レース結果

2012′ 08.16.
2012′ 08/05 アジア選手権 第3戦 珠海国際サーキット 総括

2012′ 8/5 アジアロードレース選手権 第3戦 珠海国際サーキット



伊藤勇樹・SS600クラス
アジア選手権・SS600 伊藤勇樹 連続表彰台獲得・年間ランキング7位へ!

今年もアジア選手権・中国大会に伊藤勇樹が参加できることとなりました。
「TEAM JP」のサポートと香港ヤマハの「YES YAMAHA」のご協力により参戦が実現。そして今回もチーム運営を強力にサポートしてくれる「S&Sモーター」のアラン氏にお世話になり表彰台に向けた強力なスクラムを組むことができました。そのレース結果をご報告致します。


イベント名 アジアロードレース選手権 第3戦
日時・場所 2012年8月5日・珠海国際サーキット(中国)
メディア  中国テレコム、珠海テレビ、YouStream、何れもライブ放送


予選の模様
http://www.youtube.com/watch?v=zX1dnUWMgwA
レースの模様
http://www.youtube.com/watch?v=ZOnnEU8gW5M
リザルト
http://www.zic.com.cn/en/event_info.php?id=603
http://www.zic.com.cn/en/event_info.php?id=602


レース結果
チーム:TEAMJP DOGFIGHTR・YAMAHA
SS600クラス  #19 伊藤 勇樹  予選 4位  決勝 ヒート1 3位  ヒート2 3位


アジア選手権 SS600・伊藤勇樹


木曜日にサーキット入りしてYES YAMAHAからマシンを借りてセットアップを開始。前後サス、ステップ、マフラーなど日本で乗る伊藤のマシンと同じ仕様にマシンを改造しポジションなどの微調整を行い初日を終えた。


金曜日


翌金曜日は日差しの降り注ぐ真夏の珠海。気温は一気に30度を超え、湿度は80パーセント以上の厳しいコンディション。

一年振りのライディングとなった伊藤はコースコンディションやマシンの状態を確認しながら徐々にペースアップ。最終ラップに39秒台にタイムをあげ1本目の走行を終えた。総合順位は6番手。
この1本目の走行で強かったのはホンダのアズラン。早くも38秒台にタイムを入れてきている。

そしてビックリなのが珠海初参戦の清成。いきなり初走行で38秒台を記録。アグレッシブな走りでいやな存在になりそうな予感が始まった。

1本目順位は、アズラン、ザムリ、清成、藤原、ファデリ、伊藤勇樹


2本目の走行1時間前になると天気が急変。空が一気に暗くなり突然のスコール。コースが水没するほどの大雨にスケジュールが変更になると、再び太陽が顔を出しコースは急速に乾いてゆく。

レインタイヤで準備をしていた各チームはコースインこそレインタイヤでスタートしたがほぼ全車がドライタイヤに変更して再びコースイン。伊藤もドライに変更して走行時間の終盤にアタック。タイムは1本目よりもアップできなかった。
エンジンブレーキなど細やかな調整は少し進めることができ、この走行でも総合6番手で初日を終えることとなった。


予選


台風の発生もあり天候が不安定な週末の予報だったが、翌土曜日は一日ドライコンディション。

午前中に最後のフリー走行が有りセットアップを詰めてきた伊藤は38秒855を記録して総合5番手に浮上。トップとの差は0.6秒で充分射程圏内に入ってきた。

午後になり路面温度は50度を超え厳しいコンディションの中公式予選がスタート。
真っ先にコースインした伊藤は、藤原と二人でタイムバトルを開始。藤原がなんと2周目に37秒992を記録すると、伊藤は3周目に38秒402を記録して総合3番手に浮上。

高い路面温度と、タイヤの摩耗からその後はほとんどの選手がタイム更新出来なくなり、伊藤は決勝に向けたセットアップに専念。ラスト10分を切っても清成を抑えて伊藤が3番手のまま。このままフロントロー獲得と思っていた矢先のラスト5分でザムリが伊藤のタイムを0.01秒上回ってきた。

この結果予選は、藤原、ファデリ、ザムリ、伊藤、清成、アズラン

決勝ヒート1


朝から伊藤の元気がない。なんと腹痛を訴えてきたのだ。毎日食後に正露丸を飲み、なま物を避けて注意を払ってきたのに、よりによって決勝の日に食あたりを起こすとは・・・。

