レース結果

2011′ 08.29.
2011′ 8/28 全日本選手権 第4戦 SUGO 総括

レース結果報告


藤田拓哉・11位、連続ポイント獲得!
伊藤勇樹は決勝転倒、阿久津晃輝も予選中に転倒で決勝進出ならず!

全日本選手権の第4戦が震災から復興した宮城県・菅生サーキットで開催されました。
そのレース結果をご報告致します

イベント名 全日本選手権 第4戦
日時・場所 2011年8月28日・菅生サーキット

レース結果


JSB1000 #19 藤田 拓哉  予選 9位  決勝 11位
ST600  #71 伊藤 勇樹  予選 24位  決勝 転倒リタイヤ
ST600  #26 阿久津晃輝  予選 不通過
ST600  #57 飯島 高広  予選 不通過


JSB1000・藤田拓哉


昨年非常に好調なタイムを記録した菅生で上位入賞を目指した藤田だが、事前テストから思うようにタイムが詰まってこない。少し調子が上がってくると転倒を喫してしまい再び調子を落としてしまう。この悪い流れを変えられないままレースウイークに臨んだ藤田。金曜日の走行は朝から濃い霧に包まれ午前の走行はでキャンセルされてしまう

午後になっても霧が晴れず他のクラスの走行が次々とキャンセルなか、夕方に予定されたJSBの走行は奇跡的に霧が晴れ走行が行われた。それでも路面はウエット状態のため走行をキャンセルするライダーもいたが、藤田は今後のことも考えて走行を実施。徐々にペースを上げてゆきセッティングを確認しながら周回を重ねる藤田。セッション終盤にタイムを上げ上位人に続く番手で走行を終え、ウエットコンディションながらも悪い流れから脱出できそうな感触をつかんだ藤田は明るい顔を見せ始めた。

土曜日のタイムスケジュールは前日の影響で大幅な変更となり朝にフリー走行が設定され、その代わりにノックアウト予選が通常の計時予選に変更された。しかしこの日も天候は不安定。朝の走行は霧雨が降ったり止んだり。路面もウエットでもドライでもない中途半端な状況。このためチームは朝の走行をキャンセルし午後の予選に集中することとした。

午後になり天候が回復。JSBの予選はドライコンディションでのタイムアタックとなった。2セットのタイヤでタイムアタックを計画した藤田は序盤にウイークベストの31秒を記録。予選終盤にタイヤを交換して更なるタイムアップを目指すがペースが上がらない。31秒後半でタイムが伸び悩みこのまま予選を終えてしまうかと思われた所に最後のタイムアタックを始めた上位陣の集団が近づいてきた。この流れに入った藤田は上手く流れを掴み一気にタイムアップ。31秒15のベストを更新して9番手を獲得して予選を終えた。

さらに調子を上げ始めた藤田だが昨年のベストからは0.5秒遅れている。昨年とデータを比較しても前半セクションの第3コーナーからのスピードが足りない。また得意だった後半セクションでもSPコーナーからシケインまでの高速コーナーでペースが遅い。

原因は菅生からテストしているフロントタイヤのセッティングを上手く出し切れていないのだ。事前テストで転倒を喫してしまいこのセットの詰めが出し切れていないネガが出てしまったのだ。それでも流れは少しづつ良い流れに変わってきており、出口選手に続く9番グリッドは目の前には中須賀選手が見える位置。やる気満々の藤田と翌日に向けたミーティングを実施し予選日を終えた。

日曜日は朝から快晴となり気温、路面温度共に上昇。朝のフリー走行でフルタンク状態の確認走行を終えた藤田は8番手とまずまずの感触。決勝に向け最後の確認を進める。

定刻15時35分に25周の決勝レースがスタートした。昨年スタートでクラッチを壊してしまった藤田はスタートで慎重になりすぎ出遅れてしまう。オープニングラップに須貝選手にも抜けれて10番手で通過。ここから須貝選手に付いていきたいところだが藤田のペースが上がらない。逆に後方から清水選手、須磨選手の二人が追いついてきた。6周目に清水に、7周目に須磨に交わされ12番手に後退。

10番手争いを続ける藤田は16周目に2台を一気に抜きさり10番手に浮上。中須賀選手の転倒もあり9番手にポジションを上げるが前に出てからペースが上がらない。翌周に再び10番手に下がってしまう。レース終盤に入った23週目にはトップ集団にラップ遅れにされてしまい、この処理で進路を譲った藤田は皇族にも抜かれてしまい番手にポジションを下げてしまう。

