レース結果

2013.10.2.
2013′ 9/29 全日本選手権 第8戦 岡山大会 総括

DOGFIGHTR
レース結果報告
2013年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ 第8戦


藤田拓哉は8位フィニッシュでランキング6位に浮上。
全日本選手権の第8戦、岡山大会が開催されました。そのレース結果をご報告致します



イベント名 全日本選手権 第8戦
日時・場所 2013年9月29日・岡山国際サーキット
岡山大会レース結果

JSB1000  #33  藤田拓哉 予選8位  決勝 8位

JSB1000・藤田拓哉


菅生大会から丁度1ヶ月をおいて開催された岡山大会。事前テストも晴天に恵まれ上場のコンディションの中テストを実施することができました。 藤田の今年の各サーキットでのタイムアップを考慮すれば自己ベストである1分31秒代は当然で、30秒代を狙わなければいけないテスト。 しかし250時代から転倒などが続き攻略できていない最も苦手なコース。 テスト初日に自己ベストは更新するものの大きなジャンプアップが出来ないまま事前テストを終えることとなった。



レースウイークに入り心配された台風も大きくそれてサーキットは近年にない最高のコンディションで幕を開けました。 前回テストで課題となったブレーキの精度向上を狙って投入したセットアップの確認を行なった藤田は、 バックストレートヘアピンで飛び出す一幕もありましたが順調にセットを詰めて午後の走行に臨みました。
午後の走行でペースアップ。自己ベストを更新して31秒3までタイムアップ。 更にフレッシュタイヤに交換してコースインした藤田でしたが、S字コーナーでスローダウンしたマシンを避けるために転倒を喫してしまい、 マシンを破損。本人も右足の筋を切る負傷を追ってしまいました。

踏ん張りの利かない足で臨んだ公式予選。


ノックアウト方式のQ1を1分31秒8を記録して9番手で通過。Q2に臨みます。 このQ1で今回復帰戦の秋吉選手が転倒。 怪我により再び不出場となってしまいました。いよいよ最後のアタックとなったQ2。 藤田は満身創痍の体で真っ先にコースインしてアタックを繰り返します。 4周目にベストに近い1分31秒473を記録しますが、それでも上位との差は大きく 総合8番手で公式予選を終えました。

同じダンロップタイヤを履く武田選手(S)は30秒3までタイムを伸ばしており 1秒以上の大差を付けられてしまったが、決勝は24周の長丁場。 食らいついて一つでも上のポジションを狙ってゆきたい。


決勝レース


翌日も好天に恵まれ、朝のフリー走行ではフルタンクでの最終チェックを実施。 からだの痛みは2日目も引かないが集中力を持って臨んだ走行で31秒5を記録。 路面温度が低いため決勝で使用する予定のタイヤよりも柔らかめのコンパウンドで走行した状態だが、 丁寧に走ることで安定したラップを刻むことができ、決勝に向け現状できる準備は整いました。

迎えた決勝。例年よりも4周多い24周の決勝が15時30分にスタートされた。 ここのところ無難なスタートを決めていた藤田だが今回はスタートミス。 反応は良かったものの大きくウイリーを繰り返してしまい9番手に後退して第一コーナーを通過。 またこのウイリーでトラクションコントロールがエラーとなってしまい、 シビアなコントロールが求められることとなってしまい、長丁場のレースで若干のハンデをしょってしまいました。





藤田はオープニングラップで1台を交わし8番手に浮上。前を行く武田選手を追いかけるがペースが上がらない。 懸命にその背中を追うが周回ごとに徐々に引き離されてしまい単独での8番手走行が続く。 結局最後までバトルを展開することなく単独走行が続き8番手でチェッカーを受けました。

怪我により力を出しきれなかったレースではありましたが、今回のレースで藤田の走りの精度の甘さが明確になりました。 今回からデータロガー解析の専任エンジニアを据えてウイークを戦いましたが、ライン取り、ブレーキングポイント、 アクセルワークといった全ての精度が甘く、上位陣と戦うには程遠いことが鮮明となりました。 逆に「この走りでなぜこのタイムが出せるのか不思議なくらい」と評価されました?

藤田の走りの精度の甘さは、チームのレベルの低さ、精度の甘さがそのまま反映されたものでもあります。一から出直しで鈴鹿に臨む所存です。





御支援、ご声援ありがとうございます。
最終戦となる鈴鹿大会で目標の8秒台を記録する為、しっかりと体を治し、チーム一丸となって 精進してまいります。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明



2013.9.3.
2013′ 8/25 全日本選手権Rd.6 菅生 ライダーコメント 中澤 孝之

ライダーコメント
2013年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦
中澤孝之


ライダー:#83 中澤孝之
クラス:JSB1000

2013′8/25 全日本選手権Rd.6 菅生
予選 18位
決勝 13位

開幕戦もてぎに続き、第6戦SUGO、新たな試みである100マイル耐久レースにスポット参戦しました。 チームは8耐で多忙な中、快くご協力頂いたチーム監督始め、チームの皆さまには感謝します。

とは言え、自分の乗るマシンはエンジンにトラブルを抱えており、それが思いのほか重症で乗り出しは決勝1週間前の18日にエンジンの慣らしから、という過密スケジュール。 ドッグファイトコンプリート車のSUGOのデータが無く、ファイナル合わせなど、一から始めなければなりませんでした。

しかしながら、昨年のST600での走行経験とメカニックの的確なアドバイスもあり、金曜までの3セッション、毎回自己ベストを更新しながら セットアップを詰めることができました。

予選は18位。まぁまぁの定位置という感じでしたが、今回はエントリー台数が少なく、結果的にはビリから2番目とちょっと情けない結果でした。決勝は長丁場のセミ耐久、何があるかわかりません。気持ちを切り替え、確実に走りきることを念頭に決勝を迎えることとしました。

決勝はル・マン式スタート。自分はエアバッグを装着しているので作動ワイヤの接続でワンテンポ遅れてのスタートとなってしまいましたが、これについては改善の余地ありです。 予定通り28周でピットイン。給油だけで再スタートしますが、途中からセットアップを詰め切れなかった影響でペースを上げるのが難しくなり、 ただひたすらコースにしがみついて2ラップダウンの41ラップでチェッカーを受けました。

