橋がマシントラブルで、戦列を離脱。藤田の集団は6番手争いとなり激しさを増す。終盤に差し掛かる16周目に須貝が片平を交わしポジションアップ。その後方に少し離周れて藤田。
須貝に離されだしペースの落ち始めた片平は19周目に転倒により戦列を去り須貝との6番手争いとなった。しかしベテラン須貝はラスト5周でベストタイムを更新する走りで藤田を突き放してゆく。後方にはスタートで出遅れた今野がその差を詰めてきていたが藤田はあわてることなく滑り始めたタイヤをコントロールしてマシンを操り31秒台で走り続け24周のチェッカーをくぐった。

その結果JSB1000ベストリザルトの7番手を獲得。上位陣とは大きく差をつけられてしまったが、アベレージも昨年より大きく短縮して7番手を勝ち取った。


ST600・伊藤勇樹


アジア選手権で大きな成長を見せた伊藤は、自信と落ち着きをみせてくれたレースウイークだった。

事前テストから常にトップ6に入る走りを見せていた伊藤はレースウイークの入たいむをあげてっても好調を維持。各セッションでも積極的な走りでリーダーボード上位に常に名を連ねていた。
金曜日公式練習ではタイヤ選択と車体のセットアップに重点を置き、路面温度の変化に応じたベストなタイヤを探る走りながら総合6番手を記録。公式予選に向け着実にセットアップを進めていた。

土曜日の公式予選は午前中の9:40にスタート。真っ先にコースインした伊藤は3周目に32秒2の自己ベストを更新する走りで3番手に浮上。1度目のアタックを終えた伊藤は一度ピットに戻りセッティングの微調整をして再びコースイン。2回目のアタックはうまくクリアラップが取れないうちにタイヤの消耗が進んでしまいタイムの更新はならない。

その後は決勝に向けたセットの確認を試みるが路面温度が高く決勝20周を走り切るには厳しい感じだ。この状況なら明日はハードタイヤを選択との方向が固まった。公式予選のほうはピレリ勢がタイムをあげてきた結果、伊藤は総合8番手となるがダンロップタイヤ勢の最上位を獲得することができたのは収穫だった。

決勝の朝は曇り空で始まり、フリー走行時点では路面温度も40度に届かないコンディション。
決勝に向けタイヤ選択に新たな問題発生だ。伊藤とメカニックは様々なデータから前をソフト、後ろミディアムを選択。決勝に臨むこととなった。
次第に晴れ間が出始め、気温は一気に上昇。路面温度も再び45度を超えてくる中、11:40に20周の決勝レースがスタートを切った。伊藤は8番手ポジションのためコース中央からスタートしたが左右からマシンに挟まれてしまい行き場を失い失速。ポジションを落としてしまいオープニングラップを11番手で通過。
ここから伊藤はあわてることなく1台ずつ前方のマシンをパッシングしてゆく。

3周目にアズラン選手をパスし10位、5周目に渡辺が転倒、7周目には横江選手を交わし8番手に浮上し、トップ集団よりも早いラップでポジションを回復して行く。徐々にトップ集団に追い付き始めた伊藤だが、レース中盤に入り上位集団から転倒者が出始める真夏のサバイバルレースの様相を呈してくると、転倒による影響で少しずつ上位との差が開いてゆく。
10周目には伊藤の目の前で小林が転倒、これに巻き込まれそうになった伊藤はアズラン選手と、井筒選手に再び先行されてしまいポジションを9番手に落としてしまうが、次の11周目にすぐにアズラン選手を交わしポジションを回復。14周目に稲垣選手を交わし、15周目にはチャランポ選手も転倒、伊藤は6番手までポジションをあげてゆく。

トップとは3秒以上の差がついてしまうが、それでも慌てることなく上位陣と変わらぬタイムでその差を維持して走り続けると今度は19周目に津田選手が転倒。伊藤は5番手まで浮上してきた。
そして迎えたラストラップ。なんと先頭を走る岩崎が最終シケインで転倒。これを交わして伊藤は4番手でチェッカーをくぐりぬけた。

