レース結果

2009.7.27.
2009′ 7/25 鈴鹿4時間耐久レース結果報告 タイヤ編

マシン仕様


車両 2008年型 ヤマハ YZF-R6
タイヤ ダンロップUB01
・フロントR3(ソフト)・空気圧2.0k(温間)
・リヤR2(ミディアム)・空気圧1.8k(温間)
オイル 和光ケミカル・トリプルアール(40番)
プラグ DENSO・IU01-31
チェーン  DID・520ERV3
スプロケット サンスター(520コンバート)16×46t
ブレーキ エンドレス・EMP021(#954)







使用パーツレポート


■タイヤ(100周・580km使用)
やはりソフト&ミディアムの選択で4時間は厳しい。想定よりも路面温度が上がってしまったのは計算外だったが思ったほど磨耗はひどくなかった。 特にフロントタイヤは充分機能していたのは収穫である。



2009.7.25.
2009′ 7/25 鈴鹿4時間耐久レース結果報告 パーツ編

マシン仕様


車両 2008年型 ヤマハ YZF-R6
タイヤ ダンロップUB01
・フロントR3(ソフト)・空気圧2.0k(温間)
・リヤR2(ミディアム)・空気圧1.8k(温間)
オイル 和光ケミカル・トリプルアール(40番)
プラグ DENSO・IU01-31
チェーン  DID・520ERV3
スプロケット サンスター(520コンバート)16×46t
ブレーキ エンドレス・EMP021(#954)


使用パーツレポート


■E/Gオイル&プラグ(100周・580km使用)
最後まで何の問題も無く走りきる事が出来た。クタッチ&シフトフィーリング、パワー感なども問題なく、安定した速さというアドバンテージを保ち続ける事が出来た。(オイルはこの後分析を受ける予定)

■チェーン&スプロケット(132周・765.6km使用)
チェーンは初期伸びも殆ど無く、リンクの状態は非常に良好でシール性能の高さを感じた。リヤスプロケット側のダメージも少なくローラー面との接触精度も大変良好な状況が伺える。チェーン全長での伸びの比較は行なっていないが、遊びの測定でスタート前30mmがゴール後に35mmと僅か5mmの伸びで治まっていた。スプロケット側の磨耗を考慮すれば殆ど伸びていないようなものだ。

上記使用パーツ以外にも多くのパーツメーカー様にご支援頂きました事で無事4時間を走りきる事が出来ました。カウリングメーカー様、レバーメーカー様、スタンドメーカー様、サスペンションメーカー様、有難うございました。

また多くの加工にご協力頂きました協力工場様にも感謝申し上げます。

そしてライダーの身を守って頂きましたヘルメットメーカー様、レーシングスーツメーカー様、本当に有難うございました。4名のライダーは終始快適にそして安全に走り切る事が出来ました。

本年もご支援ご協力頂きました皆様に深く御礼申し上げます。有難うございました。そして来年こそ・・・・

まずはもて耐、ガンバッテ参ります

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明



2009.7.19.
2009′ 7/19 もてぎ7時間耐久レース 公式予選

もてぎ7時間耐久レース 予選速報


先日開催されましたもてぎ7時間耐久レースの公式予選結果をご報告致します

日時 2009年7月19日
場所 ツインリンク茂木
参加台数 マスターズ 32台
オープン 77台
マシン 2009年型 YAMAHA YZF-R1
ライダー 第一ライダー 佐々木幸弘
第二ライダー 遠藤弘一
第三ライダー 伊藤勇樹

2年ぶりの参戦となる茂木7時間耐久ロードレース。
今年は新型となったヤマハYZF-R1で参戦する事となりました。
ドライバースタンド様のサポートを頂き、「2りんかんRT&DFR」としてのエントリーです。

新型マシンのセットアップに大変苦労し、直前まで手直しを続けました。当初スリップオンマフラーでの参戦を計画して、開発を進めておりましたが、ラジエターを大型化する作業に入り、ノーマルのエキゾーストパイプではフロントタイヤとのクリアランスが少なく、大型ラジエターの装着が不可能な事が判明。フルエキゾーストの交換か、改めてラジエターを製作し直すかの決断を迫られる事となってしまいました。

とはいえ時間が無い中での対応となり、今回の予選はノーマルラジエターに電動ファンを付け、ごまかしながらのタイムアタックを行なう事になりました。

予選中は常に水温が100度を越えるなか、マシンは他車に引けをとらないトップスピードをマーク。扱いやすい中速トルクとともに、コーナー脱出でどのマシンよりも良好な加速でタイムを稼いでゆきました。

結果 第一ライダー 佐々木幸弘 2分01秒277
   第ニライダー  遠藤 弘一 2分02秒943
   第三ライダー 伊藤 勇樹 2分02秒776


総合3番手を獲得

水温対策、車体セットなどまだまだ改善余地はたくさん残されており、それがそのままアドバンテージとしてチームにとっての力となります。決勝はレギュレーションによりピットストップ時間制限や燃料タンクの制限など速さだけでは勝てない要素がたくさん有りますが、最後まで飛ばしてゆこうと思います。

エコランのようなレースは楽しくないので、速さを武器にチャレンジしてまいります。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明



2009.3.15.
2009′ 3/15 筑波選手権 第1戦 総括

レース結果報告



藤田拓哉・GP250初レースで0秒台を記録して2位入賞となる!
いよいよ関東の開幕戦となった筑波選手権
第1戦(エリア選手権併催)。

当チームからはGP250にスイッチした藤田選手を始め、
新人を交えた4人が参戦。
そのレース結果をご報告いたします。

イベント名 筑波選手権・第1戦(東日本エリア選手権・第1戦)
日時・場所 2009年3月15日・筑波サーキット




東日本エリア選手権・筑波選手権第


GP250  藤田拓哉  予選 2位  決勝 2位   BEST 1分00秒695
ST600  飯島    予選 転倒の為不通過
TC600  田村亮二  予選 19位  決勝 13位   BEST 1分04秒867
TC600  風晴大翼  予選 11位  決勝 14位   BEST 1分05秒355

