2012′ 9/9 全日本選手権 第7戦&アジア選手権 第4戦 オートポリスサーキット
藤田拓哉は決勝9番手獲得でランキング9位に上昇!
伊藤勇樹・SS600クラス
伊藤勇樹はヒート1で3位、ヒート2で2位の連続表彰台獲得!
全日本選手権第7戦・九州大会が開催されました。前戦で自己ベストを更新した藤田と伊藤が参戦。
伊藤は併催のアジア選手権に参戦し、急遽マレーシアヤマハチームの代役として走ることになりました。そのレース結果をご報告致します。
イベント名 全日本選手権 第7戦 (併催:アジア選手権第4戦)
日時・場所 2012年9月9日・オートポリスサーキット
レース結果
JSB1000 #33 藤田 拓哉 予11位 決勝9位
SS600 #19 伊藤 勇樹 予選3位 決勝ヒート1 3位 ヒート2 2位
JSB1000・藤田拓哉
九州大会は事前テストとレースウイークが一緒となった為、水曜日のテスト走行から始まりました。
新しくなった路面での初走行となる藤田は初日の走行1本目に1分54秒3のタイムを記録し、あっさりと自己ベストを更新した。路面グリップは春の時期よりも落ちているが、改修によりギャップが無くなりアクセルを開けやすくなった分タイムが全体的に伸びている。
しかしその分前後タイヤの負担が変化しフロントタイヤの消耗や旋回性の変化の問題が発生してきた。前後のサスセット、車体姿勢などを探りながらセットアップを詰めてゆく藤田は2本目の走行でさらにタイムアップ。1分53秒2を記録した。しかしここで雨が降り出し走行中断、弱い雨により路面状況が中途半端となりそのまま走行を終了した。
午後はウエットコンディションでの走行。雨が得意な藤田は基本セッティングから変更することなく走りこみ周回毎にタイムを詰めてゆく。終わってみれば総合6番手、柳川選手を抑えて堂々のタイムを記録した。
不安定な天気予報の中でしたが翌日の走行はドライコンディションのなかコースイン。フロントサスのセッティングが詰め切れていない藤田は、この走行をセッティングに集中。ピットイン、アウトを繰り返し徐々にタイムが上がってくると1分52秒台に突入。しかし上位陣は49秒台に入ってきており、その差は約3秒。まずは51秒台に向け準備を進める。
翌金曜日、通常の全日本選手権のタイムスケジュールの入った走行1本目。藤田はそれまでの上り調子から一転、タイムが頭打ちとなりセッティングにも手ごたえを見失いかけてしまった。しかしこの走行でしっかりとダメなポイントを確認出来たことで、予選に向けセクター3にポイントを絞ったセットアップに集中できることになった。
予選
土曜日の公式予選。雨の予報が外れドライコンディションでコースイン。藤田はコースイン直後にバンクセンサーが脱落するハプニングでピットインするアクシデントはありましたが、再びコースインすると順調にセクターのタイムを更新し1分52秒5までタイムをあげノックアウト予選のセッション1を通過。
続くセッション2でさらにタイムを詰めた藤田は1分52秒0を記録して、総合12番手でこのセッションも通過。最後のアタックとなるセッション3で前後のタイヤを交換してコースイン。課題にしていたセクター3のタイムは順調に更新することができたものの、全体のタイムをまとめることができず、1分52秒1のタイムで総合11番手で決勝に臨むこととなった。
尚セッション3走行開始直後に加賀山選手が転倒。決勝出場を断念することとなった。
決勝
日曜日の朝のフリー走行で決勝を睨みフルタンク状態でコースイン。コース上には夜に降った雨のせいでウエットパッチが残る状態だったが、セクター1、セクター3でベストを更新。タイムも1分52秒00と僅かだが予選タイムを更新。総合8番手まで順位を上げてきた。
迎えた決勝。課題のスタートに失敗。順位を13番手に落として第1コーナーを通過。一台を抜いてオープニングラップを12番手で通過。