朝のフリー走行では痛みをこらえながらの走行でセットアップを進めることができたが、すぐに始まる決勝に向け不安が残る状態。
ここで中国の現地の仲間たちの助けが入った。腹痛を訴える伊藤に現地で薬を手配してくれた親切のリレーが伊藤に力を与えてくれたのだ。
香港在住の仲間の提案で、アランさんの弟さんがサーキットから薬を手配してくれたおかげで、強烈な腹痛は消え、レース中には痛みを感じることなくレースに集中できたのだ。

皆の応援を受けてヒート1の決勝グリッドに並んだ伊藤。香港ヤマハのルイスさんもわざわざグリッドまで応援に駆け付けてくれた。

そしてスタート。まずまずの飛び出しでオープニングラップを3番手で通過。藤原、ザムリ、伊藤、清成の順。

上位4台が団子状態でレース序盤が展開されるが、中盤に入り清成が伊藤を激しくプッシュ。最終コーナー手前で清成に抜かれるもストレートで抜き返す激しいバトルを展開するが、再び清成が前に出ると伊藤は徐々にトップ集団から遅れだしてしまう。

単独で4番手走行となりながらも諦めず前を追う伊藤にチャンスが転がり込んできた。レース終盤に差し掛かるところでトップを走っていた藤原がスローダウン。伊藤は一気にこれを抜き去り3番手に浮上。ホームストレートを走り抜ける藤原のエンジンは明らかな異常音を発しながらも走り続ける。

そして18周が終了。伊藤は3位表彰台を獲得。アジア選手権初表彰だ。

表彰台はうれしい結果だが、トップとの差は6秒。そして藤原の脱落での3位。ヒート2は転倒を気にせず全力でのアタックを指示したチーム。伊藤もそのつもりのようだ。


決勝ヒート2


路面温度が少し下がり始めた15時40分にヒート2のスタートが切られた。
抜群のスタートを切った勇樹は藤原選手に続き2番手でオープニングラップを通過。ここから序盤は藤原と勇樹の2台による激しいドッグファイトが展開される。2周目のヘアピンでトップに浮上する勇樹、クロスラインで再びトップを奪い返す藤原選手。

レース序盤は、藤原、伊藤、ファデリ、ザムリ、清成の順。中盤に差し掛かり一度は離されていた3番手集団がザムリを先頭にトップに追い付いてきた。
ヒート1では徐々に離されてしまった伊藤だが、今度は懸命にトップの藤原に食らいついて行く。そしてヘアピンコーナーなどでは隙あらばトップをうかがう勢いで藤原に襲いかかっているのだ。

3台による激しいマッチレースを国際映像が追いかける中、レース終盤に入る13周目、伊藤は痛恨のシフトミスで最終コーナー立ち上がりで加速が鈍る。このワンチャンスでザムリが2番手に浮上。しかし伊藤も離されずついてゆく。後方には少し離れて清成があがってきたが清成は14周目にコースアウト。ポジションを大きく下げてしまう。

トップ3台のバトルは最終ラップに突入。藤原は最後のプッシュでペースを上げる。懸命に食らいつくザムリと伊藤だが藤原には届かない。

そしてそのままの順位でゴール。激しい3台のバトルを制したのは藤原。2位にザムリ、そして連続表彰台を獲得した伊藤が3位だ。

トップと最終ラップまで激しいバトルを繰り広げ、前戦で優勝した清成を完全に抑えて勝ちとった3位は伊藤の大きな成長の証しだ。そしてこれを支えてくれたスポンサー、スタッフのみんなに心から感謝したい。

有難う御座いました。


伊藤コメント


「このアジア選手権で新しい世界を見る事が出来ました。それは自分のこの先のレースにとても重要なもので、自身にも繋がります。

本当に今回支えて下さったサポーターの皆様、チーム、応援して下さいました皆様に感謝しています。
皆様の支えが無ければ、今回のアジア選手権への参戦は叶いませんでした。次戦は全日本選手権なので、この経験を武器に全力で自分の走りをお見せしますので応援、ご協力を宜しくお願い致します。」



ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明