GP250・藤田拓哉

GP250にスイッチして初レースとなる藤田。
全日本選手権に向けての準備も兼ねての参戦となった今大会で、目標を59秒台に設定。
レースウイークに入り徐々にマシンの感覚を掴み始めた藤田は公式練習で1分00秒487の自己ベストを更新。決勝に向け目標の59秒が手に届くレベルまでの仕上がりを見せる。

しかし翌日の土曜日は土砂降りの雨と強風により日曜日のトラックコンディションは大きく変わってしまう。

やはり金曜日までのグリップを得る事が出来ない藤田は、日曜日朝の公式予選で1分01秒180の記録で2番手となる。走行後すぐにメカニックと共にセッティング変更を打ち合わせ決勝に望む藤田。

そして迎えた決勝レース。
午後一番に20周のレースが始まった。TZ250で初のスタートを上々の出来で決めた藤田は、ポジションをキープしてオープニングラップを2番手で通過。トップは全日本参戦経験者の星野選手。第一コーナー進入で一気に差を詰める藤田に対し、立ち上がりで徐々に差を広げてゆく星野。藤田は周回ごとにその差を広げられてゆく。

タイムも1秒台前半で止まってしまい、逆に3番手集団が追いついてくる。しかし藤田はココからリズムを取り直し、10周を過ぎた中盤から0秒台を連発。トップと変わらぬペースで最後まで走りきり、GP250初レースを2位表彰台で飾った。


ST600・飯島

ヤマハYZF-R6にスイッチしての初レースは雨の中のウエットコンディションとなった。 チーム員や仲間の声援を受け気合の入りすぎた飯島はコースイン1周目の第2ヘアピンでハイサイド転倒。気合が空回りしてしまい残念ながら予選落ちで開幕戦を終えた。

TC600・田村・風晴

昨年デビューレースでチームメイトの同士討ちとなった田村と風晴の二人が因縁の対決で迎えた開幕戦。公式予選では風晴が1分05秒888で11位を獲得。一方田村はオフシーズンの練習不足がたたり1分06秒で19位に終わる。

そして迎えた決勝。
スタートで遅れた風晴の背後に田村が続く形でオープニングラップを通過。レース終盤まで二人の攻防が続き残り3周でついに田村が前に出る。すると田村は一気にペースを上げ自己ベストとなる1分04秒867を記録して風晴を振るきりそのままフィニッシュ。田村13位。風晴14位と二人そろってポイントを獲得した。

次戦は3月22日開催の茂木選手権開幕戦に阿久津、遠藤といったST600ライダーが参戦いたします。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明



2008.10.5.
2008′ 10/5 全日本(最終戦) 第6戦 岡山国際 総括
■レース結果報告
全日本選手権・最終戦、岡山大会、伊藤勇樹8位。ランキング9位決定!

世界グランプリから1週間のハードスケジュールで迎えた全日本選手権・最終戦、
岡山国際サーキットで開催されたレース結果をご報告致します

イベント名 全日本選手権(最終戦) 第6戦
日時・場所 2008年10月5日・岡山国際サーキット

レース結果


GP250  伊藤勇樹  予選 9位  決勝 8位

GP250・伊藤勇樹


今年の岡山は事前練習に時間をとることが出来ず、2週間前のタイヤメーカーテストのみでレースウイークを迎えた伊藤。その事前テストでは35秒前半までしかタイムを伸ばすことが出来ず、目標タイムの32秒台に向けて課題を残した状態で世界グランプリを経て岡山入りした。

ウイーク初日の金曜日は天候にも恵まれ、午前、午後の2回のセッションを走行。伊藤は1回目1分36秒106で10番手、2回目は1分35秒254で9番手となり、初日目標の34秒台に惜しくも届かない。岡山のコースは3つのセクターに分かれてタイムを表示されるが、伊藤は上位陣に対し特にセクター2と呼ばれる区間(S字からダブルヘアピン)で1秒以上のタイム差があり、特にヘアピンコーナーのような曲がりこんだコーナーで大きく引き離されてしまう傾向がある。

この区間タイムを詰めるためサスセットは徐々にリヤのセットを固める方向に変更。更に走行ラインのアレンジを試みるが大きな手応えを得るまでには至らない。それでも区間タイムの開きを僅かづつだが詰めてきており、公式予選で更なるタイムアップを目指す。

翌日の土曜日も秋晴れの中公式予選が行なわれた。前日から更に前後のサスセットをハードな方向にセットした伊藤は、35秒台前半のタイムを記録したところでピットインし、車高を上げて再びタイムアタックに出る。しかしこの変更は裏目に出てしまいフロントのハネを誘発しタイムを詰めることができない。再びピットインした伊藤は車高を戻し、僅かにフロントサスのイニシャルを抜いて最後のアタックに出てゆく。

微細な変更だがフィーリングが向上した伊藤は35秒前半にペースアップ、そして34秒台に入り更にペースを上げてゆくが、ここから数周クリアラップをとれずに時間が経過して行く。いよいよ最終ラップとなったとき、後方から来た宇井選手にバックストレートで交わされその後方につくチャンスが来たが、コントロールラインを通過したときには惜しくも時間切れでチェッカーとなってしまった。この最終ラップで伊藤は宇井選手がヘアピンコーナーでオーバーランし自分も同じラインを通過してしまったとコメントしてきた。

