ライダーコメント 伊藤勇樹
ライダー:#19 伊藤勇樹
クラス:SS600
2012′ 11/24
アジアロードレース選手権 第6戦 カタール ロサイルインターナショナルサーキット
予選:4位
決勝:H1 5位 H2 4位
レースコメント
予選
今回もペトロナスヤマハさんのご協力により、アジア選手権の最終戦が開催されるロサイルサーキットがあるカタールに訪れることが叶いました。
砂漠の真ん中にあるカタールは、日中は40度近くまで気温が上がるため、レースは夜間に開かれます。初めて走る夜のサーキットはとても神秘的で、飛んでいるような気分でした。
フリー走行を走ってみると、思っていた以上にコーナー自体が広く感じ、更にコース上には砂漠の砂が乗っかっていて非常に滑りやすい上、どこのラインが正解か分からない状態。しかし、そんな理屈を考えるようなサーキットではないと判断し、ハイスピードを保ったままコーナーを曲がって行く。フィーリングをしっかり掴め、初日を5番手で終え翌日の予選に備えました。
予選ではチームスタッフさんのお陰もあり、マシンの調子も良い状態。コースインをしてタイムアタックすると、コーナーリングもスムーズに曲がって行き、コーナーの脱出スピードも前日とは比べものになりませんでした。これで自信がつき、全力でアタックを開始し僅か2周で前日のタイムを大きく超えトップに立ち、このタイムならそう簡単には抜かれないと思っていました。
しかし、この後に藤原選手、アズラン選手、そしてチームメイトのザムリ選手にかわされ4番手に後退。一旦落ち着いたところで今度は決勝に合わせたセッティングを探す方向に切り替え再度コースイン。この後も順位は変わらず4番手で予選を終えましたが、良い方向性が見つかったので得意のスタートで巻き返しを計りました。
決勝レース1
レース1でグリッドに着いた時、改めてここで初戦の世界選手権が開催される場所だという事実に圧倒されました。もちろん、ツインリンクもてぎでも開催されますが、また違う感覚を感じました。
レース1のスタートはやや失敗。それでも5番手で1コーナーに進入する。しかし、イン側から接近してきたライダーに弾かれてしまい6番手に後退。それでも1台かわして1周目を5番手で通過しました。
3周目、後方を確認すると6番手以降のライダーの差が開いていたので前方にいるアズラン選手、藤原選手、ザムリ選手、そして清成選手を追いました。しかし、15周あるレースのうち僅か5周目にリヤタイヤのスライドが始まり上手くライディング出来ない状態。それでも懸命に前方のライダー達を追いました。ところが9周目辺りから、3番手に順位を落としていたアズラン選手が失速。チャンスと思い慎重にペースを上げていき、12周目辺りに3番手争いの真後ろに着き、最終コーナーで藤原選手をかわし4番手。
しかし、13周目の1コーナーで再び藤原選手に先行を許してしまいます。その後も3番手争いの後方でチャンスをうかがうも5番手でチェッカーを受けました。
惜しくも表彰台を逃しましたが、確かな手ごたえを感じたレース1。レース2に向けてしっかり気持ちを整理する必要がありました。
決勝レース2
迎えたレース2。ここではややスタートが決まり、アズラン選手、藤原選手の後方3番手。前半セクションで車体の安定性がレース1よりもあることに気付きました。その安定性を生かし、最終コーナー進入で藤原選手のパスに成功。2番手でコントロールラインを通過。
しかし、再び藤原選手が浮上。更にはザムリ選手まで上がり、これで4番手に落ちてしまいました。更には、清成選手にもかわされ5番手に後退。
3周目、4番手の藤原選手が上位3台から遅れ始め差が開いていきました。かわすにも藤原選手をパスするのは簡単ではないと慎重にラインを見極めました。そして、6周目に藤原選手を1コーナーの進入でパスに成功。前方にはザムリ選手が走行。しかし、差が激しく開いていた上、再び序盤でタイヤがスライドをし始め苦しい展開。後方を確認すると藤原選手との差が大きくなっていました。しかし、前方3台のマシンは開くばかり。前後方とも離れてしまいペースも掴みづらく慎重にマシンコントロールをする他ありません。
そのままポジションをキープし、4番手でチェッカーを受けました。またしても表彰台を逃し最後のレースを終えてしまいましたが、スポット参戦でランキング5位。本当に光栄に思います。
レースを終えて
今年一年、皆様のご協力があり、無事に走り切る事が出来ました。この一年間多くの皆様からの応援や御協力もあり、長年の夢であったアジア選手権での参戦が叶いました。本当に有り難う御座いました。
来年はアジア選手権チャンピオンを目指し、精進して参ります。皆様の変わらぬ応援、御協力を宜しく御願い致します。
伊藤勇樹