レース結果

2012′ 11.15.
2012′ 10/28 全日本選手権 第9戦 鈴鹿サーキット 総括

2012′ 10/28 全日本選手権 第9戦 鈴鹿サーキット


藤田拓哉・自己ベストの6位入賞。ランキング9位に浮上!
伊藤勇樹はランキング10位、阿久津晃輝もランキング37位で今季を終える!

イベント名 全日本選手権 第9戦
日時・場所 2012年10月28日・鈴鹿サーキット
観   客 8000人

レース
JSB1000 #33  藤田 拓哉  予選レース1 13位  決勝レース1 10位
                 予選レース1 12位  決勝レース1 6位
ST600  #19  伊藤 勇樹  予選14位  決勝18位
ST600  #19  阿久津 晃輝 予選28位  決勝リタイヤ

JSB1000・藤田拓哉


いよいよ最終戦を迎えた藤田。前戦の岡山で痛恨のノーポイントとなりランキングも12位まで落ちてしまって迎えた鈴鹿。今年は8耐参戦準備の為夏場のテストにも参加出来ており、その時点で11秒0までタイムを詰めていたので、木曜日の走行開始から周囲に遅れることなくタイムを順調に上げて行く。

午前中の走行で2分12秒1とまずまずの滑り出し。午後の走行で更なるタイムアップを目指すがなんと2周目にエンジントラブルが発生し走行を中断。残念ながら再スタートできないまま初日を終える事となった。

それでもレース本番でトラブルが出なくて良かったとライダーもスタッフもいたってポジティブ。そんな前向きな気持ちが2日目の走りに現れた。

2日目。午前中1本目の走行で一気にペースを上げた藤田は2分10秒台に突入。自己ベストを更新して総合12番手のタイムを記録。午後の走行では予選に向けたサスセットの仕様違いをテストしたがこちらは不発に終わりタイムの更新は出来なかったが、予選に向け準備は整った。


予選


迎えた公式予選。今回もノックアウト予選だが、並みいる猛者が集まる鈴鹿では、藤田はこれまでに最終セッションに出場出来た事が無い。
今回の予選では現在ある力を出し切り2分9秒台を記録する事と、最終セッションに残る事を目標に公式予選に臨んだ。先ずは最初のQ1.藤田は真っ先にコースインしタイムを上げて行く。3周目に2分10秒台に突入、そして次の周に2分10秒3までタイムをアップしてピットイン。先ずは総合13番手でQ1通過を決めた。

次のQ2突破に向け前後のタイヤを新品に交換し勝負に出る。再び先頭でコースインした藤田は2周目に2分10秒1を記録。目標の9秒台を目指しペースを上げるがクリアラップに恵まれず惜しくもタイム更新はならなかった。それでも総合12番手で目標の最終セッション進出を果たした藤田。

最後のセッションは中古タイヤでのアタックとなりタイム更新はならなかったが、今季の成長を示す事が出来た公式予選だった。


決勝ヒート1


翌日の決勝は天気予報通り朝から雨。得意のウエットコンディションで藤田は更に今年の成長を示す走りを見せてくれた。
先ずは朝のフリー走行。車体セットは既にほぼ固まっており、後は藤田の頑張り次第。得意の雨でぐいぐいとタイムを上げて行くとなんとトップタイムを記録。終盤にファクトリー勢にポジションを譲る物の、総合5番手を記録し決勝に期待が膨らむ。

迎えた決勝。最終戦は2ヒート開催の為いつもより忙しいレースまでの短い時間で集中力を高めて臨んだ藤田。スタートに出遅れオープニングラップは12番手で通過。そこから周囲よりも速いペースで順位を上げて行くと7周目には9番手までポジションアップ。更に前を追いかけるがこのころより雨脚が強くなり、ホームストレートでもホイールスピンが出る危険な状態。藤田は固めのレインタイヤを選択していた為、雨量の増えた路面でペースダウンを余儀なくされてしまいレース終盤に2台に交わされて11番手にダウン。

しかし最終ラップに2番手の中須賀選手の転倒により10番手でチェッカーを受けた。


決勝ヒート2


午後に行われる決勝ヒート2に向けタイヤ選択を打ち合わせる藤田とメカニック。天候は悪くなる方向でGP3やGP2も中止や見送りがされるなかで定刻の15時10分にコースインがスタート。周回数は15周から12周に短縮され手の決勝となった。藤田はソフトタイヤをチョイスしてコースイン。今年最後のレースに臨む。

またしてもスタートでやや出遅れた藤田。オープニングラップを14番手で通過するが、今回は序盤から周囲を圧倒するタイムでポジションを回復して行く。2周目に2台を抜いて12番手に上がり、その後も周回毎にポジションを回復して行くと、6周目にトップテン入りの9番手に浮上。レース折り返しの7周目には7番手に浮上してきた。この時点で前を行く6番手の今野選手との差は10秒以上。しかし今野選手より1周2秒以上速いペースで周回する藤田はラストラップの12周目に今野選手を捉え一気に突き放す。