実はこのときの区間タイムは自己ベストを記録しており、結果的に加速しやすい走行ラインだったことを確認した。伊藤にとってオーバーランと思える走行ラインが理想的な走行ラインでありそれを発見することが出来たのである。

問題点はあるもののこの走行ラインを自分のものにするために、翌日の朝のフリー走行に向け準備を進める。

決勝日朝、残念ながら天気予報よりも早く雨が降り出し、朝のフリー走行は各クラスともウエットコンディションでの走行となった。このフリー走行で伊藤はなんと1周目のダブルヘアピン立上がりで転倒を喫してしまう。それでもすぐにマシンを起こし走行を続けるがヘルメットのスクリーンが外れてしまいピットイン。マシンを修復し、サスセットを変更して再びコースインするがすぐにチェッカーが出されてしまいフリー走行を終える事となった。

午後からの決勝は小雨が降り続ける中、定刻の15時50分に15周のレースがスタートした。 無難なスタートを決めた伊藤はオープニングラップを10番手で通過。

トップは富沢、これを追いかける宇井がオープニングラップに転倒。さらに宇井の転倒で2番手に上がった及川も2周目に転倒と波乱の展開となった。伊藤は8番手争いの集団でレース序盤を消化。5周目に集団を抜け出した伊藤は前を行く濱本に迫ってゆく。レース中盤、濱本との距離は一進一退を繰り返しながら徐々にその差を詰めてゆく。しかし一度は目前まで迫ったその距離だったがレース終盤にかけて今度は逆に徐々に濱本に離されてしまう。

懸命な追い上げも及ばず伊藤はそのままの順位でチェッカーをくぐり最終戦を終えた。

今大会を持って全日本選手権の全日程は終了。

伊藤勇樹は合計43ポイントでランキング9位が確定した。

GP250クラスへの参戦3年目としては更なる飛躍を期待していたものの不満の残る結果となってしまった。今期は序盤の流れをもっとも得意なオートポリスで断ち切ってしまい結果的にランキングを含め不本意なシーズンとなってしまったが、そのような状況の中でも各コースで自己ベストを更新し、オートポリスでは表彰台をしっかりと射程距離に捉えることが出来るまでに成長。

また苦手な雨でも大きくタイムを崩すこと無くまとめることが出来るようになり、確実に走りのレベルを高めてきている。世界グランプリの初参戦も結果としては惨敗に終わったものの、世界の走りを間近にした経験は全日本では得ることが出来ない貴重な時間であり、世界の走りとの差を知り、走りのきっかけを掴むヒントを得ることが出きた。

16歳の伊藤にとっては中身の濃い一年であった。

このような一年を無事過ごすことが出来ましたのも、ご支援、ご協力を戴きましたスポンサーの皆様のお陰です。誠に有難うございました。

全日本選手権は今大会で終了しましたが、DOG FIGHT RACINGのレースはまだ続きます、次戦はツインリンク茂木の最終戦と筑波の最終戦が2週連続で開催されます。よろしくお願いいたします。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明


☆ライダーコメント☆ 伊藤 勇樹


岡山はとても良い天気で、前回のMotoGPで学んだ事をART合同走行で試してみようと思いました。 金曜日はセッティングとライディングを入念に確認して土曜日の予選に繋げて行こうと思いました。

土曜日の予選,僕は宇井選手や高橋選手を標的に走行することにしました。
しかし、なかなか会えません。

ようやく宇井選手に会ったのですがチェッカーになってしまいました。
日曜の決勝はあいにくの雨になってしまいました。
決勝がスタート、水しぶきが一気に舞い1コーナーに進入して行きました。1コーナーをぬけるとすごい大混戦になりながら3コーナー、アットウッドカーブに差し掛かった時点では11番手ぐらいに付けていました。

レースは6周目を超える所で濱本選手の姿が見えたので必死に追いかけました。 10周目,濱本選手との差がなかなか詰まりません。追いついたり離れたりの繰り返しでした。 なんどもリアタイアが滑っている状況の中、ようやくチェッカーを受けました。結果は8位でした。

レース後はなぜだか泣いてしまいました。
最終戦は終わりましたが、これもがんばって行きたいので応援よろしくお願い致します。
ありがとうございました。



2008.9.28.
2008′ 9/28 MotoGP 第15戦 日本(もてぎ)
■レース結果報告
2008年世界グランプリ・日本大会が栃木県ツインリンク茂木にて開催されました。
当チームからは、伊藤勇樹、がワイルドカードで初参戦いたしました。
そのレース結果をご報告致します

イベント名 世界グランプリ 第15戦
日時・場所 2008年9月28日・ツインリンク茂木
観客    54,000人

レース結果


GP250  伊藤勇樹 予選 24位  決勝 23位

GP250・伊藤勇樹


全日本選手権参戦開始をした3年前に目標とした世界グランプリへの参戦をワイルドカード枠4番目でかろうじてクリアし今回グランプリデビューを飾った伊藤勇樹。しかしその現実は非常に厳しく、グランプリの流れに乗る事さえも出来ないままあっとゆうまにレースウイークを終える悔しさの残るレースとなりました。

事前テストでは使用ガソリンの変更に備えキャブセッティング、燃焼室形状、圧縮、点火時期と様々な組み合わせをテストしましたがベストなセットを見つける事が出来ないまま本番を向かえる事となった。それでも消去法でエンジンの最終仕様は結果的にノーマルと同様の仕様に落ち着き、若干の圧縮アップと点火特性の変更(進角方向)でレースウイークを迎えた。

