レース結果

2011′ 05.17.
2011′ 5/15 全日本選手権(開幕戦) 第1戦 鈴鹿2&4 総括

レース結果報告


藤田拓哉 JSB1000 波乱のレースウイークで貴重なポイントを獲得!

2011年全日本選手権の開幕戦が5月15日・鈴鹿サーキットで開催されました。
今大会は当初開幕戦として予定されていた筑波大会が震災の影響で中止となったため、開催時期を変更しての開催となりました。また4輪のフォーミュラニッポンとの合同開催となりました。そのレース結果をご報告致します

イベント名  全日本選手権(開幕戦) 第1戦
日時・場所  2011年5月15日・鈴鹿サーキット
観客動員数  20,500人

レース結果


JSB1000 #19 藤田 拓哉  予選 19位  決勝 20位

JSB1000・藤田拓哉


国内最高峰・JSB1000クラスへの参戦2年目となる藤田。

昨年の最終戦(鈴鹿)での雪辱と、1年の成長を見せるため気合いを入れて乗り込みました。震災の影響もあり事前テストがあまり出来ず、鈴鹿で開催されたテストも天候の影響で殆ど走りこむ事ができなかった開幕戦の鈴鹿。その分木曜日に走行枠が設けられたが残念ながらこの日も一日雨となってしまった。

それでも昨年殆ど雨の練習が出来ず、最終戦で屈辱のレースを経験した藤田は積極的に雨の練習に参加。午前、午後の練習でウエット路面をしっかりと走りこみ、雨の感触を確認。周回ごとにペースを上げる順調なテストを消化できた。

翌金曜日、雨は上がったもののハーフウエット状態。しかし天候もよくコースは急速に回復。ドライタイヤでコースに出た藤田はこの難しいセッションで2分15秒台を記録して15番手を獲得。本人も非常に良好な感触を得てセッションを終えた。午後のセッションとなりコースは完全なドライ。路面温度も上昇し各チームが一斉にコースイン。藤田は2台のバイクでタイヤやファイナルの仕様違いを乗り比べてじっくりとセットを詰めてゆくが、思うようにタイムが伸びない。

そして8周目のMCシケインの進入でフロントタイヤのグリップを失いスリップダウンを喫してしまう。幸いにもライダー・マシンとも軽症だった為、一度ピットインして修復の後再びコースに復帰するが2分16秒を切る事が出来ないままセッションを終えた。・・・走行後のミーティングで予選に向けてのセットアップの確認とタイヤを選択し明日の予選に臨む。

今回も予選はノックアウト方式となり11時丁度に35分間のQ1が始まった。コースインをした藤田は20番手前後のタイムでなかなか前日のベストタイムに届かない苦しい展開。終盤になり各チームがタイムを更新してくると藤田は24番手までポジションを下げてしまう。後一つポジションを落とすとQ2に進む事が出来なくなってしまう状況となった12周目に2分16秒15を記録して22番手にまで浮上。

この後一台に再び抜かれたものの23番手でQ1を通過。インターバルの間にタイヤとサスセットを変えて15分のQ2に臨む。セットの変更が功を奏し1周目からペースを上げてきた藤田は3周目に15秒28を記録して15番手に浮上。更に深い突っ込みで第1コーナーに消えて行く藤田。直後に第一コーナーで砂煙が上がりレースアナウンスがゼッケン19藤田の転倒を告げる・・・・

ペースを上げて進入した第1コーナーで前方のマシンを意識してしまいすぎ、インに入るタイミングが早くなってしまったマシンはアウトにはらんでゆく。コーナーを曲がりきれないと思った藤田はとっさにマシンを立ててランオフエリアでの立直しを考えたが、150キロ近いハイスピードと、バンクした状態のマシンでは途中にあるグリーン(人工芝)でスリップしてしまい立て直す事が出来ないまま転倒を喫してしまったのだ。

この転倒でマシンは大破、藤田は右大腿部と右手首を負傷してしまう。

転倒はしたものの非常に好感触を得ていた藤田は決勝に向け闘志は満々。マシンをスペアカーに乗り換えて決勝日朝のフリー走行に参加。体の痛みはあるものの、マシンチェックをしながらのアタックで2分16秒55を記録して18番手で走行を終え決勝に向けて準備を進める。

決勝スタート


定刻12時に15周の決勝がスタート。
19番手からスタートした藤田はポジションをそのままに無難にオープニングラップを通過。しかしここから序盤のペースが上がらない藤田に後続のマシンが襲いかかる。周回ごとにポジションを一つずつ落として行き4周目に22番手にまで下がってしまい。中段グループの最後尾につける展開でレース中盤を走行。

10周を過ぎたところでアップサインを送るチームスタッフ。藤田もこれに呼応するように一気に前車をパスし始める。11周目、12周目と2台ずつ抜き去り一気に18番手までポジションアップ。データ解析等から課題であった130Rの走り方を変えたことで脱出速度が上がり、シケインへの進入ポイントで前車を抜きまくってきていたのだ。

残りは3周。このまま逃げ切ってほしいと祈るチームスタッフだが、地元鈴鹿の猛者たちがそのプライドをかけて襲い掛かる。そして15周のチェッカー。2台のマシンに再び交わされた藤田は20番手でチェッカーを潜り貴重な1ポイントを獲得。この瞬間最終戦MFJグランプリ(鈴鹿)の出場権を獲得した。

今回のレースでは、問題が無かったわけではない。マシンセットが詰め切れなかった点、昨年のベストタイム(2分14秒10)に遠く及ばなかった事、またウイーク期間で路面温度や4輪との走行により変化する路面状況に対し最適なタイヤ選択を詰めきる事が出来なかったなど課題は多い。そしてスペアカーのトップスピードが10km以上遅くなってしまった原因もしっかりと解析しなければいけない。

震災の影響があり大幅に遅れた開幕戦。しかしシリーズは始まったばかり。JSB1000の次戦は7月の茂木大会。これに向けしっかりと走りこみ問題を解決しなければならない。藤田に対しても2年目となり転倒禁止令を解除。アタックをした結果として2度の転倒があったものの超えなければいけない試練だと思う。

今回の参戦に向け、多くのご支援、ご協力を戴き本当に有難うございます。
また、現地鈴鹿でもご協力いただきました皆様に感謝申し上げます。有難うございました。

DOG FIGHT RACING の次回のレースは、6月5日の九州オートポリス大会となります。
ST600クラス・のみの参戦となり、伊藤勇樹、阿久津晃輝の2名が参戦いたします。

引き続き応援いただけますよう、宜しくお願いいたします。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明