最終ラップに一気に2台を抜きにかかるが無謀なアタックは失敗に終わり11番手のままチェッカーを潜った。

藤田コメント
「マシンのセット詰めることが出来なくて思うようにペースが上げられなくで悔しいレースになってしまい ました。次回オートポリスはしっかりとマシンセットを決めてシングルフィニッシュを目指します」

ST600・伊藤勇樹


前回茂木大会の好調をそのまま持ち込んだ伊藤は事前テストで32秒8の自己ベストを更新。
気持ちよくレースウイークを迎えたが金曜日の走行キャンセルから歯車が狂い始めてしまう。

土曜日に行われたフリー走行で予選に向けたセッティングを確認していた伊藤は第1コーナーで転倒を喫してしまう。怪我はなく、マシンのダメージも少なかったため修復の後午後の公式予選に臨んだ伊藤。コースは予選開始直前に再び霧雨が降り始めドライコンディションだった路面が少しづつ湿り始める難しい状況。転倒によるダメージがないか確認しながら徐々にペースを上げてゆく伊藤は路面が完全に乾き始めたところでピットイン。

セッティングの変更をして再びコースイン。しかし伊藤がコースに復帰すると再びバックストレート周辺で雨が降り始める状況。最も路面状況が良い時にタイムアタックできなかった伊藤はタイムを詰めることができないまま予選を終え24番グリッドに沈んでしまう。

悪い流れを断ち切るべく臨んだ決勝レース。
ドライコンディションの中スタートが切られ、オープニングラップで3台を抜いて21番手に浮上した伊藤は序盤から激しくプッシュ。周回毎に順位を上げ8周目には17番手までポジションアップ。ポイント獲得まであと一歩のところに迫ってきた。目の前には篠崎選手が現れペースの上がらない篠崎選手を抜きに行った11周目のヘアピンコーナーで篠崎選手と接触してしまい2台が一緒に転倒。そのままリタイヤとなってしまった。

伊藤コメント
「事前テストまで非常に調子が良かったのでこの結果はとても悔しいです。最後の転倒はライン的にはいけると思ったのですが接触してしまい篠崎選手には済まないことをしました。 次回アジア選手権にワイルドカード参戦出来ることになったのでこの悔しさをぶつけてきます。」

ST600・阿久津晃輝


伊藤と共に事前テストで33秒前半を記録し調子を上げてきた阿久津。コンディションの悪い金曜の走行を早々に諦め、予選に向け集中していた。スケジュールが変わった土曜日のフリー走行も確認程度の軽い走行で終え午後の予選に臨んだ。

その予選開始直前に再び霧雨が降り始めドライコンディションだった路面が少しづつ湿り始める難しい状況。阿久津とメカニックはこのままコンディションが悪くなるかもしれないと読み、早めのアタックを計画。コースオープンと共にまっ先にコースインした阿久津はトップで2周目に入ってゆく。

第1コーナーで濡れ始めた路面によりリヤタイヤを滑らせながらマシンをコントロールしてコーナーに入っていった阿久津だったが、次の第3コーナーでスリップダウン。転倒を喫してしまいそのまま予選を終えることとなってしまった。

阿久津コメント
「事前テストで調子が上がってきていたのでとても悔しいです。予選は路面状況が悪くなりそうだったので早めに仕掛けていったんですがちょっと焦りすぎてしまったかもしれません。せめて1周はタイムが残っていれば良かったんですが・・・何も残すことが出来ないレースになってしまい申し訳ない気持ちです」

ST600・飯島高広


茂木で全日本の壁の高さを思い知らされる結果となった飯島は菅生でのリベンジを狙いましたが今回も力及ばづ予選落ちとなってしまいました。

飯島コメント
「今回も全日本の壁を越えることができませんでした。この悔しさを胸に、明日から来年の全日本に向けて練習します。来年こそ予選突破して見せます。」

代表コメント


今回はレースウイークの難しさを痛感した大会でした。好調だった伊藤や阿久津が流れを掴めないままレースを終え、藤田は悪い流れを少しづつ回復していったものの最後まで詰め切ることができない歯がゆい大会となってしまいました。これから更に上位を目指すためにはこういった詰めの部分がとても大切であり、チーム&ライダーが学ばなければいけない点だと思います。そういった意味では今大会も得ることの多い大会だったと思います。

次回オートポリスは伊藤がアジア選手権にワイルドカード参戦します。
海外勢との力の差を確認する良い機会です。

また藤田も昨年はケガで思いきり攻めきれなかったコースですから力を出し切ってもらいたいと思います。

ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明