結果的に想定よりコンマ5~1秒も遅いラップとなってしまい、順位争いをする余力が無かったのが残念ですが、短時間でマシンを仕上げ、初めて 1,000ccで1時間超の連続走行をするという貴重な経験をすることができました。 エンジン以外はフルノーマルに近い車両ですが、着実にポイントを重ね、自分なりに手応えを感じるレースでした。

多くのご支援、ご協力を頂いた皆様、本当にありがとうございます。
次回は最終戦、鈴鹿に参戦を予定しておりますので、引き続きご協力の程、宜しくお願いいたします。

JSB1000 #83 中澤孝之



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2013.8.28.
2013′ 8/25 全日本選手権Rd.6 菅生 ライダーコメント 藤田拓哉

ライダーコメント
2013年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦
藤田拓哉


ライダー:#33 藤田拓哉
クラス:JSB1000

2013′8/25 全日本選手権Rd.6 菅生
予選8位 決勝6位

金曜日と土曜日の予選含めて決勝に向けてセットアップをしていきました。 セミ耐久という事もあってセットアップが難しい部分があり決勝当日まで悩んでいました。
決勝当日午前中にもう一度セットアップ調整をチームと話し合いをして決勝当日に決めました。

決勝スタート!

スタートがうまくいきました。
しかし最初からとばして走ってしまうと体力やマシンにダメージを与えてしまうから我慢をして抜かれてもいいから後半で巻き返しをはかりました。 最初の13ラップ目まで我慢して、少しずつペースを上げていきました。 23ラップ目からまたペース配分をしながら後半でも粘れるようにタイヤ温存をしました。 そして給油のためのピットインをしてすぐにコースに戻りました。

そして最後まで走り切りチェッカーを受けました。

レースを終えて!
ドライのベストリザルトを取る事が出来ました。
しかしまだまだ課題は、たくさんあります。一つずつきっちり学んで活かしていきます。

今回もたくさんの方々の御支援、御協力により参戦する事が出来ました。
ありがとうございました。

JSB1000 #33 藤田拓哉



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2013.8.27.
2013′ 8/25 全日本選手権 第6戦 SUGO 総括

DOGFIGHTR
レース結果報告
2013年 MFJ 全日本ロードレース選手権シリーズ 第6戦


全日本選手権の第6戦が宮城県・菅生サーキットで開催されました。
今回はセミ耐久という試みで開催されました。
全日本選手権の活性化や観客動員数増加に向け企画されたものですが、
いかんせん鈴鹿8時間耐久直後という事もあり参加台数は20台エントリー、出走は19台と寂しい数字となってしまいましたが、 レースの中身は通常と違った展開や最終ラップまでもつれ込んだトップバトルに大いに盛り上がっておりました。そのレース結果をご報告致します



イベント名 全日本選手権 第6戦
日時・場所 2013年8月25日・スポーツランド
SUGOレース結果


JSB1000 #33  藤田 拓哉  予選  8位  決勝 6位
JSB1000 #83  中沢 孝之  予選  18位  決勝13位

公式練習


ウイーク初日は真夏日から一気に曇の天候に変化して気温も27度くらい。曇り空のため路面温度も40度に届かない涼しいコンディションで始まりました。ドライコンディションながら、時折小雨が落ちる不安定な展開です。 事前テストよりも前傾姿勢を強めた車体でコースインした藤田は中須賀選手の背後を追走しながらセットアップの確認を行い、旋回性の向上を確認する事が出来ましたが、さらに前傾姿勢を進めたセットを試みるとこれは行きすぎたようで逆にプッシュアンダーが出始めてしまいました。

車体と共に確認を進めていたタイヤ選択ですが、事前テストよりも路面温度が大きく下がってしまったのでタイヤコンパウンドももう一度ソフトなものからテスト。路面温度は35度くらいと低かったので柔らかめのコンパウンドがマッチするのでは、との予想に反して硬めのコンパウンドでも十分機能することが確認できたのは収穫でした。

今回はセミ耐久。タイヤ交換をするかどうかはラップタイムの落ち込みにより左右されます。事前テストの路面温度ではなんとか走りきれそうでしたが、ここまで路面温度が下がってくると耐久性はどうしても悪くなります。 車体の方向はだいぶまとまってきましたが、午前中に引き続きロングランを行ったタイヤは終盤に跳ねが出始めてしまいました。やはり路面温度が低すぎるせいでリヤタイヤのグリップ不足から20周を過ぎたくらいから問題が出るようです。これでは無交換は厳しそう。日曜日の予報は晴れるようなのでもう少し路面温度が上がってくれれば良いのだが・・・。微妙な週末の天候に頭を悩ませながら初日を終えました。




公式予選


セットアップがかたまり後はライダー次第といった状況まで持ってくることができました。
朝方まで小雨が落ちており、明け方の路面はウエット。それでもJSBの予選は午後からのため、晴れ間が出たコース上はドライコンディションに変わり、各クラス問題なく予選が行われていきました。真っ先にコースインした藤田は3周目に自己ベストを更新。先ずは目標の29秒台に突入。セットの微調整を行い確認周回をこなしたあとラスト15分で2セット目を投入。最後のアタックに入りましたがこのアタックではベスト更新とはいきませんでした。それでも狙って29秒台では周回できる確認ができ、レース序盤に向けまた一歩セットを詰めることができました。

JSB1000に参戦して4度目の菅生大会。参戦初年度に30秒代を記録してからなかなか越えられなかった30秒の壁を今回の予選で漸く越えることができました。JSBにとって29秒代はまだまだスタートライン。ここから

が本当に厳しい戦いになるがやっとスタートラインに立てたと思います。なにより今回は誰かに引っ張られて出したタイムではなく、走りを組み立てて狙って出すことが出来るようになった事が大きな収穫でした。 藤田は深いバンクと速いコーナーリングが得意ですが、時としてそれが災いとなり転倒やタイムロスをしてしまっていました。これまでも何度も走りの修正を試みてきましたがなかなか思うように行きませんでしたが、今回の菅生で自分をコントロールして壁を越えることができました。(ほんの少しだが・・・)。
まだまだ未完成ですが貴重なレースウイークとなったのは確かです。