トップ7の集団は大きく離されてしまい、須貝選手を先頭にした大きな8番手争い集団が形成された。藤田は4周目に須磨選手をパスして11番手に浮上。続く5周目には1分51秒台に突入して前を追うと6周目に東村選手を抜いて10番手に浮上。9周目には芹沢選手の転倒により9番手に浮上するが前を行く須貝選手、今野選手のラップペースに比べ藤田のラップは0.5秒ほど遅いため徐々にその差が開いてゆく。
後続の東村選手との差も開いていき単独走行となった藤田はそのまま9番手でチェッカーを潜った。
SS600・伊藤勇樹
アジア選手権で大きな成長を見せた伊藤は、今大会もワイルドカード参戦の予定でオートポリス入りしたが、急遽マレーシアヤマハチームから代役参戦の話が舞い込んできた。リザルト次第では残りの台湾、カタールの参戦もありうるとの話のため、伊藤に巡ってきたチャンスと思いこの申し込みを受けることにした。
カラーリングの違うマシンは中国の時も同じ、それでも走りなれたオートポリスでアジアのライダーに負けるわけにはいかない。伊藤は公式練習から常にトップ3に入る走りで存在感をアピール。
サスセットも順調に進み公式予選では自己ベストを更新する走りで1分55秒2を記録してフロントロー3番グリッドを獲得した。
アジア選手権は2ヒートのため、1ヒート目が土曜日に開催される。午後の決勝30分前には僅かに雨が落ちてきて周囲はあわただしくなるが路面を濡らすまでには至らず、その後雲も晴れドライコンディションでスタートが切られた。
伊藤は抜群のスタートでホールショットを奪うがシフト操作を誤りややオーバーラン。清成選手に抜かれ2番手にポジションを落としオープニングラップを通過。しかしこのとき後続のクラッシュで赤旗が出てレースは中断。10周に減算されて再びレース再開となった。
再スタートでも上場のスタートを切った伊藤は2番手で1コーナーを通過。第2ヘアピンで藤原にかわされてオープニングラップは3番手で通過。レースは序盤から藤原が逃げ出し、清成、伊藤、アズランの3台による激しい2番手争いが繰り返される展開。伊藤はラスト2周となったとき前を行く清成に仕掛けて失敗。コーナーを大きく膨らみ2番手集団から離されてします。しかし今の伊藤はここで諦めない。再び差を詰めてラストラップの第2ヘアピンで清成をパス。そのまま逃げ切り3位表彰台を獲得した。
嬉しい3戦連続の表彰台だが伊藤はトップ藤原に引き離されたことが悔しく翌日のヒート2に向け雪辱を果たすことを誓った。
ヒート2決勝はドライコンディションの中12時30分にスタートが切られた。
ホールショットを奪ったのはアズラン選手、そして伊藤は2番手で通過。ヘアピンで藤原選手にかわされ3番手にダウン。藤原選手はアズランも交わしトップに浮上。伊藤は昨日の雪辱を晴らすためオープニングラップのホームストレートで前を行くアズランを交わし藤原の背後につける。
レース序盤、藤原選手と伊藤の2台が抜け出しマッチレースの展開となる。後方にはアズラン、ザムリ、小林、更に離れて清成の順。レース終盤までピタリと藤原選手の背後につけ隙を窺う伊藤だが相手もミスのない走りで伊藤をブロックする。
ラスト2周に入り藤原選手がペースアップ、伊藤はこれについてゆけず僅かにその差が広がる。ラストラップ再びその差を詰めようとする伊藤だが藤原選手を捕まえることはできず2位でチェッカーを潜った。
自己最高順位を獲得した伊藤だが、3位となった昨日よりも悔しさを露わにした。藤原選手を捉えきれなかったことが悔しかったようだ。それでも表彰台ではさわやかな笑顔で藤原選手とシャンパイファイトを楽しんでいた。
総括
御支援、ご声援ありがとうございます。
伊藤は手にしたチャンスをしっかりと掴み取る活躍を見せてくれて、タフなライダーに成長してきました。
藤田もようやく本来のスピードを取り戻してきたようで、安定してトップ10に入れるようになってきました。
まだまだ伸び代のある二人の次戦は10月の岡山大会となります。更に上を目指し、頑張って参ります。
ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明