レース結果

2009′ 10.18.
2009′ 10/18 全日本選手権 第6戦 もてぎ 総括

2りんかんRT&DOG FIGHT R


■レース結果報告
一時トップに立つも転倒リタイヤを喫す。

2009年全日本選手権第6戦が10月18日・ツインリンクもてぎで開催。
そのレース結果をご報告致します

イベント名 全日本選手権 第6戦
日時・場所 2009年10月18日・ツインリンクもてぎ
観客動員数 12,000人

レース結果


GP250  藤田拓哉 予選 3位  決勝 リタイヤ

GP250・藤田拓哉


全日本選手権第5戦は地元茂木での開催ですが、藤田は今年一度も茂木の練習が出来ておらず、岡山大会から戻り練習を開始。事前テストでは2分00秒がベストで、合同テストも台風の影響でウエットコンディションの練習に終わってしまい満足なテストが出来ないままレースウイークを迎えることとなった。

レースウイークに入り、公式練習が始まる。午前中1本目の走行は8時から走行のため路面温度も17度と低く、全体的にもタイムの伸びない展開で走行を終えることとなる。藤田も自己ベストに遠く及ばない2分01秒741のタイムで5番手に沈んでしまうが、ドライコンディションでの貴重な走行の中で、サスペンション、タイヤコンパウンドの比較などテストを進める事が出来、午後の走行に準備を進めて行く。

午後の走行になり路面温度も34度まで上昇し各ライダーのペースが一気に上がる。その中で藤田もコースイン2周目に1分59秒台にあっさりと突入し更にペースを上げてゆく。各セクターで自己ベストを大幅に更新してゆく藤田は7周目にこの日のベストとなる1分57秒877を記録する。自己ベストを一気に2秒以上縮める驚異的なペースアップである。この後一度ピットインし、車体のセットアップの変更とリヤタイヤをミディアムに変更して再びコースイン。コース前半のセクターではタイムを更新するものの、後半のセクターでタイムを削る事が出来ずタイムの更新には至らず総合4番手で走行を終えた。

翌日の公式予選は時折薄日が差す涼しいコンディションの中、GP250クラスの予選は昼の12時35分にコースインが始まった。路面温度は24度と前日より低い温度となった中、一気にタイムを上げて行く藤田は5周目に1分56秒台に突入。ピットインした藤田のコメントとマシンデータからリヤサスペンションのセットをややハードな方向に変更。リヤタイヤを変更して再びコースイン。後方から追い上げてきた及川選手の後ろに付いた藤田は、これをピタリとマークして更にペースを上げてゆく。前半セクターのタイムの更新と共に自己ベストを更新して行く藤田はラスト10分を切ったところで最後のピットイン。リヤタイヤを交換して最後のアタックに出てゆく。

予選時間終了まで残り30秒のところでホームストレートを通過した藤田は最後のアタックに入り、セクター1、セクター2、そしてセクター3と大幅に自己ベストを更新。そしてセクター4でも自己ベストを記録した藤田は1分56秒067を記録して総合3番手に浮上。開幕戦筑波以来の総合3番手を獲得した。

予選後、路面状況、マシンデータ、ライダーコメントを基にミーティングで翌日の車体セットの確認を行なった結果、想定以上にペースの上がった藤田に合わせてミッションギヤの変更と車体セットの微調整を行い翌日のフリー走行で最終チェックを行なう事を確認した。

決勝朝のフリー走行。慣らし走行を終えた藤田がペースを上げてゆく。そのトップスピードはミッションギアの変更が当たりクラストップのスピードを記録。その後ピットイン、サスセット確認等を行ない、クラス4番手で、フリー走行を終えた。

タイヤ選択、車体セットなど方向も固まり、迎えた決勝。定刻15時15分に決勝のスタートが切られた。前回岡山大会の後、練習を重ねたスタートが決まり3番手のまま第一コーナーに進入。目前に宇井、及川を捕らえ、二人をピタリとマークする形でオープニングラップを通過。すると第一コーナー進入で後続の渡辺が強引にイン側に仕掛けてくる。藤田は押し出されるような形となりオーバーラン。4番手にポジションを落としてしまう。

しかし焦る事無く前を追い上げて行く藤田は、1周目の走りでトップを行く宇井の走りの異変を捉え、及川に対しても追い着ける自信を見せていたのだ。2周目に入り強引な走りを見せる渡辺が及川の前に出るが、最終コーナー立ち上がりでミスをしてホームストレートで再び及川に交わされる。しかしこの直後、第一コーナー進入で又も強引な進入を見せた渡辺のマシンが及川のマシンに追突。2台が転倒コースアウトを喫し藤田は2番手に浮上する。

前を行く宇井が完調でないと見た藤田はペースを上げ喰らい付いてゆく。すると今度は宇井が転倒。藤田はついにトップに躍り出る。4周目を通過しトップ藤田に対し2番手星野との差は7.5秒。予選タイムから考えても余裕の展開であったが藤田は目標である55秒台に向けスピードを上げてゆく。するとなんと今度は藤田がS字コーナー立ち上がりでハイサイド転倒。マシンを起こしピットに帰ってくるが、そのまま無念のリタイヤとなった。

全日本選手権で初めてトップに立ち、後方の見えない敵に怯えながら、自己ベストの更新に向けスロットルを開け続けた藤田。転倒により掴みかけた全日本初優勝の称号や他にも失ってしまったものは多くあるが、それ以上に多くのものを得る事が出来たはずである。今後タイトル争いを演じる事になるであろう本当の戦いの時に、今回の経験は必ず生かされる事であろう。その経験を1年目の14歳にして経験できた事は非常に大きな収穫である。

DOG FIGHT RACING の次回のレースは、11月1日の最終戦、鈴鹿サーキットとなります。
引き続き応援いただけますよう、宜しくお願いいたします。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明