決勝


初の試みとなった決勝レース。予選タイムで29秒を記録したとはいえ、総合8番手。上位との差は明確でした。。またピット作業でのタイヤ交換においてもファクトリー勢に対して遅れをとっている厳しい現実もある中で、リスクを最小限にするためにとった作戦はタイヤ無交換。藤田はこの作戦に対しライダーとして勝負したい気持ちを抑え、レース序盤13周まで我慢の展開を決めていた。そして残り30周を安定したラップを刻み上位陣の崩れる隙を狙ってポジションアップを狙うことに気持ちを切り替えていました。

スタートは上々で5番手で第一コーナーに飛び込む。その1周目に早くも波乱が起きる。前を走る加賀山選手がSPコーナーで転倒。藤田は一瞬「このまま上位と勝負を・・・との思いが頭をよぎった」と伝えてくれましたが、それでも冷静に当初の作戦を実行することに徹してくれました。その言葉通り13周を過ぎたところからペースアップをした藤田は中盤から終盤にかけて30秒代後半から31秒前半で周回を重ね、ペースの落ちてきた、前をゆく渡辺選手や山口選手との差を少しづつ詰める展開になってきました。 中盤を過ぎ、22周目に先ず渡辺選手がピットイン、続いて28周目に山口選手ががピットインし藤田は5番手に浮上。更にコースアウトで大きくタイムロスをした柳川選手のピットインの間に4番手に浮上し、29周目からピットインする35周目までそのポジションを守りピットイン。予定通り給油のみでコースに復帰しました。

眼前の敵は山口&伊藤組。山口選手がピットインする時点での藤田との差は約30秒。その後30秒代で周回を重ねた藤田はピットインから復帰した時点で伊藤選手と14秒後方までその差を詰めていた。残り周回では挽回は難しいがそれでもプッシュを続ける藤田。一方藤田より1秒近く遅いペースの伊藤選手は背後に迫る藤田の存在を意識したのかラスト3周のところで転倒。これにより藤田は6番手に浮上。そのままチェッカーを潜り抜けました。





もう一人のファイター中沢選手


さて、忘れてはいけません。ドッグファイトのもう一人のファイター中沢選手です。
開幕戦茂木もきっちりとポイントゲットした中沢選手が今回のセミ耐久にも参戦。中沢選手のマシンは当社の市販コンプリートをベースとしたスタンダードマシン。前後サスペンションやブレーキ、そしてホイールまでスタンダードでストック1000と言ってもいい状態のマシンです。このマシンで並み居るJSBマシンを敵に回して今回も13番手で見事完走。レースウイークも短期間でマシンをまとめ、自己ベストを大幅に更新する走りはまさに職人!。

走行後もケロッとしていて元気満々。気持ちは早くも最終戦鈴鹿のようです。 目指す目標がしっかりしていればお金を掛けなくてもしっかりと戦える。そんなファイター中沢に拍手でした!

チーム&ライダーの持てる力を出し切って勝ち取った入賞&ポイントゲットでした。ご支援、ご声援を戴きました皆様。激励に駆け付けて頂いたファンや仲間たち。そしてチームを支えて頂いているパートナー企業の皆様に 感謝申し上げます。
そして初の試みとなったセミ耐久を支えて頂いたオフィシャルの皆様にも改めて感謝申し上げます。


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ご支援、ご声援ありがとうございました。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明



2013.8.7.
鈴鹿8時間耐久 決勝201周を走り切り17位完走

DOGFIGHTR
レース結果報告
鈴鹿8時間耐久 決勝201周を走り切り17位完走


藤田が18歳となり迎えた鈴鹿8時間耐久レース。
ライダーにとってもチームにとっても初挑戦となったレースそのレース結果をご報告致します

イベント名 FIM世界耐久選第2戦 鈴鹿8時間耐久ロードレース
日時・場所 2013年7月28・鈴鹿サーキット
観   客 10.9000人(4日間)、決勝日6,1000人

レース結果


EWC  #83  TEAMJP DOG FIGHT RACING・YAMAHA (藤田 / 木村 / 田村)
予選13位  決勝 17位(201周)

プロローグ


藤田がJSB1000に参戦を開始した15歳の時から3年が経ち、ようやく18歳となり鈴鹿8時間耐久の参戦が叶いました。 藤田の参戦はかねてからの計画ではありましたが、実際に参戦に漕ぎ着けることができたのは、今回のパートナーであるTEAMJPとの コラボがあったからです。

アジアを中心にレース参戦支援や、若手育成に熱心な活動を見せるTEAM JPとの出会いは2010年に遡り ますが、TEAMJPのオーナー兼ライダーである木村選手との出会いから始まり、中国でのレース参戦を通し親交を深め、そしてアジア の海外ライダーと共に鈴鹿8時間耐久に参戦する計画が始まりました。

今年は予定をしていた中国人ライダーや、その代役として予定 した外国人ライダーのスケジュール調整がうまくいかず、海外とのジョイントは出来ませんでしたが、若手育成、そして今後に向けた チームの経験値アップのために、藤田と木村選手、そして急遽抜擢した田村選手の3名で鈴鹿8時間耐久レースにチャレンジすること となりました。


事前テスト


JSB1000で成長を見せている藤田は事前テストから常にトップテンに入る走りを見せており、予選での上位進出の夢は 大きく膨らんで行きました。今回からPCメカに田中氏を迎え、自己ベスト更新に向け徹底的に走りを解析してもらい、その甲斐あって 徐々にマシン&ライダーのセットアップも進み、順調な仕上がりを見せておりましたが、2回目の公開テスト初日に130Rで転倒。 藤田は右足の膝を痛めてしまいました。

当初は骨折や靭帯断裂なども心配されましたが、大事には至らず、強度の打撲と診断され、 2日目のテストをキャンセルして、レースウイークまで回復を待つことになりました。

