2012′ 04.10.
2012′ 4/1 全日本選手権(開幕戦) 第1戦 ツインリンクもてぎ
藤田拓哉・JSB1000クラス
11位・5ポイント獲得!
伊藤勇樹&阿久津晃輝・ST600クラス
伊藤12位・阿久津30位にて全車完走!
全日本選手権の開幕戦が栃木県のツインリンク茂木で開催されました。
そのレース結果をご報告致します
イベント名 全日本選手権 第1戦
日時・場所 2012年4月1日・ツインリンク茂木
レース
JSB1000 #33 藤田 拓哉 予選11位 決勝11位
ST600 #19 伊藤 勇樹 予選12位 決勝13位
ST600 #56 阿久津晃輝 予選31位 決勝30位
JSB1000・藤田拓哉
開幕前の事前テストで自己ベストを更新して総合9番手のタイムを記録した藤田は、好調を維持したまま開幕戦の茂木に乗り込んできた。
今回は木曜日のスポーツ走行が追加されており、藤田は順調にタイムを詰めて行く。天候は晴れ、気温も高くコンディションは上々。午前の走行はまずサスセットの確認走行であったが、それでも総合8番手タイムを記録。午後の走行で更なるジャンプアップの期待が高まっていった。午後走行では新たなリヤタイヤのテストも含め走行を開始。
このセットのフィーリンが非常に良かったようで藤田のペースが一気に上がる。むしろ早すぎるくらいのペースだった。3周目に自己ベストを更新する53秒60を記録してリーダーボードのトップ6に入ってきた。が次の瞬間第一コーナーで砂煙が上がる。イエローフラッグが振られ転倒を知らせる合図だ。タイミングモニターを見つめるが藤田のマシンがセクター1を通過しない。転倒者はやはり藤田だった。
この転倒ですべてが狂い始めてしまった。幸いライダーにけがも無くマシンの損傷も大したことが無かった為、マシンを修復して再びコースに送り出すが、またしても周回序盤の4周目にヘアピンコーナーで転倒を喫してしまう。午後の走行で予定していたセットアップを確認する事ができないまま、本人も原因が掴めない状態の最悪の初日となってしまった。
前日のダメージで金曜の走行もペースを上げられず午前中の走行を終了。午後の走行でタイムアタックを試みようとしたが、転倒のダメージで電気系統にトラブル発生。そのまま走行を終える事となった。
貴重なドライの走行でタイムアップは出来なかったものの、サスセットの方向は固まったので決勝に向けての準備は整った。周りが心配するほど藤田は落ち込んではいない。むしろ灰汁を出し切った感でレースに望める感じだ。
予選
土曜日の公式予選。JSB1000は午後の走行。昼のピットウォークが終わる頃に振り出した雨は強い風と共に降ったり止んだりを繰り返し、路面状況をめまぐるしく変化させて行った。
それでも予選開始30分前にはウエット宣言が出され、コースイン直前には再び強い雨が降り路面はウエットへ。レインタイヤでコースインした藤田は4周目に4番手にあがり一度ピットイン。サスセットの変更と路面コンディションを見てラスト10分で再びコースイン。8番手にポジションを上げて第一セッションを終えた。
第二セッションは雨足が強くなり始める中スタート。藤田はタイヤ交換せずにそのままコースイン。「雨のセッティングは楽にタイムが出せる」と好調を公言する藤田は6番手タイムを出したところで早めのピットイン。最終セッションに向けタイヤ交換をしてスタートを待つが、さらに雨脚が強くなり最終セッションが中止となってしまった。
結果第二セッションの順位で決勝グリッドが決まってしまい、セッション終盤にタイムを上げて来たライバル達に抜かれて9番手からのスタートとなった。
決勝
日曜日は天候が回復し朝のフリー走行もドライコンディションで走行する事が出来た。この貴重な走行で足回りの最終確認を行い、やはり木曜日の最終セッティングが最もフィーリングがよく、タイムも出ていることからその仕様に戻して決勝に望んだ藤田。
3列目からのスタートならば無難なスタートでポジションキープできれば面白いレースができると思っていたが、痛恨のスタートミス。ポジションを13番手まで落としてオープニングラップを通過。
その後もペースが上がらないまま徐々にポジションを下げ、何もできないまま18周のレースを11位で終えた。
