レース結果

2012′ 08.16.
2012′ 08/05 アジア選手権Rd.3珠海 ライダーコメント 伊藤勇樹

ライダーコメント 伊藤勇樹


ライダー:#19 伊藤勇樹
クラス:SS600

2012′ 8/5 
アジアロードレース選手権 第3戦 中国 珠海国際サーキット

予選:4位 決勝:H1 3位 H2 3位


レースコメント

予選
中国は台風の影響を受けたせいか、天候が不安定で金曜日に行われたフリー走行ではスコールが発生するなど読めない天候となりました。

土曜日の予選も雲が広がり、いつ雨が落ちてもおかしく無い天候。雨が降る前にタイムを出そうと、最初から全力で走行しタイムアタックを開始。

コースインして前には2011年チャンピオン、藤原選手が走行。その藤原選手の後ろで3番手タイムである1分38秒416をマークし、1列目圏内。しかし、予選はまだ40分間の内、10分が経過しただけでまだ油断の出来ない状況。確実に前を狙おうとコースインするも雲行きが怪しく、しかも昨日のスコールで縁石上には雨水が溜まり非常に滑りやすくタイムを叩き出すには難しい状況。タイムも上がらずに時間だけが過ぎて行きました。

しかし、周りのライダー達もタイムが出ず、順位は変わらず3位。このまま押し切れれば1列目獲得が出来るとほぼ確信していたのですが、ラスト1周でマレーシア人ライダーのザムリ選手が1分38秒408で逆転され4位に後退。

悔しい予選となってしまいましたが、2列目スタートの位置はけして悪くはないので、決勝で巻き返しを計りました。


決勝
アジア選手権の決勝は2ヒート制の18周で行われ、流れを掴むためには最初のレースが重要となってきます。そんなプレッシャーもある中、中国のスタッフさんやチームスタッフの協力のお陰もあり、気持ちにゆとりを持つことが出来ました。

レース1、太陽は雲に隠れて気温は高く無かったのですが、やはりグリッド上は熱気が凄まじく汗が噴き出るほど。それでも周りのスタッフが笑顔で接してくれたので、リラックスしてスタートの時を待ちました。

レースがスタートし、まずは1コーナーを3番手で通過。序盤は藤原選手、ザムリ選手、自分、そして清成選手の4台がトップ集団で周回を重ねて行きました。しかし、6周目辺りで清成選手に11コーナーでパスされ4番手に後退。直ぐに1コーナーで清成選手をパスするも、また11コーナー進入で抜き返され4番手のまま後半戦に突入。早くもタイヤのグリップ感を失い始め、トップ集団から徐々に離れ始めました。
なんとか懸命に追うも、車体が大きく振られてキープをするのがやっとで我慢のレースとなりました。

しかし、前方でトップを走行していた藤原選手がマシントラブルでペースダウン、これで3位に浮上しラストは5周。既に前方とは5秒以上離れ、後方とは4秒以上と完全な単独走行となりました。この後はポジションキープのため、毎コーナーで深く息を吐いて落ち着かせながら走行。
そのままチェッカーを受けて初表彰台を獲得。チェッカーを受けた後は、自分が表彰台を獲得したことにあまり実感がわかなく、周りの反応でようやく実感出来、同じレースを走っていたライダー達も祝福してくれたので、レースの素晴らしさを更に感じました。

本当に嬉しかった表彰式ですが、まだレースはもう1回あります。この流れを大事にしようと、再び集中力を高めました。

表彰台での喜びもつかの間、あっという間にレース2の時を迎えました。
空を覆っていた雲の隙間から日が差し込み、緊張感の中で心地よさを感じていました。レースが始まる前に監督から、ポケバイに乗っていた時みたいに楽しんで来いという言葉が印象に強く残っています。

レースがスタートし、1コーナーを2番手で通過。トップの藤原選手の後方を走行中、自分に余裕を感じました。前の藤原選手を伺いながらの3周目、11コーナーでかわしトップへ。しかし、ラインがワイドになり再び抜き返され変わらずに2番手を走行。その間に後方確認をしましたがやはり、後方にはザムリ選手と清成選手がつき、トップ争いは再びこの4台で展開されました。

中盤に入って膠着状態の続いた13周目、最終コーナーの立ち上がりでシフトミス。そこをザムリ選手に交わされ3番手に後退。後方を確認しようと見てみると、さっきまでいた清成選手がいないことに気付きました。14周目に清成選手がコースアウトをしてしまい、トップ争いは3台の争いに変わり後半戦へ。
後半もトップ争いは1分38秒台で走行。すると、ラストラップ手前でザムリ選手がシフトミス。チャンスだと思いインサイドを狙うも交わすことが出来ずにラストラップへ。
ラストラップでも果敢にプッシュを繰り返しましたが、交わすことが出来ずに3位でチェッカー。

気づいてみればトップの藤原選手から3位の自分までが1秒以内のレースで内容にはとても満足しています。それに連続表彰台は今まで経験が無いので、チェッカー後は素直に喜びました。



レースを終えて
このアジア選手権で新しい世界を見る事が出来ました。それは自分のこの先のレースにとても重要なもので、自身にも繋がります。
本当に今回支えて下さったサポーターの皆様、チーム、応援して下さいました皆様に感謝しています。

皆様の支えが無ければ、今回のアジア選手権への参戦は叶いませんでした。次戦は全日本選手権なので、この経験を武器に全力で自分の走りをお見せしますので応援、ご協力を宜しくお願い致します。



伊藤勇樹


Photo by 飯田様