第2ライダーを務める木村選手は、一昨年に負った怪我からの復帰戦となる8耐チャレンジですが、初めての鈴鹿、初めてのヤマハ マシン、そして初めての16.5インチタイヤと初めてづくしの中テストがスタート。初ライドで2分25秒を記録し、そこから徐々に 走りを修正し、2回のテストでベストタイム2分21秒まで更新することができました。しかし木村選手は今年50歳。また1年以上 レースから離れていたため真夏の鈴鹿での連続走行に体力的な負担が心配されました。

そして第3ライダーには全日本選手権・JSB1000に参戦しており、第2戦の鈴鹿で転倒を喫しケガから回復した田村選手が 参加。普段乗るスズキのマシンとの違いや、16.5インチタイヤへの適応に手こずりながらも徐々に走りをアジャストして ペースを上げてくる所はベテランならではの安心感があります。最後は決勝を想定した燃料満タン仕様でセットアップを行い、 2分18秒のアベレージ周回を重ねてテストを締めくくってくれました。


レースウイーク


レースウイークに入り、初日の午前中に受付と車検を終えたが、ここで最初のトラブルが発覚。暖機を始めたマシンからオイルが漏れ てきたのである。オイルポンプ部の損傷のようで急遽エンジン修復に取り掛かり何とか走行に間に合わすことができました。 怪我の回復が心配された藤田が最初に乗車すると、様子見の確認走行ながら12秒795を記録して総合13番手とフィーリングは良好で、 前回テストで仕上げたデータでマシンはうまくまとまっているようでした。

続いて乗車した田村選手が18秒645。木村選手が21秒745とほぼ自己ベストに近いタイムで走行。初日の乗り出しとしては上々の 滑り出しであった。午後の走行も全員がタイムをあげ、藤田が記録した11秒398のタイムで初日の総合順位を12番手で終えた。


公式予選


藤田の足の怪我の回復は100%とはいかず、全力でアタックできるレベルには回復していない。8分の力で走ってもアタックは数周が 限界でロングランには不安を隠すことができない。予選前のフリー走行も軽く流す程度にとどめて公式予選に臨む事となりました。 公式予選は藤田、田村、木村の順で出走する。

路面温度や天候を見て出走順を決めるが、第1ライダーの2回目の予選時間は15時と なるため、午前中の1回目の予選が勝負。逆に第3ライダーは2回目の走行時間が17時となるため路面温度も下がりタイムが出やす いコンディションとなるが、夕方付近の天候が不安定なため、藤田を第1ライダーのままで行く事に決めました。

怪我によりワンアタックが限界の藤田はコースインして3周目に各区間でベストタイムを記録。2分9秒台に突入して総合7番手に 浮上する。その後3台のマシンがタイムをあげ藤田のタイムは10番手に下がり予選終了時刻が迫ってきた。このままいけばトップ テンに残れるところだったが最後の最後に玉田選手が9秒代に飛び込んできて11番手に押し出されてしまった。それでも目標の 10秒の壁をワンアタックで越えることができた藤田にとって収穫は充分にありました。

続く田村選手。こちらも好調で2周目に自己ベストを更新する2分17秒台に突入。更にペースを上げて行くが、なんとデグナー コーナー1個目で転倒を喫してしまう。ライダーに大事はなかったが、マシンは激しく損傷し、修復に時間が掛かりそうな状況の為、 木村選手は1回目の予選をスペアマシンで走ることとなってしまった。

2回目の予選に向けマシンの修復を進めるが、損傷が激しく整備に時間がかかる。それでもなんとか2本目の走行に間に合わす事が 出来、再び藤田から順に2回目の予選を開始。 路面温度の上昇や、転倒によるマシンのダメージにより完調とはいかないマシンと判断した藤田は、タイムアタックを諦め決勝に向け たセットアップに頭を切り替え走行を続ける。

田村選手も2回目の走行は序盤慎重な走りに徹するが、それでも予選終了間際に17秒3の自己ベストを記録。転倒に慌てることなく しっかりとライディングを整えてきた。そして最後のタイムアタックとなった木村選手。3周目に一気にペースを上げ自己ベストを 一気に短縮する19秒代に突入。その後も20秒代のアベレージで安定して走行し、順調な仕上がりを見せてくれた。

公式予選は1回目を終えた時点では11番手だったが、やはり夕方の走行で2チームがタイムを伸ばし、総合13番手となった。 しかし上位はファクトリー系マシンばかりで、プライペーター勢としてはBMWの酒井選手に次ぐ2番手の堂々たるタイムである。


決勝前日


決勝前日のフリー走行では、満タン状態のマシンで最後の確認走行を3名のライダーが各々走行。大きな問題もなく翌日の決勝に 備えることとなった。しかしメカニックたちはここからが本番。決勝に向け最終準備とタイヤ交換、給油といったピット作業の 最終練習が行われた。

今回の参戦に当たりマシンは普段全日本選手権に参戦するマシンをそのまま持ち込み、タンクのみ24リットルの大型タンクに変更 しただけの当チームのマシンは、タイヤ交換にクイックシステムを持たない状態。フロントフェンダーやリヤブレーキを脱着する ノーマルシステムは大きなタイムロスを覚悟しなければならないが、アイデアと努力でメカニックたちはその作業時間を詰め、 タイヤ交換と給油作業で30秒を切る早業を見せてくれた。ファクトリー勢の中には全ての作業をその半分で終えるところもあるが、 一般的なチームに引けを取らない速さである。決勝に向けた準備は整った。

一方ライダーのアベレージタイムや、前述のピット作業の時間から全体のタイムスケジュール管理や、ライダー交代のシュミレー ションは続く。天気の急変やセーフティーカーが入った場合の対応、そのような状況の中で最も多くの周回を周り、現状の力を 出し切る事が出来るプランを練上げる。目標はノートラブル、ノークラッシュ、そして200ラップ超えの完走である。 そのためのプランは藤田が5走行、田村が4走行、木村が1走行の合計10スティント。9回ピットと多分最多のピット回数となる 作戦を選択した。


