伊藤勇樹・好調な金曜日が一転、決勝はピットスタート・転倒を喫し16位となる!
全日本選手権の前半戦の折り返しとなる第3戦が5月25日
大分県のオートポリスサーキットで開催されました。
今大会には伊藤勇樹のみが参戦、そのレース結果をご報告致します
イベント名 全日本選手権 第3戦
日時・場所 2008年5月25日 オートポリスサーキット
観客動員数 29,100人
レース結果
GP250 伊藤勇樹 予選 8位 決勝 16位
GP250 伊藤勇樹
2戦連続入賞で迎えたオートポリス。ここは伊藤が最も得意とするコースで、昨年は6位入賞を飾ったコース。今大会に向け、筑波大会終了後すぐに九州に移動し14日から18日まで走り込みを行った伊藤は、昨年の予選タイムを上回るまでに仕上がりレースウイークを迎えることとなった。迎えたレースウイーク初日の公式練習でその成果が現れ、午前中1回目の走行で1分56秒290で5番手のタイムを記録。しかし伊藤にとってはまだマシンセットアップの状態は完全では無く、ペースの上がった伊藤の走りにフロントタイヤが負け始めプッシュアンダーによる2次旋回の不良が発生。チームはフロントタイヤに今までよりも硬いミディアムタイヤを選択して午後に行われる2回目の公式練習に臨んだ。この選択があたり、一気にペースの上がった伊藤は1分54秒383の自己ベストを記録し総合3番手につける快走を見せた。
ドライでのセットアップに良い感触を掴んだものの、翌日以降は雨の予報となり、昨年後半より自信を失っているウエットコンディションのマシンセットについて伊藤とチームは長い時間をかけ方向性を探った。
翌土曜日の公式予選。天候はやはり雨となりウエットコンディションでの予選となった。しかも走行直前に霧が発生し予選開始時間が遅れた。(この霧によりJSB1000のスーパーポールが中止、GP-MONO-の決勝が翌日に順延となった。)予定よりも1時間以上待たされ、今日は中止かと思われた15時ごろに一瞬きりが晴れたタイミングで急遽公式予選が開始された。コース上はウエットコンディションながらも雨は上がっておりコンディションは徐々に良くなってゆく中、伊藤は順調にタイムを詰め3番手タイムをマークしたところでピットイン、サスセットを調整して再びコースイン。徐々にタイムを詰めて行き2分5秒台を記録して8番手に浮上。
更に区間ベストを記録しながら4秒台が見えるペースで最終セクションに向かう。しかしここで急に激しい雨が降り出し、伊藤も転倒寸前のスリップにより一気にペースダウン。惜しくも8番手で予選を終えることとなった。しかし3番手以降のタイムはみな5秒台と拮抗しており、伊藤も「気持ちよく乗れた」とのコメントからウエットでのスランプに脱出の明かりが見えてきた。
日曜日は雨が上がりコースは徐々にドライコンディションに変化して行き、最後の走行順となるGP250の走行時にはライン上がドライとなり殆どの選手がドライタイヤでコースイン。フリー走行は時間が10分に短縮された為、伊藤は慣らし走行後1周のアタックしかできず12番手で終えるが、決勝に向けては十分な手ごたえを確認していた。 しかしこの好調な流れが一つのケアレスミスにより全てが変わってしまった。
サイティングラップを終え決勝グリッドに並んだ伊藤がマシンの不調を訴え、エンジンヘッド部分からの水漏れが発覚。急遽マシンをピットに戻し作業を行う。これにより伊藤はウォーミングアップラップに参加できずピットスタートとなってしまう。作業を終えピットエンドに並ぶ伊藤。シグナルが変わりスタートした集団の後にピットスタートした伊藤はあせる気持ちから第一コーナー立ち上がりでスリップダウンを喫してしまう。
しかし伊藤は諦める事無くマシンを起こして再スタートを切る。ブレーキレバーが半分に折れ、コースサイドの砂利を吸ったエンジンは完調ではない物の、58秒台で周回を重ねてゆく。他のマシンの転倒などにより徐々に順位を回復して行く伊藤は16番手まで浮上。あと一人でポイント獲得に迫るものの残念ながら15周のレースはそのまま終わり16位でレースを終えた。
レースは16位と惨敗。表彰台の可能性が見えていただけに非常に悔しい結果となってしまいました。しかし伊藤はこのレースウイークで非常に多くのことを吸収し、結果以上の成長を見せてくれました。そしてメカニックも貴重な経験をし今後の大きな糧となる試練を味わうことが出来、チームとしては収穫の多いウイークでした。
レース後のポイント計算の結果、伊藤のランキングは6位と変わらず首の皮一枚で世界グランプリのワイルドカード資格を獲得することが出来ました。
「好事魔多し」
前半戦を終え、今一度初心に立ち返り、後半戦そして世界グランプリ・茂木大会に向け精進して参ります。
DOG FIGHT RACING の次回のレースは、5月30日の筑波選手権第2戦となります。
前回6位入賞を飾った藤田拓哉が表彰台目指し頑張りますので、引き続き応援いただけますよう、宜しくお願いいたします。
ドッグファイトレーシング
代表 室井 秀明