ラストラップにはなんと2分20秒を記録しトップ3よりも速いラップタイムで帰ってきた藤田は最終コーナーで5番手の安田選手の背後まで迫っていた。自己最高位の6番手でチェッカーを受けた藤田の走りはライブ映像でも大きく映し出されていた。
決勝のベストタイムは5番手に相当する物で朝のフリー走行の結果がフロックではなかった事を改めて示す事が出来た。そして上位のファクトリーがドライのベストタイムに対して12~13秒タイムを落としている中、藤田はベストの10秒落ちというタイムを記録してみせた。これこそが藤田が持つポテンシャルの高さを示す明確なデータである。


ST600・伊藤勇樹


伊藤も前戦岡山で悔しいノーポイントとなってしまった為、最終戦鈴鹿で屈辱を晴らすべく気合を入れての参戦だった。
しかしそんな伊藤に不運が続く。テスト初日の午前中の走行で、ウォーターホースに亀裂が入りそこから水が漏れてしまい走行序盤にマシンを止める事となってしまった。前回の転倒による後遺症だが、朝の暖気まで問題が無かっただけに悔やまれるトラブルで有る。

気を取り直して臨んだ午後の走行では今度はオーバーヒートが発生。午前中の走行で水が漏れた状態で走行した時にオーバーヒートを起こしており、その結果ヘッドガスケットに吹き抜けが発生してしまっていたようだ。残念ながら2回目も走行を断念する事となった伊藤は珍しく悔しさを爆発させていた・・・。

エンジンを載せ替えて臨んだ2日目の公式練習。マシンは問題なくいつもの状態に戻ったが伊藤のペースが上がらない。午前の走行は総合21番手と完全に出遅れてしまった。午後の走行で自己ベストを更新して2分15秒1までタイムを上げるがそれでも総合18番手と、本来目指していたポジションには程遠い位置だ。

今年は全体のタイムが以上に上がり2分13秒台が11番手までを占める激戦状態。伊藤も13秒に入れないと決勝はかなり厳しいレースになりそうだ。

土曜日の公式予選。40分の走行で1セットしか使えない予選の中で伊藤は一気にペースを上げ2分14秒2までタイムを更新。予選序盤はトップテンに入っていたが、そこから徐々にポジションを落としてゆく。伊藤のタイムは昨年なら3番手に位置するタイムだが、今年はコースレコードを更新するライダーが9人もいる、異常なほどのタイムアップが起きており、最終的に14番手までポジションを落として予選を終える事となった。

翌日は朝から雨。朝のフリー走行からウエットコンディションとなる中、気持ちを切り替えて臨んだ伊藤はフリー走行で6番手と本来の元気を取り戻してきた。

そして迎えた決勝。14番手からスタートした伊藤はまずまずのスタートでオープニングラップを13番手で通過するが2周目に19番手と大きく順位を落として帰ってきた。朝のフリー走行から変更したセッティングが裏目に出てしまったようで全くペースが上がらない。それでも我慢のレースで12周を走り切った伊藤は18番手でチェッカーを潜り今年の全日本選手権の最終レースを終えた。この結果ランキングは10位となり、ST600挑戦3年目でトップテン入りのランキングを獲得した。


ST600・阿久津晃輝


阿久津は菅生のレースで獲得したポイントで出場権を獲得し、最終戦に臨んだ。
今年は少しずつ復調の気配を見せ始めていたが、鈴鹿は圧倒的に走り込不足が露呈してしまった感が有る。全体のペースが昨年に比べ飛躍的にアップしている中で、自己ベストこそ更新する物の周囲のペースには置いていかれてしまう。初日、2日目と着実にタイムを更新するが、それでも下位集団に埋もれてしまい本来のポテンシャルを発揮するまでに至らない。

公式予選では2分17秒3と自己ベストを更新するが、総合で28番手と厳しい状況が続く。

それでも日曜日は雨。ウエットコンディションの中行われた朝のフリー走行では21番手とポイント獲得まであと一歩の所にポジションを上げてきた。後は得意のスタートでポジションを上げて行けば鈴鹿でポイント獲得も見えてきた。

そして迎えた決勝。得意のスタートで前一列を食い、更にポジションを上げて帰ってきた阿久津だが、なんと最終コーナーでスリップダウン。前が詰まっていて逸る気持ちがほんの少しアクセルを開けすぎてしまったようで、ウエットコンディションの中一気に転倒してしまった。阿久津はマシンを起こし再スタートを試みるがマシンにダメージが有り残念ながらここでレースを終える事となってしまった。


総括


鈴鹿の最終戦を終え今期の全日本選手権は終了しました。
藤田は最終戦で今年の集大成を見せてくれました。彼の持つ現状のポテンシャルを鈴鹿でドライ&ウエット共に発揮してくれたと思います。

伊藤は目覚ましい成長とチャンスを掴む事が出来ました。その力を全日本の場で発揮できなかったことが残念ですが、来期の飛躍に繋がる物と確信しております。
阿久津もあとひと山越えてくれれば本来の力が発揮できる筈です。最終戦で流した悔し涙がバネとなってくれる事を願います。

1年間御支援、ご声援ありがとうございました。厳しい社会環境の中今年1年充実したシーズンが送れましたのも、御支援御協力を戴きました皆様のおかげとライダー&スタッフ一同深く感謝いたしております。
心より御礼申し上げます。


ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明