またこの日はピットウォークやライダートークショーなどが
開催され藤田は多くのファンからサインや声援を頂きパワーを充電していた


決勝レース


迎えた決勝。朝のフリー走行が始まり藤田が順調にタイムを刻んで予定の周回で帰ってくる。本番に向けた最後の予行練習として タイヤ交換、給油を終えてライダー交代して田村選手がコースインする。しかし田村選手のペースがおかしい。次の周にピットイン した田村選手だがピットロード途中でマシンを止めてしまう。なんとリヤアクスル付近が破損してタイヤがロックしてしまったのだ。 急ぎマシンをピットに戻し修復を行い木村選手にバトンをつなぐ事ができた。木村選手は順調なタイムで周回しておりマシンの 問題は解消したが、問題はトラブルの原因だ。これが決勝中に再発したら完走どころではなくなる。

破損した部品を点検すると、その原因が部品の不具合ではなくタイヤ交換の際のミスが原因と判明。リヤタイヤ担当メカと検証を 行い再発防止を図った。しかしこのトラブルによりメカニック全員に確実な整備といった意識が芽生えたようだ。 クイックシステムを持たない不利な条件ながら、他に負けない交換時間でライダーの走りをバックアップしたいという思いが どこかで焦りを産み、ミスに結びついていたのだ。メカニックたちに冷静さが戻った瞬間であった。


エンジントラブル、転倒、整備ミス・・・膿を出しきり決勝を迎えた。
11時30分、8時間耐久のスタートが切られた。右足をかばいながらマシンに駆け寄った藤田は少し出遅れたもののオープニング ラップを15番手で通過。さらにポジションをあげ13番手に浮上。目の前にはエヴァンゲリオンレーシングの出口選手。 藤田は無理をせず出口選手の後方で2分11秒台で周回を重ねてゆく。そして予定通り20周で1回目のピットインして田村選手に バトンタッチ。確実なピット作業でマシンを送り出す。

ピットインした藤田の燃費が予定よりも良いデータだったが、序盤で無理をする必要もなく、田村選手には予定通り22周でピット インのサインを送る。一時は30番手近くまで落とした順位を少しずつ回復して23番手で再び藤田にバトンタッチ。田村選手の走行 でも燃費データの向上を確認したチームはこの後からの周回数を増やし、セーフティーカーの導入などにより時間が伸びた時にピッ ト回数を減らせる可能性に向けチャレンジを開始。藤田、田村と予定周回数をこなし木村選手にバトンタッチ。

初の8耐走行となる木村選手の負担を減らすため走行時間を短めに設定したが、そのような心配は不要とばかりに自己ベスト付近のタイムで周回を重ね る木村選手。それでもチームはリスクを避け予定通りのピット作戦を実施。藤田が3本目の走行を開始した。時刻は4時間を過ぎ、 周回も100周を超えてきたがまだ半分である。ノートラブル、ノークラッシュで周回を重ねるTEAMJP DOGFIGHTは他車の脱落も 有り、徐々に順位を上げてゆく。終盤に入り4回目の走行を終えた藤田の右足は限界ギリギリの様子。藤田の回復を信じながらも バックアップに木村選手がツナギに着替えて臨戦態勢でレース展開を見守る。

バトンを受けた田村選手が夕闇迫る走行を開始して暫くすると、ライトオンの指示が出される。そしてこの頃に天候が変化し始める。 強い雨雲が接近し、19時過ぎには雨が降りはじめる予報。チームは雨が降り始めると同時に最後のピットインでレインタイヤに変更 して藤田で逃げ切る作戦を立てるが、中々雨が落ちてこない。燃費ギリギリまで田村選手を引っ張りピットインを遅らせると、西コー スから雨が降り出し一気にコース上はフルウエットに変わってゆく。次々と想定外のピットインをする他のチームをよそ目にベストな タイミングでピットに帰ってきた田村選手から最後のバトンを受けた藤田がレインタイヤに履き替えたマシンでコースイン。

ポジションは17番手に上がり、雨が得意な藤田は夜間走行でも他よりも速いペースで周回を重ね後続を引き離してゆく。そして迎えた チェッカー。目標の200周を超える201周を記録して17番手でゴール。ヤマハ車両3番手の成績で初挑戦の鈴鹿のレースを終えました。



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ご支援、ご声援ありがとうございました。


2013.7.2.
2013′ 6/30 全日本選手権Rd.4 筑波 ライダーコメント 藤田拓哉

ライダーコメント 藤田拓哉


ライダー:#33 藤田拓哉
クラス:JSB1000

2013′ 6/30 全日本選手権 第4戦 筑波サーキット
予選  9位  決勝  8位

金曜日のART走行から57秒前半で走行を終えて、調子が良くも悪くもなく色々なセッティングを試して一日を終えました。

土曜日の予選では、まずタイムを先に出しに行き、57秒3でQ1は8番手でそのあともセッティングを試して自分にあったセッティングを更に詰めて行きました。Q2のトップ10トライアルが始まり、もうセットも決まってNEWタイヤで攻めて行きました。しかしなかなかタイムが上がらず57秒2で予選9位で予選を終えました。

決勝の当日の朝のフリー走行からまた多少のセッティングを試して決勝に向けてセットも決まりつつありました。
決勝が始まりスタートでうまく行き8番手。前半も中盤もなかなかタイムが上がらず無理をすると今にでもすぐ転倒するギリギリで走っていました。
中盤でトップライダーの一人がマシントラブルでピットインして、7位に浮上しました。その後もタイムが上がらず8番手の今野選手に第2ヘアピンで抜かれて8番手に後退。
その後もタイムが上がらず今野選手との差が開いてしまいました。しかしいつもの意気込みと違う気持ちを持っていたのでもう一度追いついて1コーナーで差し返してまた7位に浮上。
しかしタイヤをうまく使っていた今野さんに最後また抜かれてしまい、少し離れたらバックマーカーがからんで更に離されてしまいました。しかし諦めないで追っかけていきましたが、少し届かずチェッカーで決勝8番手フィニッシュ。