ST600・阿久津晃輝


阿久津は今期未だにノーポイント。
今回のレースでポイントが取れなければ岡山を欠場する予定の阿久津はそのまま終戦となる土俵際のレース。金曜日の公式練習でも34秒台が精いっぱいで、総合順位も23番手前後とポイント圏外だ。
そこで週末まで暑さが続くと読んだチームは公式予選を使ってハードタイヤのセットアップを行い決勝での終盤の巻き返しを狙う作戦をとった。公式予選では路面温度が高かったことにも助けられ大きくタイムを落とすことなく34秒2のタイムで26番手を獲得。

決勝に向けたマシンセットも進み、レース終盤までのアベレージで勝負をかけた。朝の曇り空によりヒヤヒヤさせられた作戦だったが、決勝のときには気温も路面温度も上がり予想通りのサバイバルレースとなった。

得意のスタートは不調に終わったがそれでもオープニングの強さは健在で1周目に24位で通過。5周目には21位にポジションアップ。ポイント圏内まであと一つに迫る。そして8周目、ついに20番手に浮上。
勢いは止まらず12周目までにさらに3台を交わし17番手までポジションをあげてきた。
ハードタイヤで我慢の走りの阿久津はレース中盤から作戦通りポジションを上げてきた。終盤に入り12位争いの集団に加わった阿久津はプッシュを続けるが残り2周となったところで自分のタイヤも滑り始めてしまいポジションキープが精いっぱいとなってしまい、一台にかわされるが、なんとか18位でチェッカーを潜り今季初ポイントを獲得した。


総括


御支援、ご声援ありがとうございます。
伊藤は目覚ましい成長と自信を見せ始めてくれました。
藤田も上位陣の走りを掴み取るまであとひと踏ん張り。
阿久津も復調してきて、若い3人のライダーが確実な成長を見せてくれました。
次戦は九州・オートポリス大会。JSB1000とアジア選手権の2クラスとなり、藤田と伊藤の二人が参戦いたします。
更なる上を目指し気を引き締めて臨みます。

世界に羽ばたけ若者たちよ!



ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明


2012.8.28.
2012′ 08/26 全日本選手権Rd.6 SUGO ライダーコメント 阿久津晃輝

ライダーコメント 阿久津晃輝


ライダー:#56 阿久津晃輝
クラス:ST600

2012′ 8/26 全日本選手権 第6戦 スポーツランドSUGO

予選:26位 決勝:18位


レースコメント

去年のSUGOは予選で転倒、そのまま終了というとても残念な結果になってしまい、皆さんにとてもご迷惑をお掛けしまいました。
今回のSUGO戦は最終戦の鈴鹿に出場するためにとても大事なレースでした。
金曜日のフリー走行ではサスセットやタイヤ選択を重点的に行いました。
予選は26番手と今ひとつの結果になってしまいましたが、周りのタイムは近いので、決勝では混戦になることが予想されました。

決勝ではスタートで数台を抜き、順調に走行していましたが、後半にペースが落ちてしまいました。
18位となんとかポイントは取れましたが、後半に4台抜かれてしまいとても悔しかったです。

次は納得が出来るレースで上位を狙って頑張りたいと思います。
関係者の皆さま、ご協力頂きましてありがとうございました。
次回も応援よろしくお願い致します。



ST600 #56 阿久津晃輝


Photo by 相澤様


2012.8.28.
2012′ 08/26 全日本選手権Rd.6 SUGO ライダーコメント 伊藤勇樹

ライダーコメント 伊藤勇樹


ライダー:#19 伊藤勇樹
クラス:ST600

2012′ 8/26 全日本選手権 第6戦 スポーツランドSUGO

予選:8位 決勝:4位


レースコメント

予選
全日本のサマーブレイク後の初戦である菅生は、ウィーク中は非常に安定した天気でした。

予選は雲が多く、涼しく感じるほどでタイムアタックのしやすい天候となりました。テストから試してきた中で一番フィーリングの良かったセッティングでコースに入り、最初から全力でタイムアタックを始めました。