ウイーク初日の金曜日は曇り空から時折雨が落ちコースを濡らしてゆく。
GP125、MOTO-GPと続くフリー走行はウエットコンディション。しかし雨が上がりGP250のフリー走行では徐々に路面が乾いてゆく。ウエットコンディションで始まった序盤は20番手以内を走行していた伊藤だが路面が乾いてきた終盤に各車がドライタイヤに変更する中ピットインのタイミングが遅れた伊藤はドライタイヤでのアタックが間に合わず25番手で初走行を終えた。

全日本なら午後もフリー走行だが、世界グランプリでは午後からは一回目の公式予選が開催される。天気予報では土・日曜日の天候は晴の予報だが、変わりやすいこの時期の天候で明日雨が降れば、金曜日の予選結果でグリッドは決まってしまう。そのため気を抜いた走りは出来ない。キャブセット、マシンセットをドライコンディションに設定して変更。午後の公式予選に臨んだ。

コースはドライコンディションながら路面温度も低く各選手が攻めきれないようだ。伊藤は今年春の全日本選手権のときに1分56秒台を記録しているが周回を重ねるタイムはそれに大きく及ばない58秒台が精一杯のアタックが続く。唯一の救いはエンジンセットが良い方向にまとまりTZ250ユーザーの中で国内3選手の中でトップスピードを記録していた事だ。しかし他車との差は歴然で10km以上の速度差と加速の違いを見せ付けられてしまう。結局伊藤はタイムを伸ばす事が出来ず総合25番手で一回目の公式予選を終えた。

二日目を迎えた土曜日は天気に恵まれ晴。
車体セットを大幅に変更して臨んだフリー走行で全日本のときのフィーリングを取り戻し始めた伊藤は1分57秒台で周回を重ねセッティングをつめてゆく。そして午後に行われた2回目の公式予選。コースイン直後にマシンの不調からピットに戻る伊藤。プラグを交換して再度コースインするが再びピットに戻ってくる。原因は排気バルブの緩みでメカニックが緊急修復してピットアウトして行く。

マシンは調子を取り戻し伊藤は残り20分でタイムアタックを再び開始。周回ごとにタイムを積め57秒台に突入。更にタイムを詰めてゆくと最終ラップに57秒0のベストタイムを記録した所でチェッカーとなってしまった。序盤のトラブルが手痛い。結果は総合24番手となり6列目から決勝に臨む事となった。

公式予選を終えた後もリヤのセッティングが決まらなかった伊藤はメカニックとミーティングを行い、車高の変更(アップ)を行い明日のフリー走行で最終確認を行う事となった。

決勝の日曜日は曇り空となり気温・路面温度共に低い中で朝のフリー走行が行われた。マシンセットの確認をしながらペースを上げてゆく伊藤。マシン状態は慣らしセットながら状態が良く、トップスピードも伸びている。しかしタイムが伸びない。58秒台で周回する伊藤はマシンセットを変えることなく走り続けるがタイムを短縮する動きは見られない。結局最後までセッティングを変えることなく走りきった伊藤はフリー走行を終えた後のミーティングで車高を昨日の予選の状態に戻す事を決め決勝に臨む事を選択した。

天候は回復せず曇り空の中、12時15分に23周の決勝レースがスタートした。
スタートに出遅れた伊藤は第一コーナーに最後尾で侵入。そして続く第3コーナー立ち上がりで前方のマシンがハイサイドで激しく転倒。このとき外れたガソリンタンクからこぼれたガソリンがコース上に若干残る。転倒したマシンをかろうじてよけた伊藤だがこのガソリンを踏んでしまい、スリップの呪縛にとらわれてしまう。

このアクシデントで前方のマシンと更に差が開いてしまうが、徐々にペースを上げて前方にいる同じワイルドカード参戦の遠藤を追う。タイムの上昇と共にその差が詰まり始めた7周目に伊藤は最終コーナー立ち上がりで大きくリヤがスライドしハイサイド寸前までの状態となってしまう。このスリップでガソリンに乗ったせいでタイヤにオイルが付着していると考えた伊藤はペースダウン。

走りが一気に萎縮してしまい徐々に前方との差が開いてゆく。更に1周目にコースアウトし最後尾に落ちたライダーにまで抜かれ最後尾にポジションを落としてしまう。 伊藤は懸命に喰い付き11周目に決勝レースのベストラップを記録しながら着いてゆく。すると前方のライダーは再びミスを犯し、ポジションが入れ替わるがなんと伊藤はピットに戻ってきてしまう。

リヤタイヤのスリップから危険を感じてのピットインだった。

リヤタイヤを交換して再びコースに戻った伊藤。この時点で2周遅れとなってしまう。タイヤを交換した伊藤だがタイムが上がる事も無く周回を重ね、17周目にはトップ集団に抜かれて3周遅れとなってしまう。その後も58秒台で走行を続け20周でチェッカーを受けGP初参戦のレースを終えた。

ガソリン付着によるタイヤスリップではない事、決勝レース中に戦列を放棄した事、周回遅れとなるときの処理のまずさ・・・・様々な問題をレース後に叱責され、悔しさの残る惨敗のレースウイークを終えた。

初参戦の世界グランプリにチーム・ライダー共に飲まれてしまい、流れを掴む事が出来ないままレースウイークを終える事となってしまいました。対応し切れなかった様々な悔しさを今後の糧にして最終戦の岡山、そして来期につなげてゆきたいと思います。

3年前に立てた目標を実践する事が出来た事はチーム&ライダーの確かな成長の証であり、GP参戦で大きく頭を叩かれる結果となりましたが確実に前進していると確信しております。 今後も諦めることなくしつこく前進してゆきます。

今大会参戦に向け、多くのご支援ご協力を頂き、誠に有難うございました。
惨敗という御報告も恥ずかしい成績で終える事となってしまいましたが、何卒、今後も御支援戴けますようお願い申し上げます。
有難うございました。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明



2008.9.7.
2008′ 9/7 全日本 第5戦 鈴鹿 総括
■レース結果報告
世界グランプリ直前の鈴鹿大会、伊藤勇樹9位でフィニッシュ!