今回は、課題だったスタートがうまくいきました。
中盤でいつも抜かれてしまうとなかなかねばることが出来なかった事が少しできるようになりました。

今回は今回のレースで意味があるレース内容でした。
次戦の課題もクリア出来るように頑張ります。

今回もサポートして下さったスポンサーの各企業様チームスタッフ様本当にありがとうございました。

次戦も更に成長できた自分を見せる事が出来るようにこの夏で更に成長します。

今後も藤田拓哉をよろしくお願いします。


JSB1000 #33 藤田拓哉

2013.6.10.
2013′ 6/2 全日本選手権Rd. オートポリス ライダーコメント 藤田拓哉

ライダーコメント 藤田拓哉


ライダー:#33 藤田拓哉
クラス:JSB1000

2013′ 4/14 全日本選手権 第2戦 鈴鹿サーキット
予選  5位  決勝  11位

今回もサポートしてくださった皆様、本当にありがとうございます。

予選までは、順調に行く事ができ、予選5番手に着く事ができました。
決勝では、スタートでミスをしてしまい、最初にドンドン抜かれてしまいました。
後半雨が降るとよんだセッティングでいったのですが、逆にハーフドライになってしまいズルズルと順位を落す方向にいってしまいました。チェッカーを受けた時には、11番手まで後退してしまいました。

次戦の筑波までに何回もスタート練習をして集中力を高めて行き表彰台を狙っていきます。
次戦もよろしくお願い申し上げます。


JSB1000 #33 藤田拓哉

2013.5.10.
2013′ 4/14 全日本選手権 第2戦 鈴鹿2&4 総括

2013′ 4/14 全日本選手権 第2戦 鈴鹿サーキット



イベント名 全日本ロードレース選手権 第2戦
日時・場所 2013年4月14日・鈴鹿サーキット


レース
JSB1000 #33  藤田 拓哉  予選  11位   決勝  10位

JSB1000・藤田拓哉


前戦の不完全燃焼を晴らすべく鈴鹿に乗り込んできたが、フリー走行初日はまたまた寒い一日となり、朝方からほとんど温度が上がらず、午後になると西風も強くなりコンディションは悪くなる一方。今回は、前回のテストで良好だった車体データからリヤのバネレートをアップして120Nでスタートを予定していたが、路面温度18度とあまりにも寒いので、柔らかいバネの116Nに戻してスタートしました。

ファーストアタックで11秒6を記録し、感触は良好。路面温度(18度)が低く全体的にグリップ不足だが、リヤサスはやはりバネが柔らかいせいか底付き気味で低いところで作動している。イニシャルを上げてみるが、効果は上がらず、逆に初期の作動性が悪くなり、シケインなどの追従性が悪くなりNG。それでも午前中は総合7番手とまずまずの出だしでした。

午後の走行はバネレートを120Nに上げた仕様でコースイン。路面温度は24度に上がったものの風が強く、ストレートでは追い風となる状況。更に、今回は参加台数が多く、コース上は非常に混雑しておりクリアラップを見つけるのが難しい状況なので、午後の走行では真っ先にコースイン。

先ずは中古タイヤで10秒9を記録。リヤのバネレートアップも良い方向に決まりピットインと同時にタイヤをフレッシュにして若干のイニシャルアップで再びコースインしました。
このセットアップでマシンのまとまりが出てきたのですが、タイムアタックに出た3周目の1コーナーで追い風に押し出されて止まり切れずにコースアウトしてしまいました。

走行後のコメントでもマシンのセットは最後のセットでほぼまとまってきたのでこのまま翌日の予選に臨むこととなりました。


予選


放射冷却で冷え切った朝を迎えた土曜日。それでも走行時間の11時には路面温度も30度近くまで上がり、風も弱い向かい風となりコンディションはまずまず。
しかし夜に小雨が降り、路面の埃が浮き上がってしまい全体的にグリップ不足。更に今回は2&4のため、4輪の走行ラインやゴムの違いからベストとはいえない状況。まーそれは皆同じですが・・・。

トップでコースインして2周目に2分10秒862を記録。バックストレートで前に出た中須賀選手の背後につけて3周目に突入。セクター1、セクター2、そしてセクター3と自己ベストで通過して8秒台が見えてきた拓哉ですが、中須賀選手の真後ろに迫って進入した最終シケインの1個目でブレーキペダルが縁石に当たり転倒を喫してしまいました。

すぐにマシンを起こしてピットに戻りマシンを修復して予選に復帰しましたが2分10秒04までタイムを上げてところで予選終了となりクラス7番手。総合11番手となりました。


決勝


日曜日朝のフリー走行は、好天に恵まれたものの放射冷却で気温は低く、8時25分からのフリー走行時点で路面温度は18度。それでも昨日の嫌なリズムを断ち切り、決勝に向け良いセットアップを確認するため、拓哉はピットインを繰り返しながらセットの確認を行ってゆきました。総合10番手、タイムは10秒台とまずまずの感触で、このまま決勝に向かうことを確認。

準備は整いました。しかし、このときちょっと気になるコメントが出ていました。「マシンの切返しが重い」と・・・。気温や路面温度の低さからくるダンパーの渋さや、タイヤ内圧が上がりきらず重く出たのでは、と解釈して、午後には気温が上がることを想定して、チームはそのままのセットで決勝に臨むことを決定しました。しかし決勝で甘く見た付けが返ってきました。

決勝を迎える午後になり、気温は上がり路面温度も30度前後まで上昇してきた。そして迎えたスタート。一瞬反応が遅れた拓哉は12番手で第一コーナーに侵入。ここからマシンをアウトに振り一気に2台を抜きS字コーナーへ。更にS字で渡辺を抜き9番手に浮上。目の前に上位集団を捉えて追走してゆくがスプーンコーナー2個目でリヤが大きくスライド。加速の鈍った拓哉を 渡辺選手が一気に抜き去り前に出る。続くシケインで出口選手にも交わされ11番手に後退。更に1コーナー進入で酒井選手にも交わされ12番手まで順位を落としてしまう。

後でわかったのだがウォームアップラップでエンジンを始動する前に拓哉は何故かトラクションコントロールのスイッチを切ってしまっていたのだ。(オンボードカメラに映る不可思議な行動??何故??)

