2012′ 08.28.
2012′ 8/26 全日本選手権 第6戦 スポーツランドSUGO
Photo by 相澤様
藤田拓哉・JSB1000クラス
自己ベストの7位!!
伊藤勇樹&阿久津晃輝・ST600クラス
伊藤勇樹は全日本ベストリザルトの4位入賞!ランキング4位に浮上。阿久津晃輝も18位でポイント獲得!
全日本選手権第6戦・菅生大会が開催されました。後半戦のスタートを切る大事なレースに藤田拓哉、伊藤勇樹、阿久津晃輝の3名のライダーが参戦。そのレース結果をご報告致します
イベント名 全日本選手権 第6戦
日時・場所 2012年8月26日・スポーツランドSUGO
レース
JSB1000 #33 藤田 拓哉 予選9位 決勝7位
ST600 #19 伊藤 勇樹 予選8位 決勝4位
ST600 #56 阿久津晃輝 予選26位 決勝18位
JSB1000・藤田拓哉
6月の事前テストでは気温が低く十分なテストができなかったためチームは8月の事前テストにも参加。路面温度50度に近い状況で行ったテストが行えた。
そして迎えた全日本選手権本番。晴天となった金曜日、路面温度も45度を超える猛暑の中の公式練習では新しいサスセットの方向性の確認を行い、確かな進歩を確認できたが、路面温度の上昇に合わせて選択したフロントタイヤが機能せずタイムは思わしくない。走行データを見直し、タイヤを事前テストで使用していた仕様に戻しノックアウト予選に臨むこととなった。
予選
今回も予選はノックアウト方式の予選となり、セッション1で上位24台を選抜。セッション2で上位12台を選抜。そしてセッション3で上位12台のグリッドが決まる勝ち残り方式だ。
土曜日も晴天が続き気温は30度を超え、路面温度も45度を超えるコンディションの中、公式予選がスタート。
セッション1の40分の走行時間を使って、フロントサスのセットアップを詰めてゆく藤田。徐々にセットがまとまりだしセッション1は31秒08のタイムで8番手で通過。続くセッション2ではフロントタイヤのみ交換してコースイン。ペースアップに合わせリヤのサスセットをハードな方向に振ると藤田は中古のリヤタイヤで30秒台に突入。セッション2を8番手で通過。
いよいよ最後のセッション3、リヤタイヤを交換してコースインした藤田は3周目に30秒7にタイムを上げ更に5周目にタイムを更新してゆくが、上位の6人は27秒~28秒と遠く及ばないタイム。更に今野選手が29秒台に突入し、片平選手が30秒3で藤田の前に割って入ってきた為、公式予選最終結果は9番手となった。
決勝
やっと一昨年に記録したタイムに戻ってきた藤田は決勝に向けた朝のフリー走行で唯一人予選タイムを更新する走りを見せ30秒6を記録して7番手に浮上。決勝に向け期待が高まる。
今回JSB1000クラスの決勝はタイムスケジュールの最後になり15時35分からスタートとなる。
路面温度は若干下がり45度を切り始めるがまだまだ暑さ残る中でスタートが切られようとしていた。サイティングラップが終わり全車が整列しスタートが切られるその瞬間、まさかのシグナルトラブルによりレースディレイとなる。
周回数が1周減算となり24周となった決勝は国旗によるフラッグスタートとなった。初めてのフラッグスタートにやや出遅れた藤田はオープニングラップで11番手まで順位を落としてしまう。前方には片平、須貝、清水、そして東村と、面倒なライダーがひしめく。3周目に東村を交わし、更に4周目に清水を交わし9番手に浮上。そこからしばらくは須貝の後方につけ前を行く片平を追いかける展開。
レース中盤の14周目に高橋がマシントラブルで、戦列を離脱。藤田の集団は6番手争いとなり激しさを増す。終盤に差し掛かる16周目に須貝が片平を交わしポジションアップ。その後方に少し離周れて藤田。
須貝に離されだしペースの落ち始めた片平は19周目に転倒により戦列を去り須貝との6番手争いとなった。しかしベテラン須貝はラスト5周でベストタイムを更新する走りで藤田を突き放してゆく。後方にはスタートで出遅れた今野がその差を詰めてきていたが藤田はあわてることなく滑り始めたタイヤをコントロールしてマシンを操り31秒台で走り続け24周のチェッカーをくぐった。
その結果JSB1000ベストリザルトの7番手を獲得。上位陣とは大きく差をつけられてしまったが、アベレージも昨年より大きく短縮して7番手を勝ち取った。
ST600・伊藤勇樹
アジア選手権で大きな成長を見せた伊藤は、自信と落ち着きをみせてくれたレースウイークだった。
事前テストから常にトップ6に入る走りを見せていた伊藤はレースウイークの入たいむをあげてっても好調を維持。各セッションでも積極的な走りでリーダーボード上位に常に名を連ねていた。
