YZF-R1 RACING PROJECT

2012′ 12.13.
もてぎロードレース選手権 2012/11/18 第5戦 OPC&JSB1000

2012/11/18 もてぎロードレース選手権 第5戦 OPC&JSB1000クラス




マシン:YAMAHA YZF-R1
ライダー:中澤 孝之
エントリー:DOGFIGHTRACING・YAMAHA

オープンチャレンジクラス&JSB1000クラス、2クラス優勝!!
オープンチャレンジクラス年間チャンピオン決定!!パチパチパチ・・・
と結果だけ書くと華々しいのですが、僕等の中では惨敗でした。


レースウイーク


今回は前回のブログに書いた通り、JSBで藤田が使っているエンジンを載せました。今まで使用していたエンジンがそろそろメンテナンスの時期でもあったし、それならちょっと距離は走っているが全日本で使ったエンジンを載せちゃった方が楽かなと思って。前回のレースでは転倒してしまったが、目標に近いタイムは出たし、ある程度ののセッティングデータは取れたので、最終戦ハデに行きますかと思い・・・

今回も今まで同様、練習の時間が取れませんでした。(バイクも前回の転倒からしばらく放置・・・全日本が終わってから修理を始めるという状態です。)思いのほか重症で、フロント周りは全部ダメ。かなりの金額になりました・・・。

そんなこんなで練習に行けたのが1週間前の金曜日。その後はレース2日前の特別スポーツ走行のみ。この日である程度のセッティングを出す必要がありました。
何を今更と思うかもしれませんが、まずミッションが違います。クロスミッションが入っているので今までと同じギアで走れないのです。あと、リアサスペンションも全日本で使用しているオーリンズを投入しました。前回のレース後にもう一踏ん張りして欲しいと。各コーナーの立ち上がりでアクセル開けた時のガッツ感が欲しいとライダーが言っていたので、じゃあ付けちゃおうかと。・・・ただデータが無いんです。
春先の全日本の時とはかなり仕様が違ってきていて・・・

もし普段TTXを使っていて同じ仕様にしたい方がいればご相談下さい。YZF-R6もYZF-R1もそれぞれ全日本車と同仕様に出来ます。かなり激変するはずです。圧側のバルブ周りを結構変更しています。仕様違いも含めかなりのテストを繰り返しました。

後は、車体の確認ですね。前回の転倒からかなりの部品を交換したので違和感等は無いか?など。まだまだ有りまして燃調のセッティングもまた一からです。
とにかく時間が足りない。前もって打ち合わせはしていたのですが、走ってみないと解らない事が多すぎて、いざ走ってみると予想通りギアが合わない・・・。色々変えてみたのですがやっぱりダメで手持ちのギアではどうにもならない状態。とりあえず全日本と同じギアで行く事に。リアサスペンションは割とイイ感じのようで、スプリングの交換等も無しの微調整でなんとかなりそうな感じ。
2本目が終わって58秒5がベスト。このままじゃ帰れないよとライダーと話をして、もっとプッシュしろと言ってしまったのです。これがいけなかったのかなぁ・・・。3本目の走行開始から3周目のV字コーナーで転倒してしまったのです。この日は東コーススタートのフルコース走行。見えたんです

転がっていくところが。

結構な勢いでした・・・。あわててV字コーナーまで行くとライダーは大丈夫そう。バイクは・・・?

当社はレーシングチームでは無く、レースもやってるバイク屋さん(僕はそう思って働いています)の為レースばかりでなく一般業務もあります。夜、仕事が終わってからの作業だけでは間に合わないので、休みも修理に当てて、なんとか金曜に間に合わせたんです。
そしたらですよ?中澤選手が体が痛いと・・・とりあえず乗ってみるとどうにもならないと・・・(次の日病院に行ってとりあえず痛み止めをもらいに行ったらレントゲンを撮られてしまいヒビが入っている事が判明)・・・参りました。バイクはまとまってきたのですが、この日のベストは58秒8。マズイ・・・

予選


迎えたレースの日曜日。土曜日の雨の影響で路面はウェット(またしても・・・3回連続です・・・)。今回はクラスの走行順が変わり4番目。乾くだろうと思っていたら中々乾かない。11月のもてぎ朝9時の路面温度は1ケタ・・・どうしよう・・・。
前のクラスのST600のトップが2分8秒だったかな?リアはドライで間違いないけどフロントが判らない。中澤選手の体も考えてレインタイヤで行く事にしました。
これがまた失敗。3周目にピットインしフロントタイヤを交換する事に。今回は予選時間が15分しかなく、交換が終わって行こうと思ったら残り1分を切っていてピットロード閉鎖。

まさかの予選19番手・・・。

決勝


そして決勝。とりあえずオープンチャレンジのチャンピオンだけはどうしても欲しいとサインボードの順位もオープンチャレンジの順位を出して欲しいと、ライダーの中澤選手は決してレースを諦めていませんでした。

決勝レースがスタートし、いつもなら抜群のスタートを決める中澤選手も今回ばかりはギア比が凄いロングなのとクラッチミートがシビアなのが相まってどうにもならない感じで。ほぼ予選順位くらいで1コーナーへ。転倒車両がいたりで1周目帰ってきた時はすでに10位に。この時すでにオープンチャレンジクラスではトップでした。

その後は周回ごとに順位を上げていき、残り2周でJSBのトップも抜いて総合4番手まで順位を上げました。とにかく無事でこのまま帰ってきてとばかり考えてました。

そしてチェッカー。

迎えに行くとバイクを降りた瞬間に倒れ込む有様・・・よくこんな状態でバイクに乗っていたなと。とりあえず無事でよく帰ってきてくれたと。そして2クラスで優勝。本当に頑張ってくれました。中澤選手ありがとうと言いたいです。
ただ・・・。僕等が思い描いていた結果でない事はあきらかです。正直すごく残念だし悔しいです。

この一年、なるべくお金をかけないでどこまで行けるかを目標にやってきて、ドッグファイトレーシングでは「こんな感じかな?」というデータを取れたと思っています。この貴重な財産をお客様にどんどん還元していきたいと思っております。レーサーだけでなく街乗り車両も含めて、早速反響が有ったのも事実です。もしYZF-R1に乗っていて、聞きたいことなどありましたら、お気軽にお問合せ下さい。何でも話ますよ~。隠すような事は何もありません!(JSBエンジンはちょっとだけ言えない事がありますが・・・)よかったら是非、お店まで来て下さい。 車両はいつでも置いてありますので、実際に見てもらったり跨ったりしても大丈夫です。R1の話をしましょう。お待ちしております。

メカニックの中川でした。

リザルト


予選(ハーフウェット):総合19位 OPC-3位 JSB(N)-4位 (JSB1000(I)(N) OPM OPC 混走)
タイム:2’07.885

決勝(ドライ):総合4位 OPC-1位 JSB(N)-1位 (JSB1000(I)(N) OPM OPC 混走)
タイム:1’58.021 (BEST TIME)

オープンチャレンジクラス:年間チャンピオン獲得