レースは1周目に後方の選手数台が200Rで転倒したために、2周目にセーフティーカーが導入される。その後4周に渡りセーフティーカーが先導する形となり、残り10周でレースが再開される。拓哉はこのセーフティーカー導入の間、前後のライダーたちがローリングや加速減速を繰り返してタイヤを温めているのに対し、拓哉はあまりマシンを動かさずスロー走行を続けていた。これによりタイヤが冷えてしまい、リスタート後にマシンが重く、またリヤタイヤのグリップ不足で中盤以降を戦うこととなってしまった。「タイヤを温存したかったから」と後のコメントで語る拓哉。経験不足からくるミスである。

レースは終盤、前方の8番手争いの集団から徐々に離され、後方から追い上げてきた今野選手にもパスされてしまう。それでも9周目に酒井選手がスプーンでオーバランして後退、14周目に渡辺選手がMCシケインで転倒。そして最終ラップにはシケインで出口選手が転倒で戦列を離脱したことにより拓哉は10位でチェッカーを受けることが出来ました。


総括


今回は決勝に向けてのセットの詰めが甘かったことや、セーフティーカー導入時のタイヤの温め方など学ばなければいけないことが多くありました。そして何故かの操作ミスによるトラクションコントロールの解除。その結果スプーンでのハイサイド寸前のスライドや、シケイン立ち上がりでのスリップなど、タイヤにも厳しい状況を自ら招いてしまい自滅したレースでした。

拓哉は事前テストでは8秒代を記録しており、調子も良い状態だったが、肝心のレースウイークに力を発揮することができなかった。若いライダーゆえにチームが適切なアドバイスやセットアップの方向を示すことが必要でした。まだまだチームも学習してゆかなければいけませんね。

焦りは禁物。次戦に向け今一度やり直しです。




ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明


2013.4.17.
2013′ 4/14 全日本選手権Rd.2 鈴鹿 ライダーコメント 藤田拓哉

ライダーコメント 藤田拓哉


ライダー:#33 藤田拓哉
クラス:JSB1000

2013′ 4/14 全日本選手権 第2戦 鈴鹿サーキット
予選  11位  決勝  10位

今回もサポートして下さったスポンサー様、チームスタッフ様、御協力ありがとうございました。


レースコメント
金曜日から走るペースは、悪くありませんでした。しかし自分のミスなどで走行時間をうまく使えなかったり、気合いが空回りしたりでうまく金曜日のセッションでは、タイムに繋ぐことができませんでした。


予選
予選の3周目でそこそこ良いタイムが出そうな周回の最終シケインでまた自分のミスで転倒してしまいました。
そのあとも全力で攻めて行きましたが、リズムが崩れてしまいタイムを伸ばす事ができませんでした。
予選11位!


決勝
スタートがうまく決まり、S字区間では、8番手まで上がりました。しかしまた2人に追い越されてしまい10位。
そのあとも1人に追い越されて11位。
そのあとMCシケインの立ち上がりで転倒があったためセーフティーカーが入りました。
それから4周後にスタートしていきました。
しかしタイヤの温め方をしっかりできてなく、なかなかタイムが上がらず、前車に追いつけず離されてしまいました。
その後チェッカーで10位フィニッシュ。


もっともっとよく自分自身を見つめ直して、焦らず、次戦のオートポリスに向けて前進します。

応援して下さったファンの方々ありがとうございました。
次戦も藤田拓哉をよろしくお願いします。


JSB1000 #33 藤田拓哉

2013.4.6.
2013′ 3/31 全日本選手権 第1戦 ツインリンクもてぎ 総括

2013′ 3/31 全日本選手権 第1戦 ツインリンクもてぎ



イベント名 全日本ロードレース選手権 第1戦
日時・場所 2013年3月31日・ツインリンクもてぎ


レース
JSB1000 #33  藤田 拓哉  予選  6位   決勝  11位
JSB1000 #83  中沢 孝之  予選 16位  決勝  16位

JSB1000・藤田拓哉


開幕前の事前テストで自己ベストを更新して順調なテストを経て茂木に乗り込んだ藤田。好調な流れはレースウイークに入っても変わらず、ウイークを通して常にトップ6に絡む走りを見せた。
今年はここに来るまでにしっかりと走りこむことが出来たため、車体の方向性もほぼ固まっており、車体の最終確認や微調整を行う程度で、後は走りこむことに集中できていた。

初日は前日の雨の影響でハーフウエットから徐々に路面が乾きだすような状況。かなりスリッピーで全体的にもタイムが伸びない一日となっていた。そんな中藤田は、鈴鹿のテストで好調だったスイングアーム長でコースインしましたが、ストップアンドゴーの茂木では若干リヤのトラクションや車高バランスが微妙にズレてしまうため午後は前回テストの状態に戻しての走行となった。(それでも午前中は総合5番手を記録!)
午後になってもグリップが低く、路面温度も30度が最高といった状況でタイム更新は出来ませんでしたが、タイヤやサスの確認は進みました。特にリヤサスに関しては現在のバネレートでは若干弱い感じも出てきたので、イニシャルアップや圧側ダンパーで微調整をしましたがフロントの負担が増えてしまい、その結果バックストレートエンドで曲がり切れずコースオフする一幕もありましたが、ライダー、マシンともに無傷で戻ってくることが出来ました。1周をまとめることはできませんでしたが、各セクターのベストを合計すると51秒5程度のタイム。特にセクター1とセクター4は上位陣とほぼ同等のスピードで走れているが、セクター2とセクター3で約0.5秒くらいづつ離されてしまう。4コーナー、S字コーナー、V字コーナーこの3つのコーナーの加速がうまくないためタイムが伸びていないためで、2日目に向けセットアップの変更をトライしてみることになった。

