レース結果

2012′ 10.23.
2012′ 10/14 アジア選手権Rd.5台湾 ライダーコメント 伊藤勇樹

ライダーコメント 伊藤勇樹


ライダー:#19 伊藤勇樹
クラス:SS600

2012′ 10/14 
アジアロードレース選手権 第5戦 台湾 ペンベイインターナショナルサーキット

予選:8位
決勝:H1  5位   H2  4位


レースコメント

予選
アジア選手権の第5戦を迎え、舞台は台湾。初開催となるペンベイサーキットは台湾の南側にあり、気温は夏を感じさせる暑さ。更に海が近いため潮風を感じる今迄体験をした事のないサーキットでした。

初めて走るサーキットをいきなりレース。初の体験に緊張感を感じながらフリープラクティスを走行しました。何もかもが分からない海外のサーキット。戸惑いながらもコースに慣れて、フリーでは総合7番手で予選に挑みます。

予選も猛暑日で、気温は約30℃を越えました。コースインし、2周目には自己ベストを更新。しかし周りのペースが想像を越えてタイムを上げ、この時点で8番手。
再びコースインしアタックを開始し、タイムを更新。それでも順位は変わらず8番手で後半戦へ。この時すでに、アジアのライダー達の強さや上手さを感じました。初めて開催されるサーキットでの早い順応性は驚かされるばかりです。

何度タイムアタックしても順位を上げる事が出来ず、焦るばかり。結局は問題点を見つけることも出来ず、8番手で予選を終えました。

予選終了後、悔しさのあまり地団駄を踏んでしまうほど。このままではいけないと解決策をスタッフとミーティングを始め、解決策の糸口を見つける事が出来ました。納得のいく方向性が見つかり、翌日の決勝に備えました。


決勝レース1
アジア選手権のレースは2回行われるが特徴で、体力とメンタルの強さが要求されます。先ずはレース1のご報告を致します。

レース1はスタート直後、エンジンの停止した車両に後方の車両が追突し一時中断。18周で行われるはずだったレースはこの影響により、15周に減算され仕切り直しとなりました。

仕切り直しのスタートは無難に決まり、6番手で1コーナーを通過。1周目を終えてのオーダーは、清成選手、藤原選手、ファドリ選手、アズラン選手、ザムリ選手、そして自分の6台で争われました。3周目辺りにチームメイトのザムリ選手をかわし5番手。5周目辺りから清成選手、藤原選手の2台が抜け出し、集団は3番手争いと変わっていきました。その直後、再びザムリ選手に先行を許してしまい、6番手に順位を下げます。ザムリ選手は更に前方のファドリ選手をかわし、今度はファドリ選手を追う形で後半戦へ。

後半戦に入っても3番手争いに大きな順位の変動はありません。前をいくファドリ選手の攻略に苦戦しながらも、3番手争いを見据える位置をキープ。前日に悩んだ問題も出ていないため、後半に入っても予選時のタイムを1秒更新し、そのタイムをキープする安定感を手に入れました。しかし、コーナーの進入時に問題を抱えてしまい、前に出る事が出来ない状況。すると13周目、4位に落ちたアズラン選手に仕掛けたファドリ選手がラインを大きく外し、そこをチャンスと思いかわして5番手に浮上。

そのまま順位が変動することは無く、5番手で終えました。3番手争いをしながら表彰台に立つことが出来なかった事は悔しく感じましたが、レース2に向けての改善点が見つかっていたので自信がつきました。


決勝レース2
レース2も猛暑が続きました。18周の決勝にはやや厳しい気温の中、レースがスタート。
今回もスタートは無難に決まり5番手で1コーナーに進入。1周目は車体の状態や、周りの状況を確認するためオーバーアクションは起こさずにコントロールラインを通過。この時点で車体に問題を抱えている事に気付きました。

トップは清成選手、藤原選手、ザムリ選手、ファドリ選手、自分と集団が固まり走行。タイムもコースレコードの1分45秒台の速さで周回を重ねました。すると前を行くファドリ選手のペースが落ち始め、トップ集団から遅れ始めました。何とか前に出ようと試みますが、なかなか前方に出る事が出来ません。コーナー進入時の問題があり、かわすのが困難な状況。ファドリ選手が後方を確認し、自分との距離を確かめ慌てた様子で再びカウルに体を伏せました。

その直後のヘヤピンコーナー、ファドリ選手がまさかの転倒。危うく接触の危機を何とか回避しこれで4番手に上がりましたが、3位のザムリ選手と大きな差となってしまい懸命に追う形。なんとかペースを上げようとしましたが、ザムリ選手との差は縮まったり、離れたりを繰り返す展開。
更に猛暑のせいで急激に体力を消耗し、苦しい状況に陥りました。それでも前を追い、全力で攻めました。

18周をなんとか走り切り4位でチェッカーを受け、一気に脱帽しましたが、後悔の無いレースだったと感じました。

レースを終えて
今回、ペトロナスヤマハやチームスタッフに助けられ、海外レースでは初の別チームからの参戦を良い形で終える事が出来ました。もちろん、優勝を狙うつもりで走りましたが、そう簡単にはいきませんでした。
応援して下さいました皆様には本当に感謝しています。次戦は全日本、最終戦である鈴鹿。そして、アジア選手権の最終戦であるカタールがあります。

応援宜しくお願いします。有り難うございました。


伊藤勇樹