TeamJP DOGFIGHTR YAMAHA レース結果報告
アジア選手権・SS600 伊藤勇樹ヒート2 6位入賞・年間ランキング14位へ!
前戦の九州・オートポリス大会にスポット参戦し、予選2位、決勝4位と活躍した
伊藤勇樹選手が、日本の「TeamJP」、香港ヤマハの「YES! YAMAHA」、そして中国の
「S&Sモーター」のご協力によりアジア選手権 第5戦・中国大会に引き続き参戦。
そのレース結果をご報告致します
イベント名 アジア選手権 第5戦
日時・場所 2011年10月16日・中国 珠海サーキット
レース結果
SS600 #71 伊藤 勇樹 予選6位 決勝 ヒート1 15位、 ヒート2 6位
アジア選手権 SS600・伊藤勇樹
今回のチャンスは夏に一度訪れた珠海サーキットの走行練習で、借り物のマシンと中古タイヤで、初走行と思えない非凡なタイムを記録した所から始まっていた。伊藤は初の海外サーキットの走行で、グリップの悪いコースや、経験のないコースの攻略など、多くを吸収して日本に帰ってきた。
この経験を生かし、スポット参戦したオートポリス大会で素晴らしい成績を収めることが出来た。今回再びチャンスを戴いた伊藤は、香港に拠点を置くYAMAHAの代理店である「YES!YAMAHA」からマシンの貸与を戴き、運営協力に中国で活動を続けている「S&Sモーター」のご支援を戴き参戦が実現した。
そしてこれら全てのコーディネートを取り纏めて頂いたのが、中国やオーストラリアでのレース活動などアセアン地域で積極的にレース参戦コーディネートを行なっている「TeamJP」(母体・ジャパンプランニング)のご協力により可能となったものだ。
チャンスを戴いた伊藤は水曜日の夜にメカニックと共に現地入りし、翌木曜日に貸与されたマシンのセットアップを入念に行い走行に備えた。そしていよいよレースウイークがスタート。
金曜日午前中の走行は生憎の雨。
アジア選手権ではレインタイヤの使用が予選と決勝のみに限られている摩訶不思議なレギュレーションのため、ウエット路面をドライタイヤで走らなければならない。他の日本人ライダーたちが初めてのコースのため出走する中、伊藤は走行をキャンセル。午後の公式予選に標準を切り替え集中を高めていた。
昼になり雨が上がり日差しも出始めると路面は一気に乾き始める。ドライセットに変更して臨んだ公式予選。タイムアタックに出て行く選手たちが次々と転倒してゆく。コースのライン上はドライになっているが、ゼブラゾーン(縁石)には水が溜まり非常に滑りやすい状況になっていたのだ。
多くのライダーがこのゼブラに乗った瞬間に転倒を喫する中、慎重な走行で徐々にタイムを上げて行く伊藤。一時はポジションを4番手まで上げるものの後半はタイムが伸び悩み総合で10番手に沈んでしまう。自己ベストタイムは更新したものの、初日の設定タイム1分39秒台には程遠い41秒1の記録で終わる。
伊藤はマシンセットの変更に頭を悩ますが、チームは「まだマシンのパフォーマンスを出し切っていない。もっと自信を持って限界まで攻めて力を出し切るように!」と翌日に向けてのミーティングを終えた。
翌土曜日のタイムスケジュールは午前中にフリー走行を行ない、午後から2回目の公式予選が行なわれる。天気は晴、コースも完全にドライとなり全体のタイムアップが予想される中、伊藤は積極的にタイムアタックを繰り返していた。
誰よりも早くコースインして行く伊藤だが2周目に転倒者が出て一旦赤旗中断となる。再び再開された走行でも真っ先にコースインする伊藤。その積極性がタイムになって帰ってきた。2周目に自己ベスト大きく更新する1分40秒3を記録。更にペースを上げる伊藤は一気に38秒台までタイムを上げフリー走行で5番手のタイムを記録して走行を終えた。
そして迎えた公式予選2回目。伊藤は先ず1回目の予選で履いた中古のタイヤでコースイン。アジア選手権は予選決勝で使用できるタイヤが3セットと決められている。しかも決勝レースは2回ある為、予選で使用出来るのは実質1セットとなるのだ。
伊藤は中古タイヤでも39秒台を記録するがそれでも現状では総合10番手。このままでは決勝レースは4列目からのスタートとなってしまう。チームは伊藤と事前に打ち合わせていた作戦に出た。
2回行われる決勝に適用される予選結果は非常に重要である事から、2列目には入れない場合は2セット目のタイヤを投入する作戦だ。ピットからのサインに従いピットインする伊藤。前後のタイヤを交換して再びコースイン。予選時間は残り5分。伊藤が最後のアタックラップに入った。最終コーナーから勢い良く飛び出してきた伊藤は、たった一周のアタックながら自己ベストを更新、38秒693を記録して総合6番手に飛び込んできた。
走りに自信が戻ってきた伊藤はマシンセットも決まってきたのかそのままのセットで日曜日の決勝に臨む。
日曜日の朝は15分間のフリー走行がある。この時間で決勝を睨んだフルタンクのセッティング確認を行なうが、伊藤は重いタンクによる影響を感じさせないペースでラップを刻む。それどころか更に自己ベストを更新して帰ってきた。タイムは1分38秒5、全体の4番手タイムだ。
ヒート1
そして迎えた決勝。ヒート1は11時40分から15周のレースがスタートした。2列目6番グリッドから絶妙のスタートを見せた伊藤は3番手で1コーナーに入っていく。しかしこのとき後続のマシンが伊藤に突っ込んできて押し出される形でフロントタイヤを持っていかれて転倒。幸い怪我も無く、マシンのダメージも軽かった伊藤はマシンを起こして再びレースに復帰。最後尾から走行を続けなんと15位にまで浮上。貴重な1ポイントを獲得した。
ヒート2
悔しい思いを胸に、マシンを修復して臨んだヒート2。同じく15周のレースが15時40分にスタートした。2度目のスタートは反応は良かったもののウイリーしてしまい後退。1周目は12番手で通過。同じ日本人ライダーに囲まれる展開となったがトップと変わらないスピードを身につけた伊藤は3周目に早くも38秒台に突入。
周回ごとにポジションを回復して行き9周目には全体の最速ラップとなる38秒1を記録して8番手に浮上。追撃の手を緩めることなく伊藤は前のライダーを追い続ける。そのペースは完全にトップ争いのペースを上回っていた。12周目には昨年のチャンピオンデチャ選手を抜いて7番手に浮上。6番手との差は3秒以上。それでも38秒台で走行を続ける伊藤は最終ラップについに6番手の背後に追い着いた。
そして最終ラップの最終コーナー。イン側にに飛び込んだ伊藤が6番手に浮上して立ち上がって来た。そのまま見事6番手でチェッカー。
自己ベストを大きく更新し、ファステストラップこそ僅かに抜かれたものの全体の2番手のベストタイムで上位陣以上のスピードを見せた伊藤は、初の海外レースで11ポイントを獲得。スポット参戦ながらランキングを14位に押し上げた。
伊藤コメント
「ヒート1はかなり悔しかったです、でもそのあと走った時にヒート2は絶対勝てると感じました。スタートで出遅れてしまい結果は6位でしたが最後まで力を出し切る事が出来て本当に楽しいレースが出来ました。
今回のチャンスを頂いたスポンサーの皆様に心から感謝いたします。この成長を次戦鈴鹿に繋げたいと思います。そして出来れば来年はフル参戦できるよう頑張って行きたいと思います。応援有難うございました!!」
ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明