2日目はまたしても夜半に降った雨のため朝の路面はウエット。それでも気温の高さもありJSB1000の走行時間にはほぼドライとなり、路面温度は低いながらも車体セットを詰めることが出来た。
先ずはリヤサスのバネレートをアップしてのトライは、フロントのプッシュアンダーが強くなってしまいNG。フロントのイニシャルアップなどでもバランスがとれず、結局午後は昨日のセットに戻すことにしました。
セットアップの方向が固まってきたので、午後の走行では予選を見据えたスプリントアタックと、決勝を睨んだロングランを実施。まず最初のアタックで1分51秒3を記録。3番手タイムとなった処でピットインしてガソリンを補充して決勝シュミレーションの20周アタックに。狙いは52秒フラットくらいで走り切れればと思いましたが、序盤はタンクの重さから52秒後半のタイム。そこから藤田はラインを調整して重いタンクに合わせた走りに慣れてきて52秒前半のタイムで周回を重ねていきます。20周目になっても52秒2を記録してテストを終了。
クリアラップが取れれば51秒台も狙えるアベレージを確認。ピットインした本人もまだまだ走れる元気を持っており余裕のコメント。タイヤにもまだマージンが残っており、最初のスプリントアタックと併せて25周を走り切り上々のテストで2日目を終える事が出来た。


予選


迎えた土曜日の公式予選。今年はノックアウト予選の方式が変わり、最初の40分間のタイムアタックで11位以下を決定し、セッション2で上位10台によるタイムトライアルで最後のトップ10のグリッドを決めるという方式に変更となった。

レースウイークは3日目になると更に寒さが増し、路面温度も15度と冬のような状況の中公式予選に臨みました。セッティングは昨日のセットのまま変更せずタイムアタックに出た藤田。最初のセッション1で51秒3を記録して総合5番手で通過。続くセッション2はトップ10によるアタックとなり、クリアラップのアタックとなりましたが、路面状況は更に悪くなっており、ラインを変えると埃が舞うようなコンディション。上位陣では高橋選手や中須賀選手が転倒を喫し、渡辺選手もコースオフする中、無理をせずに走り切った藤田は総合6番手タイムの51秒6を記録しました。決勝は初の2列目スタートとなり、目の前に津田選手、隣には加賀山選手といったメンバー。無難なスタートで1周目を終えて、安定したラップを刻めれば表彰台のチャンスも伺える。


決勝


決勝当日は朝から生憎の雨が降り始めた。雨のデータは昨年までの物はまとまっているが、今年の車体でのデータは全く無く、また今年はタイヤのスペックも変わっており、ウエットで昨年のようなパフォーマンスを出せるかは手探りの状態。先ずスタートデータは昨年と同じように車体データを変更し、リヤタイヤの外径差分だけ車高を調整して走りだして見る。走り始めのペースは上々だが上位3台のペースが異常に早い。セクター1で1秒以上離される状況だが、これ以上無理をできる状態でもない。藤田は若干リヤのグリップ不足を訴えてきたため決勝に向け車体姿勢を微調整して決勝に臨んだ。

迎えた決勝。霧雨が降り続ける中スタートが切られた。
16周に短縮された決勝レースで、やや出遅れた藤田はオープニングラップを8番手で通過。先頭の秋吉がひとり飛びぬけてしまうが2番手以降はまだ目の前。十分勝負できるポジションだが、藤田のペースが上がらない。徐々に上位集団が離れて行き後方から追い上げてきた安田選手に5周目にかわされて9番手に後退。更に渡辺、津田にも追いつかれ9番手争いを数周にわたり展開するがレース終盤に二人に先行を許してしまう。
GP250時代からのライバルである渡辺に抜かれたことで藤田のスイッチが入ったようで一気にペースが上がり懸命い食らいつく。藤田は15周目に渡辺を交わし10番手に復帰しラストラップを迎えるが第3コーナーで周回遅れのマシンをパスするために無理なラインを通ってしまい、立ち上がりでハイサイドで転倒寸前まで振られてしまう。すかさず渡辺が横に並ぶが藤田も一歩も引かず2台並んだまま5コーナー、130R、そしてS字コーナーへ進んでゆく。V字コーナーで藤田が前に出るが加速に勝る渡辺がヘアピンで再び追いついてインを刺してくる。お互い一歩も引かないまま並んでヘアピンに入るとマシンが接触してアウト側にいた藤田がスリップダウン。すぐにマシンを起こしてレースに復帰するが11番手でチェッカーとなった。


JSB1000・中沢孝之


今年国際A級に昇格して全日本選手権初レースとなった中沢。
マシンは前後サスノーマルでホイールもノーマルの17インチといったストック仕様に近い状態でどこまで全日本の常連たちと戦えるかのチャレンジでした。
自己ベストタイムではポイント獲得も難しいところから始まったチャレンジでしたが、レースウイーク中に徐々にペースを上げ、金曜日の走行では55秒台までタイムアップを果たし中段グループと対等に戦えるまでタイムアップを見せてくれた。

土曜日の公式予選では自己ベストには及ばないものの総合16番手を記録。
雨の決勝でも中段グループのバトルを制して見事16位完走。初レースでポイント獲得を飾り最終戦の切符を手にすることが出来ました。

総括


藤田は事前テストから好調で、朝のフリー走行まで順調すぎるくらいの流れで決勝を迎えましたが、最後の最後で守りに入ってしまい、上位陣の決勝で見せる気迫と集中力に大きく引き離されてしまいました。詰めの甘さ、気持ちの弱さがチャンスを引き込めなかった最大の敗因です。
それでもレース終盤に見せた藤田本来の走りが出来れば、2週間後の第2戦の鈴鹿、そしてその後の戦いの中で、必ず目標を達成してくれることでしょう。事前テストでは自己ベストも更新して好調ではありますが、最後まで気を抜かず我武者羅に結果を求めて行きたいと思います。

開幕までに沢山のご支援ご声援を戴き誠にありがとうございました。今日の教訓を次戦に活かせるよう精進して参りますので、引き続きご支援ご声援の程、宜しくお願い申し上げます。


藤田と渡辺選手のラストラップバトルの様子がオンボードカメラに写っておりましたので、YOUTUBEにアップしてありますのでご覧になって下さい。このバトルを近いうちにトップ争いで見たいですね。
これこそ意地のぶつかり合い、レース、そうですDOGFIGHTです。




ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明