全日本選手権初のJSB1000クラスの2ヒート製で開催されました全日本選手権第5戦。
当チームからは伊藤選手と草薙選手の怪我により交代ライダーとして参戦した中山選手の2名が参戦。そのレース結果をご報告致します

イベント名 全日本選手権 第5戦
日時・場所 2008年9月7日・鈴鹿サーキット
観客動員数 17,000人

レース結果


GP250   伊藤勇樹 予選 9位  決勝 9位
ST600   中山英樹 予選 41位  決勝 31位

GP250・伊藤勇樹


世界グランプリ参戦が決まった伊藤選手は茂木の練習が重なり、事前テストの無いまま鈴鹿のレースを迎えることとなった。迎えた金曜日の公式練習。明け方の激しい雨によりコース上はフルウエット状態だったが天候は急速に回復し走行時間を迎える頃には雨が上がりコース上は徐々にドライコンディションに変わってゆく。

しかし明け方まで続いた大雨によりコース上にはいくつもの川が残り、午前中のセッションは各選手がセットアップを詰めきれない中途半端な走行となってしまった。午後になっても完璧なドライコンディションとは言えないコンディションの中、2回目のセッションが行なわれた。伊藤は路面状態からやや柔らかめのセットでコースイン。徐々にペースを上げて行きながらピットインを繰り返しサスセットをハードな方向に変更してゆく。

テスト不足がたたり最後までセットアップをつめ切れ無いままセッションを終えた伊藤はトップから4秒遅れの19秒台で総合12番手に沈んでしまう。翌日の予選は1回のみとなるためチームは大幅なサスセットの変更を決め予選に臨んだ。

土曜日の公式予選はドライコンディションとなるが全体的に路面グリップが悪く全体のタイムが伸びない。そんな中伊藤は、サスセットの変更が良い方向に決まり前日からのタイムを一気に2秒以上詰める。更にピットインでセットを変更する度に少しづつタイムを詰めるが、自己ベストには程遠く2分17秒158で総合9番手となる。

車体セットやキャブセットを見直し翌日朝のフリー走行に臨んだ伊藤は、若干の改善は感じるもののダンロップコーナーや200R等で車体リヤ周りの違和感を拭い去ることが出来ないでいた。 そしてなんと、決勝に向けマシンメンテナンスをしていた時にリヤサスペンションリンクにクラックが入っていることが判明した。車体リヤ回りの違和感の原因かもしれない。チームはすぐに部品を交換し決勝に向け準備を進める。

今回はいつものように最後のレースとなったGP250クラス。定刻の16時20分、決勝レースがスタートされた。スタートで出遅れた伊藤は後方集団に飲み込まれ12番手まで順位を落としてしまう。必死の巻き返しでオープニングラップを10番手とポジションを二つ上げてコントロールラインを通過。上位集団が14秒台で離れてゆく中17~18秒台で周回する第3グループの中でバトルを展開。このとき伊藤のマシンはリヤサスリンクの問題から出ていたと思われる違和感は改善していたが、逆に各高速コーナー立ち上がりでリヤタイヤの跳ねと横滑りに序盤から悩まされる事となっていた。

タイヤの磨耗と共に状況は更に悪化してゆくが伊藤は予選タイムを更新する走りでレース中盤には8番手まで上昇。それでも後続を引き離すことはできず集団のままレース終盤に突入する。10周目には一度11番手まで順位を落とすが最終ラップに2台を抜き9番手でチェッカーを受けた。


ST600・中山英樹


草薙選手が怪我により欠場のため急遽代役参戦となった中山選手。
鈴鹿4時間耐久では小松選手とペアを組み3位表彰台を獲得した中山ですが、全日本選手権は初挑戦。激戦の鈴鹿で予選通過も危ぶまれる状況での参戦となりました。

金曜日の公式練習はコースコンディションも悪いため、マシンセットに重点を置き走行を実施。ポジション、サスセット、エンジンフィーリングなどを少しづつ自分好みにセットしてゆくことに終始して初日を終えた。翌、土曜日の公式予選。1回目のセッションで2分24秒を記録してクラス23番手、総合46番手となる。鈴鹿のフルグリッドは44台のためこのままでは予選落ちとなってしまう。そして迎えた2回目の予選。中山はこのセッションの4周目に2分22秒を記録して一気にポジションを総合41番手に上げる。更に区間ベストでアタックを続けるが最終セクションシケインでクリアラップを旨くとることが出来ずベストタイム更新には至らなかった。結局4周目に出したタイムがベストタイムとなり激戦の鈴鹿で総合41番手を獲得し予選通過を果たした。

日曜の決勝当日、天気は事前予報と大きく変わり快晴の真夏日となった。路面温度が急速に上がり決勝レースは上位陣に転倒が相次ぐ荒れた展開となった。5周目にトップの野田の転倒を皮切りに、トップに立った小西、国川、生形、レース終盤には武田、大石といったヤマハ勢も転倒を喫して戦列を去ってしまう。

そんな荒れたレース展開の中、中山は確実にポジションを上げてゆくが3周目にヘアピンコーナーで中山も転倒を喫してしまう。幸い軽いスリップダウンだったためマシンを起こし戦列に復帰。予選タイムを超える22秒495のベストタイムを記録して最後まで走りきり、31位完走でレースを終えた。