タイムアタックを開始して2周目には自己ベストタイムである1分32秒127を記録し一時はトップタイムだったのですが、稲垣選手が自分の後方でタイムを上げ、逆転され気づけば3番手まで後退。
その後、周りのライダーの様子を見つつ、決勝へのセットアップに努めコースに戻りました。決勝へのセットアップも進み、良い形で決勝に向かうつもりでした。しかし、周りのライダーもタイムを上げて8番手まで後退。そのままチェッカーを受けて、翌日の決勝は3列目からのスタートとなります。

8番手だったもののダンロップ最高位で確かな手ごたえを感じ、翌日の決勝に向けての準備は整っていたので自身を持って翌日に挑みました。


決勝
決勝当日も雲が多く、気温も高く無いので落ち着いて朝のフリー走行を終えました。フリー走行でのマシンチェックは非常に良く、ウィークを通して最も最高速がでるマシンと更に決勝での自信が付きました。

決勝レース前、雲で隠れていた太陽が顔を出し一気に気温が上昇。選択したタイヤに少し不安感を感じましたが、観客席からの声援やグリッドにわざわざ駆けつけて下さった皆さんの声が力となりました。

決勝がスタート。スタートでウィリーをしてしまい少し出遅れ、更に中富選手と渡辺選手に挟まれる形で行き場を失い後退。1コーナーを通過して2コーナーに向かう間にリヤタイヤ滑らせ更に後退し非常に落ち着かないスタートとなってしまいました。
1周目を11番手で通過、前のアズラン選手を3周目に捕え10番手。4周目に二台前を走行していた渡辺選手が転倒し9番手に上がり、トップ集団は10台以上の集団のまま周回を重ねていきます。

そしてその後、横江選手をかわし8番手に上がり前には稲垣選手と小林選手。その小林選手が9周目に転倒し7番手に上がった直後、タイヤを滑らせてしまい、アズラン選手と井筒選手に先行を許してしまいました。

予想以上に路面温度が上がり、中盤からは自分との戦いとなり集中力を高め走行。そして落ち着いてアズラン選手を捕え8番手に上がり前には稲垣選手と井筒選手。14周目には稲垣選手を捕えて7番手に上がり、前の井筒選手を追いました。すると、15周目にチャランポ選手が転倒し6番手に上昇。その後は井筒選手を追っていたのですが、タイヤの摩耗が激しく思うようにペースが上げられずに苦しい展開となり単独走行となりました。

するとラスト2周となった19周目、馬の背コーナーで井筒選手が津田選手を捕えて順位を上げた直後に津田選手が転倒し5番手に上がりラストラップへ。これまで一度も後方を見ていなかったので、後方にライダーがいるのかどうかは分からなかったので確認してみると誰もいません。前方の距離を考えると本当に集中をしてゴールを目指さないと駄目だと深呼吸をして後半セクションへ。

すると110Rコーナーを入って最終シケインの手前で黄旗が提示されました。なんと、トップを走行していた岩崎選手が転倒し後退。マシンを起こしている岩崎選手の横を通過し最終コーナーを通過。
そのままチェッカーを潜りぬけ4番手でレースを終えました。自己最高位である4番手はとても嬉しく思い、素直に喜びました。車両保管場所でチームの皆さんと喜び、サバイバルのようなレースが終わりほっとしました。

この後トロフィーを頂き、ランキングも4番手に上がった事をしり後半戦を良い形でスタートを切ることが出来ました。



レースを終えて
今回サポートして下さいました皆様や応援して下さいました皆様、そしてご協力してくださいました皆様には本当に感謝しています。
今回も無事完走が出来、良い結果で終える事が出来たのも皆様のお力があってこそだと強く思っています。本当に有り難う御座いました。

次戦は9月8日、9日にアジア選手権の日本大会がオートポリスサーキットで開催します。中国大会で3位表彰台を獲得し、今回は優勝狙っていきます。再びのご協力、ご声援を伊藤勇樹に宜しくお願い致します。



ST600 #19 伊藤勇樹


Photo by 相澤様