金曜日公式練習ではタイヤ選択と車体のセットアップに重点を置き、路面温度の変化に応じたベストなタイヤを探る走りながら総合6番手を記録。公式予選に向け着実にセットアップを進めていた。
土曜日の公式予選は午前中の9:40にスタート。真っ先にコースインした伊藤は3周目に32秒2の自己ベストを更新する走りで3番手に浮上。1度目のアタックを終えた伊藤は一度ピットに戻りセッティングの微調整をして再びコースイン。2回目のアタックはうまくクリアラップが取れないうちにタイヤの消耗が進んでしまいタイムの更新はならない。
その後は決勝に向けたセットの確認を試みるが路面温度が高く決勝20周を走り切るには厳しい感じだ。この状況なら明日はハードタイヤを選択との方向が固まった。公式予選のほうはピレリ勢がタイムをあげてきた結果、伊藤は総合8番手となるがダンロップタイヤ勢の最上位を獲得することができたのは収穫だった。
決勝の朝は曇り空で始まり、フリー走行時点では路面温度も40度に届かないコンディション。
決勝に向けタイヤ選択に新たな問題発生だ。伊藤とメカニックは様々なデータから前をソフト、後ろミディアムを選択。決勝に臨むこととなった。
次第に晴れ間が出始め、気温は一気に上昇。路面温度も再び45度を超えてくる中、11:40に20周の決勝レースがスタートを切った。伊藤は8番手ポジションのためコース中央からスタートしたが左右からマシンに挟まれてしまい行き場を失い失速。ポジションを落としてしまいオープニングラップを11番手で通過。
ここから伊藤はあわてることなく1台ずつ前方のマシンをパッシングしてゆく。
3周目にアズラン選手をパスし10位、5周目に渡辺が転倒、7周目には横江選手を交わし8番手に浮上し、トップ集団よりも早いラップでポジションを回復して行く。徐々にトップ集団に追い付き始めた伊藤だが、レース中盤に入り上位集団から転倒者が出始める真夏のサバイバルレースの様相を呈してくると、転倒による影響で少しずつ上位との差が開いてゆく。
10周目には伊藤の目の前で小林が転倒、これに巻き込まれそうになった伊藤はアズラン選手と、井筒選手に再び先行されてしまいポジションを9番手に落としてしまうが、次の11周目にすぐにアズラン選手を交わしポジションを回復。14周目に稲垣選手を交わし、15周目にはチャランポ選手も転倒、伊藤は6番手までポジションをあげてゆく。
トップとは3秒以上の差がついてしまうが、それでも慌てることなく上位陣と変わらぬタイムでその差を維持して走り続けると今度は19周目に津田選手が転倒。伊藤は5番手まで浮上してきた。
そして迎えたラストラップ。なんと先頭を走る岩崎が最終シケインで転倒。これを交わして伊藤は4番手でチェッカーをくぐりぬけた。
ST600・阿久津晃輝
阿久津は今期未だにノーポイント。
今回のレースでポイントが取れなければ岡山を欠場する予定の阿久津はそのまま終戦となる土俵際のレース。金曜日の公式練習でも34秒台が精いっぱいで、総合順位も23番手前後とポイント圏外だ。
そこで週末まで暑さが続くと読んだチームは公式予選を使ってハードタイヤのセットアップを行い決勝での終盤の巻き返しを狙う作戦をとった。公式予選では路面温度が高かったことにも助けられ大きくタイムを落とすことなく34秒2のタイムで26番手を獲得。
決勝に向けたマシンセットも進み、レース終盤までのアベレージで勝負をかけた。朝の曇り空によりヒヤヒヤさせられた作戦だったが、決勝のときには気温も路面温度も上がり予想通りのサバイバルレースとなった。
得意のスタートは不調に終わったがそれでもオープニングの強さは健在で1周目に24位で通過。5周目には21位にポジションアップ。ポイント圏内まであと一つに迫る。そして8周目、ついに20番手に浮上。
勢いは止まらず12周目までにさらに3台を交わし17番手までポジションをあげてきた。
ハードタイヤで我慢の走りの阿久津はレース中盤から作戦通りポジションを上げてきた。終盤に入り12位争いの集団に加わった阿久津はプッシュを続けるが残り2周となったところで自分のタイヤも滑り始めてしまいポジションキープが精いっぱいとなってしまい、一台にかわされるが、なんとか18位でチェッカーを潜り今季初ポイントを獲得した。
総括
御支援、ご声援ありがとうございます。
伊藤は目覚ましい成長と自信を見せ始めてくれました。
藤田も上位陣の走りを掴み取るまであとひと踏ん張り。
阿久津も復調してきて、若い3人のライダーが確実な成長を見せてくれました。
次戦は九州・オートポリス大会。JSB1000とアジア選手権の2クラスとなり、藤田と伊藤の二人が参戦いたします。
更なる上を目指し気を引き締めて臨みます。
世界に羽ばたけ若者たちよ!
ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明