DOG FIGHT RACING の次回のレースは、いよいよ3週間後に開催される世界グランプリ・日本大会となります。伊藤勇樹のGP初挑戦です。よろしくお願いいたします。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明



2008.8.24.
2008′ 8/24 全日本 第4戦 SUGO 総括
■レース結果報告
全日本選手権も後半戦がスタート。
第4戦が8月24日・宮城県の菅生サーキットで開催されました。
今大会には伊藤勇樹が参戦、そのレース結果をご報告致します

イベント名 全日本選手権 第4戦
日時・場所 2008年8月24日・菅生サーキット

レース結果


GP250  伊藤勇樹 予選 10位  決勝 9位

GP250・伊藤勇樹


夏のインターバルの間、茂木での走行練習やダートトレーニングと精力的に走り込みを行なった伊藤勇樹。菅生での事前テストでは2日目に1分33秒フラットまでタイムを縮め、昨年の自己ベストを更新。前半戦の好調を維持した状態で後半戦を迎えることとなった。

レースウイーク初日。例年よりも一日早く木曜日から公式練習が行なわれることとなったが、天候は雨。気温も低く事前テストのデータはその有効性を失ってしまった。そのような中で伊藤はウエットコンディションのマシンセッティングを詰めて行くが、2回目のセッションの終盤、ペースを上げたところで転倒を喫してしまう。SPインコーナーの立ち上がりでのハイサイドによる転倒であった。幸い怪我も無く、マシンのダメージも少なかったのは幸いであった。マシンを修復し翌日金曜日の公式練習を迎える。

金曜日は曇り空から時折小雨が舞う微妙なコンディションとなった。午前中の走行は路面状況もライン上がドライに変わってくる難しい状況の中でコースイン。このセッションで伊藤は再びSPインコーナーで転倒を喫してしまう。今度はペースアップした周回で、進入時に一気に寝かしこんで行ったところでフロントがすくわれてしまう形でのスリップダウンだった。 しかしこの転倒を、伊藤はSPインコーナーのコースサイドで他のマシンの動きや走り方をチェックするチャンスとして、ヒントを得て戻ってきた。いかなる状況でも前に突き進もうとする意欲が現れてきたようだ。

マシンを修復し臨んだ午後のセッションも、路面はライン上がドライ、時折霧雨が舞うコンディションの中で行なわれることとなった。伊藤は慎重にマシンセットを行い、総合12番手でこの走行を終えた。

翌日土曜日の公式予選。
曇り空の下、気温17度と肌寒い中でセッションが始まる。伊藤は序盤7番手タイムを記録してピットイン。低い路面温度のため事前テストのようなタイヤグリップを得られない分リヤのサスセットをソフトな方向に変更。また決勝に向けエンジンセットの変更を行ない再びコースイン。車体のセットに良い方向の確認がとれた所で再びピットイン。リヤタイヤの交換とエンジンセットの更なる調整を行い最後のアタックに出てゆく。残り10分でペースを上げた伊藤は34秒台にタイムを上げ、順位も上げて行く。そして34秒フラットのタイムを出し時間的にも最後のアタックに入った伊藤はセクター1でベストを更新して行くがセクター2でクリアラップを取れず失速。惜しくも34秒01のタイムで総合10番手で公式予選を終えた。

予選の後、決勝の日の天候が雨となる確率が高まり、チームは決勝に向け少ない走行データからウエットコンディションのマシンセットを伊藤と共に話し合い準備を進めた。そして木曜日のテストで試すことが出来なかったセットアップで朝のフリー走行に臨むことを決めた。

決勝の日は朝からの雨。
しかも段々と激しくなる雨脚に、フリー走行では転倒するマシンが数多く発生。

伊藤はエンジン慣らしを含め、徐々にペースを上げながらマシンセットの確認を行なう。少ない時間の中でエンジン慣らしを終え、ペースを上げサスセットの確認を行なう。僅か4周ほどのアタックで走行を終えた伊藤はサスセットの方向についてメカニックとミーティングを行い木曜日のセットをベースとした車体セットに決定し、決勝に臨んだ。しかしこのサスセットには、フロントタイヤに一抹の不安要素を残した状態のぶっつけのセットでのトライであった。

午後に向け雨脚はいっそう強くなり、タイヤチョイスにも変更が必要となってきた。チームはリヤタイヤにヘビーレインを想定したタイヤをチョイス。そして午後一番にGP250クラスの18周の決勝レースがスタートした。まずまずのスタートを切った伊藤はオープニングラップをグリッドと同じ9番手で通過。目の前には富沢がいる。これを追いかけようとするが、サスセットを詰め切れなかった伊藤はコーナー進入で何度もスリップダウンしそうになる。

そのため徐々に富沢が離れて行き、更に後方にいた星野にも交わされてしまう。上位陣から渡辺が転倒により脱落し順位をひとつ上げるが星野との差を詰めることが出来ないままレースは中盤を過ぎてゆく。終盤に入りマシンに対応する走りで徐々にペースを上げてきた伊藤はベストタイムを更新しながら、前方の星野、そして濱本との距離を縮めてゆくが時すでに遅く、9番手のまま18周目のチェッカーを潜った。


伊藤勇樹


「雨のレースで情けないくらい不完全燃焼です。木曜日にもっとセッティングをつめられていれば6位以内には絶対入れたと思うしもっと上も目指せたはず。全ては自分の集中力不足だと思います。だから今回の結果には全然納得がいってません。次回の鈴鹿、そして世界グランプリの茂木ではもっと集中して良い走りを見せたいと思います。」