返ってきた藤田は「何度もフロントから転倒しそうになり攻めきれなかった。悔しい」とコメントを残した。 レース後にデータを確認し、マシンを全て点検したところで原因が判明。フロントフォークが僅かだが曲がりが出てしまっていた。物資の少ないプライベートチームにとってレースウイークの転倒は致命傷になる事がある。出来る限り避けなければいけない。まして今回は新しいパッケージのテストで勢い余って転倒を喫してしまった事が原因である。
今回のミスをチーム&ライダー共に糧に変えて次戦鈴鹿でしっかりと力を発揮して行く。
ST600・伊藤勇樹 阿久津晃輝
木曜日のフリー走行で伊藤は順調にタイムを詰めて行くが、上位陣が想定以上のペースアップの為、総合順位を上げる事が出来ない。現段階の問題はセクター1。ここで上位と0.4秒の差が有る。ここをクリアできれば充分トップ6を狙えるはずだが問題解決の糸口がつかめないまま翌金曜日の走行も終えることとなった。予選は天候が微妙な状況、ドライとなればこの問題を解決しなければ上位は狙えない。
そして阿久津。昨年のスランプから脱出の兆しが見えて来た。金曜日の走行では徐々にペースをあげて57秒に入って来た。セクター3、セクター4といったコース後半は上位陣に近いタイムが出ているので、コース前半の攻略が出来れば上位進出、復活の日も近い。
土曜日は朝から強い風が吹き、天気予報は昼ごろから雨。午前中に行われたST600はかなり微妙な天気だったがギリギリドライで走る事が出来たが強風に煽られてタイムが伸びない。ストレートで真っ直ぐに走る事が出来ないし、コーナーのブレーキングポイントは大きく変わり走りのリズムを乱してしまう。
そんな中で真っ先にコースインした伊藤は一時リーダーボードのトップに出るがそこからタイムが伸びない。徐々に順位を落としてゆく伊藤。やはり課題のセクター1が上位に離されているのだ。ピットインした伊藤にメカニックの西川がカツを入れると、次の周にセクター1でベストを記録。その周にベストタイムをマークして12番手迄ポジションをあげて予選を終えた。
一方阿久津は走りが固まっていない中で悪天候のコンディションに対応する事が出来ず、タイムを更新する事が出来ないまま31番手で予選を終えた。スタートのうまい阿久津のロケットスタートに期待する。
決勝の朝、伊藤はウイーク中に問題だったセクター1の足回りのセッティングを朝のフリー走行で大きく変更したことで解決の兆しが見えたようだったのだが・・・。決勝レースでは無難なスタートを決めてオープニングラップを11番手で通過とここまではよかったがやはり伊藤もペースが上がらない。問題のセクター1、特に2コーナー脱出にかけて車体の問題が解決できなかった。ここでペースが上がらず3コーナーで刺される嫌な展開。徐々にポジションを落とし、抜かれた相手にも着いて行けない。悔しい展開のまま周回は進み13位でチェッカーとなった。
決勝レースで最もついていなかったのが阿久津だ。得意のスタートで2列以上ジャンプアップし、3コーナーに向け加速する阿久津に不運が襲う。ブレーキングで他社がクラッチレバーに接触し、レバーが根元から折れてしまったのだ。ポイント圏内の15番手付近までポジションを上げていた阿久津だが、バックストレート通過のころには最後尾付近まで落ちてしまった。阿久津のマシンにトラブルを予感したスタッフはホームストレートに戻ってきた阿久津が首を振る姿を確認。次の周に緊急ピットインをしてクラッチレバーを交換して再びコースに送り出すが、スプリントレースでは既にジ・エンドだ。残り周回を走りきり完走扱いとなったが無念の30番手となった。
総括
開幕戦の茂木は、決勝を走った3人が皆力を出し切れない悔しいレースだった。事前テストからのポジションを考えれば藤田と伊藤はトップ10内、阿久津もポイントゲットを狙っていたが、結果は散々であった。
今回の原因を究明し次戦に備えなければいけない。藤田はすぐに鈴鹿が待っている。伊藤と阿久津はレース後の木曜日に筑波を走りマシンセットを詰めていたが伊藤は自己ベストを更新して59秒1までタイムアップ。阿久津も59秒に入ってきてホームコースで巻き返しを誓っている。
今回の結果をチーム&ライダー共に糧に変えて次戦でしっかりと力を発揮して行く。
ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明