DOG FIGHT RACING の次回のレースは、2週間後の9月7日に全日本選手権第5戦・鈴鹿サーキットとなります。また、同日に筑波選手権も開催されます。

尚、9月28日には世界グランプリ・茂木大会への参戦も決定いたしました事を、併せてご報告いたします。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明



2008.8.24.
2008′ 8/24 全日本 第4戦 SUGO 伊藤 勇樹
ライダー:伊藤 勇樹
クラス:GP250

全日本選手権 GP250 予選 10位  決勝 9位

☆ライダーコメント☆
SUGOは事前練習で良いタイムが出ていたので自信がありました。
今回のSUGOはARTの練習で同じ所で二度転倒してしまい、モチベーションが下がってしまいました。 予選は最初になんとか誰かについて行こうとしたのですが、なかなかついて行けず35秒台を行ったり来たりしていました。予選も残り5分の所でやっと34秒のフラットがでてそのままチェッカーし10位で予選を終えました。

決勝当日は雨、雨が痛いぐらいに激しく降っていました。
そしてレースがスタートしました。スタートは上手く行き8番手ぐらいで1コーナーに入って行きました。 レースは周回を重ねて行くごとに転倒者が続出し、荒れたレースになっていました。レース終盤、僕のタイヤもうねり始めてSPinコーナーでスリップダウンをしそうになりました。結果は9位、今年のレースの中で一番低い順位を取ってしまいました。
とても悔しく思いました。次の鈴鹿で汚名返上を試みたいと思います。


2008.7.26.
2008′ 7/26 鈴鹿4時間耐久レース 総括
■レース結果報告
日時・場所  7月26日・鈴鹿サーキット
参加 台数  70台
観客動員数  71,000人(7月27日・8耐決勝)


レース参戦準備


例年よりも早い梅雨明けと共に真夏の日差しの中迎えた鈴鹿4時間耐久レース。当チームからは昨年に引き続き佐々木幸弘選手が参戦。ペアライダーには鈴鹿ST250クラスレコードホルダーの(もてぎはチャンピオン)の遠藤弘一を擁して臨んだ。

前哨戦となった鈴鹿100kレースあたりから調子を上げてきた両ライダーは、新型タイヤを投入した7月の最終テストで上々のフィーリングを掴む事ができた。2008年のレギュレーション変更で一人の走行時間が60分に拡大されたが、燃費的にも十分余裕があり、戦略的にも状況に応じた変化をつけられる体制で本戦を迎えることができる。

公式練習&予選


レースウイークに入り一気に夏本番の酷暑となり、連日30度を超える気温で、路面温度も50度を超える中、公式練習・予選が行われる。急激に変わった路面コンディションにより、木曜日の公式練習で若干のサスペンションセットの変更を行なうが、大まかな方向性は固まっており、エンジン、車体共に良好な状態に仕上がっている。

そして迎えた金曜日、A・B二組に分けられたクラス分けで公式予選が始まる。A組の第2ライダーの遠藤が先にタイムアタックに臨む。第2ライダーの公式予選は8時30分にスタートとなるが、この時点で気温は30度を超え、路面温度も40度以上に上昇。
公式練習よりも若干路面温度は低いもののそれでもタイヤのグリップはベストな状態には程遠く、グリップを確認しながらのアタックが続く。このような状況の中、遠藤は5周目に2分23秒343を記録。その後もセクター1・セクター2と最高タイムを記録するもののクリアラップを取ることが出来ずそのまま予選を終えクラス5番手となる。

8耐予選を挟み午後2時から第一ライダーの公式予選が始まる。気温35度・路面温度50度を超えるコンディションの中公式予選がスタート。佐々木は全車がコースインを終えた後モリワキのマシンと共にゆっくりとコースイン。一気にペースアップした2台のマシンは2周目に2分22秒台に突入。さらにペースを上げた佐々木は5周目に2分21秒962を記録してピットイン。

これ以上のタイムアップが難しい中で決勝レースを想定したサスのセットアップ変更を実施。

リヤサスのセットをソフトな方向に変更して再びタイムアタックに向かう。このセットアップの変更は結果的に無駄となってしまうが、決勝に向けさらにセットアップの方向性を煮詰めることが出来た。公式予選の結果は佐々木がクラス4番手となり、二人の合算タイムによる総合タイムは3番手を記録した。しかし決勝グリッドはA・Bクラスの頭取りとなり、結果5番グリッドからのスタートとなった。

決勝


快晴となった決勝日。スタートライダーを任された佐々木は予選で確認した方向へセットアップの微調整をオーダー。そして決勝レーススタートの8時30分には気温は30度を超え、路面温度も急上昇してゆく中スタートが切られた。スタートのエンジン始動で若干出遅れた佐々木はオープニングラップを8番手で通過。その後トップ集団から少し離れた第2集団を形成する。

トップ集団がペースアップする中22秒台とペースの上がらない集団から抜け出すために、佐々木はストレートスピードの勝るマシンで再三 前車に並びかけるがブレーキングで抜き返されてしまう苦しい展開が続く。イン側のタイトなラインでコーナーに侵入するには前タイヤのグリップが不足気味となり、転倒の危険を避けるために無理を出来ない状況が続いていたのだ。それでも14周目に集団を抜け出すとペースを上げ後続を引き離してゆく。そして予定通り20周目に7番手で1回目のピットインを迎える

バトンを受けた遠藤は、真夏の耐久レースで磨耗したタイヤでコースイン。最初の一周は慎重過ぎるほどのペースで通過。それでも順位は6番手に浮上していた。徐々にペースを上げてゆく遠藤。そのペースは上位のマシンたちよりも速く急速にその差を縮めてゆく。5→4→3番手とポジションを上げて行くDFR&遠藤のマシンがカラービジョンに映し出されてゆく中35周目についに2番手に浮上。

トップを追う遠藤は後続との差を広げながら更にペースを上げてゆくが37周目にヘアピンコーナーで痛恨のスリップダウン。幸いマシンのダメージはなくマシンを起こした遠藤はそのまま周回を重ねてゆく。そして予定通りの40周目にピットイン。メカニックたちがマシンチェックを行い、給油の後再び佐々木がコースイン。
マシンを降りた遠藤は体のダメージもなくマシンに関しても問題ないとのコメント。「少しだけ攻めてみたらあっけなくフロントから転んでしまいました、すみません・・・」初経験ゆえのミス。今後の糧になるであろう・・・

転倒により順位は8番手まで落としてしまうが佐々木は25秒台で周回を重ね再び上位との差を詰めてゆく、チームはラップタイムを見てマシンの状態に大きな問題は無しと判断し、遠藤の休息をとるために佐々木の周回を2周増やし22周に変更する。その後も安定したタイムを刻んだ佐々木は順位を6番手まで上げ3台による激しい4番手争いを展開。ピットインするまでその争いは続くがピットインのタイミングと作業スピードで遠藤に交代した時点で4番手まで順位を回復していた。

代わった遠藤は転倒の影響から28秒台が精一杯でペースが上がらない。一時は20秒以上開いた後続との差も周を追う毎に縮まり、ポジション維持に黄信号が灯り始める。このためチームは遠藤の走行を3周切り上げ残りを佐々木に再び託する作戦に変更。佐々木との打ち合わせで最終スティントのサスセットの変更を決め、メカニックは作業のシュミレーションを行ないつつ遠藤のピットインを待つ。そして80周目に遠藤がピットイン。

ポジションは5番手に落としていたが、4番手の伊藤レーシングも同時にピットイン。このピットインで再び4番手に復帰した佐々木は26秒台にペースを上げ後続との差を徐々に広げて行く。そして一度は周回遅れとなったトップのマシンを追い更にペースを上げてゆく。4時間のチェッカー目前となった96周目についにトップのマシンの背後に追いついた佐々木は一気にこれをパス。再び同一周回に持ち込みストレートを通過する。97周目に記録したこのタイムはなんと24秒台に突入していた。意地を見せた佐々木のマシンが98周目の周回を終え最終コーナーを立ち上がりチェッカーを受けた。

今期は、佐々木のペアを組む遠藤がどこまで仕上がるかが鍵となっていた。地元コースの茂木では高い順応を見せていたが、鈴鹿サーキットでは簡単には通用しないレベルの高さに悩みを抱える時期もあった。ST250クラスで走っていたのとは違うレベルの高さ、慣れないマシン、迫り来る時間、多くのプレッシャーを乗り越えレースウイークにしっかりと戦える状態にまで調整できた事で勝機は見えてきていた。
しかし簡単に勝たせてくれない鈴鹿の女神は今年もチームに試練を与えてくれた。しかしこの経験が二人のライダーに勝つ為の方程式を教えてくれた。遠藤は「5年分以上の成長を感じた半年でした」と語るように、この半年と決勝レースを通して多くの糧を得る事ができ、来期への可能性を掴んだ。そして完全に復調した佐々木は、来期の4耐での圧倒的な勝利に目標を定めた。

転倒を乗り越えトップと同一の98ラップを走りきることが出来たのはチーム力の向上をはっきりと示してくれた。そして一昨年に続く表彰台まで後一歩のところまでチームを仕上げることが出来たのは大きな収穫であり、このような環境を与えて頂き、ご支援を頂きました皆様のおかげとチーム一同深く感謝いたしております。いつも変わらぬお力添えを頂き、誠に有難う御座いました。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明

遠藤選手談


「鈴鹿4時間耐久参戦は、やはりプレッシャー(良い意味での)が大きかったです。本格的に600のマシンに乗るのも初めてのような状態で、よく転倒もしてしまいました。それでも自称ST250最速の意地もありましたし、ST250のライバル達、大勢の応援や期待も背負っていましたので、簡単に引けない状況でした。ようやくマシンなり程度には乗れるようにはなりましたが、まだまだマシンを操るという点に置きましては満足できるレベルには程遠く、本当に悔しい限りです。

決勝でも転倒してしまい2回目の走行はもう絶対に転べないという心境で、まさに金縛り状態でした・・・ でも鈴鹿4耐は本当に楽しかったです。このようなチャンスを頂けたこと、協力してくれたチームスタッフ・スポンサーの皆さんに心から感謝致します。 今年はレース人生の中でもかなり濃厚濃縮な時間を過ごしました。来年はこの経験を生かし佐々木さんの負担を減らせるような走り、そして絶対優勝目指して頑張ります!(チャンスを頂ければ・・・)。」

佐々木選手談


「今年もチャンスを頂きありがとうございました。旨くいけば優勝できるのかなーと事前テストを終えた頃から考えていました。結果的に4番手でしたが優勝する為に必要なものは見えました。ライダー・マシン・チームの力が揃えば来年は優勝報告が出来ると思います。チームの皆さん、そしてご支援頂きましたスポンサーの皆々様、有難うございました。そして来年もよろしくお願いいたします!」


☆ライダーコメント☆ 佐々木 幸弘


2008鈴鹿4時間耐久を終えてっていうか?
自分がレースに出る時は常に、今自分がしなければいけない事と出来る事を考えている、それはレースの最中もである、だからレースを振り返る事はない、振り返るとしたらそれは引退の時だろうね。

レースは勝つ為にやってる、負けたレースは悔しくて眠れないぐらいだよ。

佐々木 幸弘 見せますよ~宜しくです。